ワールド・プロジェクト・ジャパン  〜 合奏音楽のための国際教育プロダクション 〜


伊久美清智さんの思い出

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静岡スイングハード・オーケストラ元バンマスである伊久美清智(いくみきよとし)さんの訃報が昨日届きました。心からご冥福をお祈り申し上げます。

伊久美さんはトロンボーン奏者、僧侶、イベント仕掛人、カメラマンなど多くの顔を持つ素敵な方でした。私は1995年春から毎年、以下のアーティストと一緒にお世話になってきました(1996年のみお休み)。


1995  ボビ・シュー
1997  ビル・ワトラス
1998  ボビー・シュー
1999  ウエイン・バージロン
2000  ブルース・ポールソン
2001  ジョージ・グラハム
2002  ボブ・シェパード
2003  サル・クラキオーロ
2004  フスト・アルマリオ
2005春 アンディ・マーティン
2005秋 リッチー・コール
2006  ウエイン・バージロン
2007  エリック・マリエンサル 
2008  ボブ・シェパード
2009  クレイ・ジェンキンス
2010  エリック・マリエンサル


以下に過去のレポートから伊久美さんとの思い出をたどり、故人を偲びたいと思います。

ウエイン・バージロン
Wayne Bergeron 1999年レポートより

<ベースの音を聞け ー5月4日ー>
静岡市民文化会館でスイング・ハード・ジャズ・オーケ
ストラと共演。コンサート全編、これハイノートづくし
の11曲。これでもかこれでもかとつきささるウエインの
音に、観客は陶然。コンサート終了後、楽屋にはサイン
を求める人の長い列ができた。

  バンド全体のサウンドをまとめるために、リ
  ードトランペットはベースを聞くべきだ。ウ
  エインは、ビッグバンドで演奏する時に、い
  つもベースのピッチに合わせて演奏する。バ
  ンドの中で最高音を吹いている自分と、最低
  音を受け持つベースが合っていれば、あとの
  メンバーがとても演奏しやすくなるからだ。

  トロンボーンやサックスも、リード奏者がベ
  ースをよく聞いて、それに合わせた方がいい
  のは言うまでもない。

ブルース・ポールソン
Bruce Paulson 2000年レポートより(ブルース手記)

The next day, Friday, May 5, we took the Bullet
Train to Shizuoka. Of course I had been waiting for
a ride on the Bullet Train and it was everything I
expected and more. My hobby is cooking, with a
special interest in seafood, and I have a boat in
Alaska which I use every summer for fishing trips.

Of course no one on earth values fine seafood more
than the people of Japan so I was very pleased to
hear that I would be able to visit a fishing port
and a fish market. Upon our arrival in Shizuoka, we
immediately left for the nearby town of Yaizu, an
important fishing port.

We were met there by the outgoing leader of the Swing
Herd Jazz Orchestra, Kiyotoshi Ikumi who took us to a
huge fish market and to the fishing port itself to look
at the boats. This is what I had been waiting for and it was
fascinating. No American could imagine that many
kinds of fish or that many different ways to prepare
fish. The market was a wonderland of seafood, all
beautifully laid out and as fresh as physically
possible. I had a great time trying to identify the
different species but I found myself pretty limited.

We even had some black ice cream made with squid
ink. As a boat owner I am always interested in
looking at boats and harbors, so this was a treat as
well. We finished the tour with Mr. Ikumi taking us
to lunch at a superb restaurant in the area. One of
the finest meals I've ever had. The freshest sashimi
and a number of other fish courses, delightfully
served in our own private tatami room.

Mr. Ikumi is a Buddhist monk and invited us to
visit his temple. Parts of the building are over
100 years old and the site dates back more than 600
years. We also were able to visit his home which
was adjacent to the temple, a beautiful traditional
house and garden. His wife graciously served us
very special tea and we hated to leave.

It was time to get to work. We made our way to
another wonderful concert hall. The Media Hall in
Shizuoka. This hall was the perfect size for a jazz
concert and had very nice natural acoustics. Right
away I was very pleased with the sound I was hearing
and I knew things would be good. The Swing Herd Jazz
Orchestra now led by Ikuo Tsukamoto was well prepared
just as all the previous bands had been.

