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命がけの修行と向き合う

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●超人の秘密
エクストリームスポーツとフロー体験
著:スティーヴン・ コトラー
訳:熊谷玲美
https://amzn.to/3I3ijjr

フロー体験とはなにか?

オリンピックやワールドカップで見られるように、スポーツ技術の高度化はめざましい。

そういうオモテのスポーツに対する「ウラ」とも言えるのが、いわゆるエクストリームスポーツである。スピードや高さ、危険さなど、過激さを売りとするもので、英語では action and adventure sports と呼ばれている。

スカイダイビング、フリークライミング、スケートボード、フリースキー、ビッグウェーブサーフィン、ベースジャンプ、ホワイトウォーターカヤック、スノーボードマウンテニアリングなど種目もさまざま。

じつはこれらエクストリームスポーツの世界では、オモテのスポーツを超えるような、文字通り「超人的な」技術革新が繰り広げられているそうだ。

その凄まじい現場をレポートするのが本書、スティーヴン・コトラーによる「超人の秘密」である。

人類の限界を超える挑戦、その驚異の世界を読み解くキーワードが「フロー」。まわりが見えないほど対象に没頭している意識状態のことをさす。スポーツ界では「ゾーンに入る」という表現のほうがよく使われるようだ。

フロー状態に入ると集中力が極度に高まり、パフォーマンスのレベルが上がる。周囲の音が消える、時間が止まったように感じる、選択すべき行動がはっきりわかる、など通常とは異なる体験をする。

そして、生死をかけて勝負するエクストリームスポーツの選手は、普通人よりフロー体験が多いと言われる。

気功における「入静」は、フローに共通する状態と考えられる。ヨーガにおける「サマーディ=三昧」も同様だろう。

そう考えると、仏教の「ニルヴァーナ=涅槃」「空」「浄土」「他力」「無我」「身心脱落」「如来」「法灯明」「阿頼耶識」、キリスト教の「愛」「神の国」、武術における「無心」、各種瞑想における「純粋意識」「超越意識」「宇宙意識」なども、同じ現象の違った現われ方を表現しているのではないか。

フロー体験は、スポーツ能力の向上だけでなく、一般人の学習やビジネスにおけるスキルアップにも役立つと考えられている。

時間の経過を忘れるほどの集中状態。それを意図的に作り出せるのであれば、あらゆる分野における能力開発に大きく貢献するだろう。学校教育の基本を「フロー」に置く、などというアイデアが出てくる日が来るのかもしれない。

エクストリームスポーツに興味があってもなくても、一読に値する名著。



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●「気づきの瞑想」で得た苦しまない生き方
カンポン・トーンブンヌム(著)
上田 紀行 (著, 監修)
https://amzn.to/42K3FqP


苦しむ人から苦しみを観る人へ

体と心をはっきりと観られるようになると、それぞれが異なるものだとわかってきたのです。その気づきから、まるで私に新しい住みかが生まれたようでした。これまでの私の住みかであったのは障害をもったこの体でしたが、いまや気づきという新しい住みかを発見したのでした。

何度も何度も体と心の状態に気づくという作業を続けていると、気づきの力が増し、体と心のさまざまな状態を上から見守っている意識になってきます。つまり、ただありのままに観ることができるようになり、どんな心の状態が生じてもそれを問題としなくなってきました。

すると、以前のように心を重荷として見る必要がなくなります。気づきと心身の関係は、すごく慣れ親しんでいて、お互いを邪魔し合うようなことはなくなります。体と心の状態は、ただ単に、自然に起こっては消えていくものでした。

そして私たちに課せられていることは、その状態をただ観ていくことだとわかってきます。ただ気づきを保ち続けていれば、体や心、つまり目、耳、舌などに何が起こってもまたすぐ気づきに立ち戻れるようになってきました。

心地よく観察できるようになり、心は自由で平常になっていきました。以前私を悩ませていたさまざまな現象がただ外側で起こり、心には届いてこないようになりました。心は安定し、穏やかで統一してきました。平安さを新しい心のありかにできるようになったのです。



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●瞑想から荒行へ
ー意識変容をめざして
佐藤 美知子 (著)
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すごい本です。初心者向けのハウツー本ではないので、論理的に理解するのは難しい。でも、ある程度瞑想経験のある人なら、 著者の言葉の裏にある巨大な世界を感じて慄然とするでしょう。たとえば、こんな感じ。

 <生徒> 
瞑想で、今、自分の心境がどの程度のレベル なのかがわからないのですが...。

 <先生> 
あと三ヶ月の命と宣告されたと思いなさい。すぐ、わかるから。その時、あなたは、何を考えるか。あと三ヶ月しか生きられないとしたら、何をすることを考えるか。どう生きるか。それだけの問題だと思います。