This was to be my last concert of the tour, so there
was a special sense of importance. We went through
the music getting the balance just right and
checking tempos and the order of solos and that was
it. Way too easy. Once again the level of
preparation impressed me. The Concert Master had
done a fine job. Everything went off without a
hitch. I really enjoyed myself and I felt good
about the playing and I know the band did too. I
think we all played over our heads that night. What
a great way to end a tour.

That night we all got together at a restaurant and
had a great time eating, drinking and talking about
music, fishing and all of the things we had in
common. I also had some very good sake. I wish I
knew what kind it was. My only regret was that we
didn't have more time together.

The concerts were over but there were still some
workshops to do at two universities and one at a
music store in Tokyo. So in the morning we got on
the Bullet Train to Tokyo.

ジョージ・グラハム
George Graham 2001年レポートより

<4月29日:静岡公演>
ジョージは現在64歳。競争の激しいロサンゼルスのスタ
ジオでトップの座を維持しつづけてきたジョージですが、
少しずつ「転進」を考えているとか。

ひとつは、作曲やプロデュースの道。そのための場とし
て、Pippo Ave.Records というレーベルを立ち上げ、CD
制作を始めました。ジョージ自身の3枚目のアルバム
「How About Me ?」が、Pippoレーベルからリリースされ
たばかりです。

もうひとつの道は、もっと自分自身を前面に押し出して、
直接、聴衆に訴えかけること。今回の日本公演もその一
環です。また、このツアーが終わって帰国してからは、
自身のクインテットでレコーディングするとか。

さて、ジョージと私は、朝8:30の高速バスで徳島駅前を
出発して、神戸三宮駅へ。ここからタクシーで新神戸駅
へ向かい、新幹線で静岡を目指しました。

午後1:37に静岡へ到着。ホテルへチェックインして1時
間ほど休憩。それから、メディアホールへリハーサルに
向かいました。スイング・ハードとジョージのジョイン
ト曲は以下の通り。

1st Set
1.Peanut Face
2.Tailfeathers
3.The Thomas Crown Affair
4.But Beautiful
5.Scraping the Top of the Barrel

2nd Set
6.Samba Dees Godda Do It
7.My Funny Valentine
8.My Marilyn
9.Stardust
10.Kinda 2 Kinda 3

メディアホールは収容人員350、きれいな音のする会場
です。ジョージの美しいトランペットを響かせるには
ぴったりのホール。客席も早々と埋まり、スイングハー
ドとの共演は和気あいあいとしたムードで始まりました。

今日もジョージのバラードは光っています。心のひだに
染みわたるようなキメの細かい音色、誰の胸にも甘い感
傷を呼びさますロマンチシズム。コンサートが終わって
楽屋を訪ねた女性客が「素敵な演奏でした」とおっしゃ
ってくださいました。そう、「素敵な」という形容がふ
さわしい、実にしみじみとした音楽なのです。

打ち上げは静岡駅前の「魚彩(うおさい)]で。大いに
飲み(ジョージはウーロン茶)、食い、語り、写真を撮
り、楽しい宴でした。

明日は名古屋へ向かいます。


ボブ・シェパード
Bob Sheppard 2002年レポートより

2002.4.29 静岡公演
<緑あふれる静岡へ> 新幹線で、緑あふれる美しい静岡
に着いて、すぐにホテ ルへチェックイン。午後3時から、
今日のホストバンド、 ザ・スイング・ハード・オーケス
トラとリハーサルです。

会場は、メディアシティ静岡4Fのメディアホール。残念
なことに、この響きのよいホールは、今日が最終公演。
明日には閉館となるそうです。ボブもスイング・ハード
も、厳粛な気持ちで、メディアホールの有終の美を飾る
べく、心をこめて演奏しました。


<愛があふれるスイング・ハードと>
スイング・ハードは、結成37周年を迎える老舗バンド。
独自のサウンドに、年々磨きがかかっています。ボブは、
以下の曲を共演しました。

  第1部
   Beautiful Love
   Sphinx
   Nothing Personal
   Body & Soul (ソロで)
   Somebody's Samba
  第2部
   Black Nile
   Back Bone
   DAAHOUD
   Moment's Notice
   アンコール:Mambo De Memo

サックス・セクションの面々は、1曲目の Beautiful
Love で、ボブがテーマの第一音を放った時、ゾクゾク
シビレたとか。「これって、ジャズだよ」という感激で
すね。


<笑いあふれる打ち上げで>
社会人バンドの魅力は、メンバーがそれぞれに人生のド
ラマを背負っていることだと思います。「年数 x 人数」
分のドラマが、年とともに増える。そうして、音楽性に、
運営に、なにより打ち上げに、独特の個性が生まれます。

スイング・ハードの打ち上げは、「おれたちゃ楽しいぞ」
というのが参加者の笑顔としてこぼれる、生き生きとし
た宴会です。なかでも極め付きは、スイング・ハード流
の三三七拍子。

  シャン・シャン・シャン(休符)
  シャン・シャン・シャン(休符)
  シャン・シャン・シャン・シャン
  シャン・シャン・シャン(休符)

という普通のは、三三七拍子ではなく、ただの四拍子で
はないか、というのが彼らの理屈です。したがって、真
に三三七拍子を名乗るからには、どこにも休符を入れる
ことなく「一・二・三・一・二・三・一・二・三・四・
五・六・七」と、一気に手を叩くべきだと。

これは、マイルス・デイビスがモードをジャズに取り入
れて以来の、画期的な発想かもしれません(誰か文句あ
ります?)。

サル・クラキオーロ
Sal Cracchiolo 2003年レポートより

サル通信 2003.4.27

<サルは日本茶がお好き>
今日は大阪を発ち、静岡へ向かいます。静岡といえば、
日本を代表するお茶の産地。サルは日本茶が大好きです
から、たまりませんね。
今日の共演はスイングハード・ジャズ・オーケストラ。
創立38年になる老舗ビッグバンドです。会場は「しずぎ
んユーフォニア」という素敵なホール。

1st Set
Just Friends
A Night in Tunisia 
(以下サルと共演)
 Just Platonic
 Alone Together
 First Light
 Hangin' with Herman

2nd Set
Mambo De Memo
Moment's Notice
(以下サルと共演)
 Serengeti
 Smoke Gets in Your Eyes
 Potatoe Blues
(アンコール)A Train Mambo


<明るさの競演>
サルは根っからの明るいキャラクター。一方のスイング
ハードも楽しいこと大好きの明るいバンドです。どうい
うやらこの両者のノリが「はまって」しまったようです。

サルが楽しけりゃスイハーも楽し。気が交流するという
のはこういう状態でしょう。お互いに演奏を高めあって、
さらにそのウキウキした雰囲気が客席とも交歓を始める。

最後の Potatoe Blues では4人でサル回しもといソロ回
しをして、大いに盛り上がりました。アンサンブルもグ
ングンまとまって、気がつけばコンサートは大成功。こ
ういう状態になると、もう何をやっても笑顔、笑顔です。


<世界一の宴会バンド>
スイングハードといえば、知る人ぞ知る宴会バンド。打
ち上げがやりたくてバンド活動をしているメンバーがい
るとかいないとか(いないでしょうけどね)。静岡駅前
の「魚彩」という居酒屋で、今年もハイテンションな宴
会が開かれました。

隣の座敷では20代と思われるお姉さんたち20名ほどが、
これまた飲めや笑えの大騒ぎをしていて、サルとスイン
グハードの写真撮影に乱入してくる始末。それを迷惑が
るでもなく、ちょっとしたジャムセッションのようなつ
もりで、さらに盛り上がってしまうスイングハードであ
りました。

打ち上げのしめは恒例の「休符なし三三七拍子」。シャ
ンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン
シャンシャンシャンシャンと、一気に13発拍手をする、
このバンド独特のしめです。