      (中略)

瞑想をしてどのへんにいるかを聞くなんて、そんなバカなことはない。あなたがわからないもの、私がわかるわけがない。

      (中略)

なんで背水の陣を布いて問題にぶつからないのか。これで最後だと思ったら、自分でわかるように理解する。(中略)心が動かないで、脳ミソだけで聞いてたら、さっぱり理解がいかない。


... この厳しさ。でも、本気で生きるって、こういうことなんでしょうね。身の引き締まる思いです。



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●クンダリニーヨーガ
成瀬 雅春 (著)
https://amzn.to/3uJWZMH

先の見えない不安定な世の中に生きる私たちにとって、今もっとも必要なのは、身体と精神が一体であることを意識し、実感して、自己の安定をはかることではないでしょうか。

本書では、具体的なヨーガ技法を丁寧に解説し、最終的には、生命の根元的エネルギーが人体内で超常的能力として活性化する「クンダリニー(エネルギー)の覚醒」を目指します。

実践段階が分かるレベルチャートつき(レベル1~レベル42)。


主な内容

◎序輪《天界のクンダリニ―ブータン瞑想の旅》

◎第1輪《クンダリニーとは》
クンダリニーとは何か/ヨーガ経典を検証する

◎第2輪《基礎行法》
重要なキーワード/足首を回す行法 合蹠/メビウス行法

◎第3輪《本格行法》
修行の構え/呼吸行法 ムーラバンダ行法 バンダ・トラヤの技法

◎第4輪《新クンダリニー神話》
シヴァ神夫妻の別離/結節をゆるめる 結節を破壊する/合一に向けて

◎第5輪《神話の実践》
シャクティ女神の覚醒 シヴァ神への意識波 結節をゆるめる/結節を破壊する
◎第6輪《究極の行法》
クンダリニー覚醒の技法 シャクティチャーラニー・ムドラーの実践 エネルギーの上昇/究極の領域へ

◎第7輪《奥義の成就》
空中浮揚とシャクティチャーラニー・ムドラー 極意に達する



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●現代仙道百科
小野田 大蔵 (著)
https://amzn.to/3OS9c93

永遠の若さを追求し、不老長寿を伝承する仙人道の集大成。 真生実現の修真三法、気と導引、採気法、均斉斎法、房中術、若返りの秘法、練丹術、腹脳鍛錬、向陽服気法、却病、内観の技法、坐忘、神解自在、安処制感、未乱に治める法など、多岐に渡る話題を1冊にまとめました。

目次
はじめに

第1章 仙道とは何か----真実の生き方を追求する
仙道の目的
不老不死探求の歴史
真生実現のための修真三法
仙道習得への道

第2章 導引----歪みを正して気の流通をはかる
気と導引
座臥法
早晨修法
顔面および頭部の導引
按腹法(腹部の導引)
乾沐浴(全身摩擦法)
手足の導引
浄化法
肛門緊縮法
八段錦法(若返りの秘法)
均斉斎法
緩困導引法
睡覚法(安眠法)

第3章 服気----宇宙元気で生命力を充実する
服気とは何か
服気法の技法
生命エネルギーの貯蔵所
向陽服気法
陰陽服気法
半身服気法
身体各部からの服気
清浄法
固体服気法(食餌法)
液体服気法
採気法
正しい房中術
還精補脳

第4章 安処制感----気を収め生命の実相を直視する
安処制感の意味
腹脳
腹脳鍛練の技法
統覚法
内観
内観の技法
自己観察
忘術

第5章 練精----精を練って不死体を形成する
存想統覚
調息法
用気法
練丹法
練丹(練精化気)
練丹の応用
練丹から還丹へ(練気化神)
玉液還丹=小周天法
金液還丹=大周天法
出神(練神還虚)
神遊観
守静(練虚合道)

第6章 坐志----道と合体して自在に生きる
道(タオ)
弛緩法
坐忘
神解自在(最終段階)

第7章 却病----気の運用で病気をなおす
病気と仙道
病気に対する基本的態度
却病服気法
却病用気法
辟穀法
却病座功法
未乱に治める法



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●ニルヴァーナのプロセスとテクニック
ダンテス ダイジ (著)
https://amzn.to/3OO665G

禅とヨーガの厳しい修行を体験した著者ダンテ ス・ダイジ師が,ニルヴァーナに目覚めた体験談と瞑想行法を記録した実践的行法書。呼吸停 止、脈拍停止、脳波停止など死に至る危険な行や,クンダリニー・ヨーガの行法を公開した。 論理、教義、宗派を超えた地平が眼前に開ける。

第一章 マントラ禅
第二章 丹田禅
第三章 クンダリニー・ヨーガ
第四章 只管打坐
終わりに




投稿者 kurosaka : 2006年6月10日