こうして静岡の明るい夜はお開きとなったのです。

フスト・アルマリオ
Justo Almario 2004年レポートより

JA NEWS 2004.4.29 ~静岡~

<静岡は快晴なり>
ゴールデン・ウィークの始まりは見事な快晴。東京駅か
ら新幹線で静岡へ向かう車中から、きれいな富士山を見
ることができました。

今日の共演はスイングハード・ジャズ・オーケストラ。
創立39年になる老舗ビッグバンドです。このGolden Jazz
Weeksという企画を、私が手掛けるようになって今回で9
回目。スイングハードはそのすべてにお付き合いくださっ
ています。 バンド史の1/4をご一緒させていただいた計
算になりますね。

今年の会場は「しずぎんユーフォニア」という素敵なホ
ールです。

1st Set
Potatoe Blues
Beautiful Love
(以下フストと共演)
Mambo Barbara
My Funny Valentine
Billie's Bounce
Cubano Chant

2nd Set
Just Friends
A Train Mambo
(以下フストと共演)
After You've Gone
Vista
Pra Dizer A Deus(ぷらでぃせるあでうす)
There Is No Greater Love
(アンコール)
コロンビアの歌


<大サービス>
フストは、いきなり「バスガス爆発」を連発したり、冗
談(*註)を言ってみたりと、エンタテイナーぶりを発
揮。特に、アンコールのフルートソロ(コロンビアの歌)
では、途中でハンカチを取り出して振り回しながらステ
ージを小躍りで駆け回るなど、大サービスです。

  註:フストの母国語であるスペイン語と日本語は音の
    響きに似たところがあるそうです。たとえばガト
    という言葉はスペイン語でキャット(=猫)を
    意味するとか。だから「どもありがと」と聞くと
    「ダメマスガト」のように聞こえて面白い。これ
    は Give me more cat (もっと私に猫をくださ
    い)という意味になるらしいです。・・・という
    ような冗談をステージで披露しました。

もちろんサックスもフルートも絶好調。バンドも聴衆も
フストの繰り出す流麗なフレーズと豊かな音色に心を奪
われていきます。


<スイング・ハード with コロンビア・バード>
いつものように打ち上げは静岡駅前の「魚彩」。フスト
の超絶技巧にシビレたサックス・セクションは、宴会開
始と同時に顔が上気しているようです。フストはウーロ
ン茶とコーラしか飲んでいないはずなのに、酔っぱらっ
ているかのように饒舌。

「今まで何度も日本へ来たけど、いつもアメリカ人のバ
ンドメンバーとばかり過ごしていた。今回のツアーは各
地の人と親しく接することができるし、日本文化にも触
れられる。おまけにジャズを演奏できる。こんな素敵な
ことはないよ」

その「親しく接する」のが、史上最強の宴会楽団スイン
グハードですから、盛り上がらないはずがありません。
これも恒例となった「休符なし三三七拍子」で、シャン
シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャ
ンシャンシャンシャンと十三連発手拍子を決め、スイン
グハードの宴会不敗神話(?)に新たな歴史を刻んだの
でした。

アンディ・マーティン
Andy Martin 2005年春レポートより

2005.4.29 静岡しずぎんホール

<アンディ挑戦!>
今日は静岡公演です。しずぎんホール「ユーフォニア」
という素敵なホールでスイング・ハード・ジャズ・オー
ケストラと共演。

今年で10回目を迎える当企画「ゴールデン・ジャズ・ウィ
ークス」のすべてにご参加いただいているバンドです。
しかもスイング・ハード自体が、今年はバンド結成40周
年だとか。おめでとうございます♪

ここでアンディはひとつの試練に立ち向かうことになり
ました。演奏曲目が11曲もあるのです。しかも難曲揃い。
「司会で曲の間をあけてほしい」というリクエストが出
るほどで、さすがのアンディにもキツいメニューだった
ようです。

第1部
Cubano Chant(スイングハード単独演奏)
I'll Be Around
I Thought About Ewe
Fahn & Andy
Sentimental Over You
So CLose And Yet So Far

第2部
Mambo Barbara(スイングハード単独演奏)
Just Friends
Everything You Is
Dearly Beloved
Imagine What A Change Will Do
Caravan
Star Eyes(アンコール)

曲間の時間調整をする必要もあったので、僭越ながら今
年は私がMCを勤めました。ツアーの話、アンディへのイ
ンタビュー、当社の宣伝も織りまぜながら、ゆる~い司
会をさせていただきました。

  余談:これまで一部の方々にのみ知られていたスイ
     ングハード流「正調・三三七拍子」を、今回
     は会場で披露しました。「シャンシャンシャ
     ンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャ
     ンシャンシャンシャンと、休符なしで手を打
     ちならすものです。伊久美バンマスによる音
     頭のもと、会場のお客さん全員でやる「正調」
     は、見事なアンサンブルでした。

アンディは、今宵の難局を安々と乗り越えたように見え
ました。いつにも増して音色は美しく、速いフレーズも
意のままに吹きこなす。ツブツブのタンギングは今日も
快調でした。

ただテンポや進行などについて、バンドとのコミュニケ
ーションに失敗した箇所がいくつかあったようで、次回
共演に向けて、私には課題も残りました。

とはいうものの、お客さんからは「すごく楽しかった」
という声が聞かれました。会場で身体を揺らしながらノっ
ておられる方もあったそうです。CDも完売しましたし、
全体としては大成功だったと思います。

打ち上げは「無有」というエキゾチックな居酒屋を借り
切って行なわれました。真っ赤に装飾された店内にはサ
ルサが流れ、そうめん、そば寿司、鶏の唐揚などをつま
みながらの宴です。アンディは日本酒好きで、このお店
の熱燗がたいそうお気に召したご様子。

もちろん「正調・三三七拍子」でシメて、静岡公演を打
ち上げました。

リッチー・コール
Richie Cole 2005年秋レポートより

2005.11.3 ~静岡 スイング・ハードJO~

<世界一の宴会バンド>
リッチー・コール「BACK ON TOP」ツアーの
皮切りは、静岡の素敵なホール「グランシッ
プ」の公演です。共演は地元の社会人ビッグ
バンド「スイング・ハード・ジャズ・オーケ
ストラ」。

スイング・ハードは今年で創立40周年を迎え
る老舗バンドです。シニアバンドと呼ぶには
若々しく、しかしじっくり熟成した大人のサ
ウンドを響かせる。ジャズを愛し、音楽を心
から楽しむナイスミドルの集まりです。

かれこれ10年以上お付き合いさせていただい
ていますが、以前、私はこのスイング・ハー
ドを「世界一の宴会バンド」と評したことが
あります。演奏がパーティーのように楽しい
ことに加え、打ち上げが異様な盛り上がりを
見せるからです。

リッチー・コールもまた強烈に明るいキャラ
クターで、超絶技巧の「お祭りサックス」。
宴会とお祭りの競演で、お互いを高め合う展
開となりました。


<リッチーが流れ出す>
第一部
 Nica's Dream(スイング・ハードのみ)
 Blue Skies(ボーカル:マリテス)
 Greatest Love of All(ボーカル:マリテス)
 Love Is Here to Stay(ボーカル:マリテス)
 ここでリッチー登場!
 Green Bay Rd.
 Heads Up
 Polka Dots And Moonbeams
 Remember Your Day Off

第二部
 Tell Me A Bedtime tory(スイング・ハードのみ)
 Night & Day(ボーカル:マリテス)
 Easy to Remember(ボーカル:マリテス)
 For Once in My Life(ボーカル:マリテス)
 ここでリッチー登場!
 Palombo
 煙りが目にしみる(サックスソロ)
 A Night in Siberia
 Trenton Style
 Harold's House of Jazz
 (アンコール)
 Lady Is A Tramp(マリテス&リッチー)

スイング・ハードの明るい演奏、マリテスの
迫力あるセクシーな歌声。そしてリッチーの
陽気なサックスの音色が美しく流れ出す。

800席近い客席はほぼ満員。リッチーのテク
ニックとサービス精神に、会場はどんどんヒ
ートアップしていきます。楽しい! まさに
予想どおりの展開となりました。


<打ち上げは魚彩で>
さあ、世界一の宴会バンドが主催する、いよ
いよ本物の「宴会」タイムです。会場は静岡
駅前の居酒屋「魚彩(うおさい)」。

楽しく、明るく、充実した40周年記念リサイ
タルを、いつもの「休符なしオリジナル三三
七拍子」でシメました。

ウエイン・バージロン
Wayne Bergeron 2006年レポートより

ウエイン、静岡につきささる!
2006.4.29   スイング・ハード・オーケストラ

<ユーフォニアの夜>
静岡公演です。しずぎんホール「ユーフォニア」
という素敵なホールでスイング・ハード・オーケ
ストラと共演。スイング・ハードとは1999年にも
共演していますので、7年ぶりの再会です。

スイング・ハードのバンマスは伊久美さんという
禅宗のお坊さんです。毎回コンサートの直前には、
楽屋にメンバーを集めて、ありがたい法話をして
からステージに臨みます。今日の説法は「歯の医
師の物語」。心にしみいる深い話でみんな集中力
を高め、いよいよ本番です。


第1部
Just Friends(スイングハードのみ)
Nika's Dream(スイングハードのみ)
Friend Like Me
High Clouds And A Good Chance of Wayne Tonight
Hospital Blues(Hidemi に捧ぐ)
Rhythm Method

第2部
Sugar(スイングハードのみ)
Spain(スイングハードのみ)
St Louis Blues
Waltz of The Flowers
Caught in The Moment
Pain for Wayne
(アンコール)
Rocky


ユーフォニアに、ウエインの美麗なハイノートが
朗々と響きます。その音色は天女のように美しく、
たけり狂う龍のように力強い。そして軽やかで正
確なタンギング。音を聞くだけで至福のトランペッ
トです。

当然ながら、お客さんからはアンコールの嵐。ロッ
キーのテーマで華やかに終わったあとも、拍手が
鳴りやまず、二回のカーテンコールに応えました。

CDを購入した方々がサインを求めて楽屋に並んで
おられるようすを見ても、みな上気して顔が輝い
ている。信じられない音を聞いたという表情です。

打ち上げは静岡駅前の「魚彩」という居酒屋。お
互いの健闘を称え、飲み、食べ、語り、旧交を暖
めました。

スイング・ハードの課題は何かという質問に対し
て、ウエインは「ダイナミクスをはっきりつける
とさらによくなる」とアドバイス。全体に音量が
大きいので、小さなボリュームで演奏できるよう
練習してみては、とのこと。

例によってスイングハード流「正調・三三七拍子」
で打ち上げをしめくくりしました。シャンシャン
シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャ
ンシャンシャンシャンと、休符なしで手を打ちな
らして。


エリック・マリエンサル
Eric Marienthal 2007年レポートより

2007.4.29 マリエンサル、招福!
静岡Swing Herd Orchestra


<ユーフォニアの春>
静岡公演は、しずぎんホール「ユーフォニア」とい
う美しいホールが会場。ホストバンドはスイング・
ハード・オーケストラ。スイング・ハードさんは
GOLDEN JAZZ WEEDKS 皆勤バンドのひとつで、春の
ゲスト共演は12回目を数えます。ありがとうござい
ます~◎

バンマスは伊久美さんという禅宗のお坊さんです。
毎回コンサート直前に、楽屋へメンバーを集めて、
ありがたい法話をしてからステージに臨みます。
今日の説法は「ハマグリの物語」。心にしみいる
深い話でみんな集中力を高め、いよいよ本番です。


第1部
High Clouds And A Good Chance of Wayne Tonight
ここでエリック登場。
Just Platonic
Time with You
Early Autumn
Speak Low
Crazy but...

第2部
Speak No Evil
ここでエリック登場。
No Three Ways about It
Two Samba to Go
Just A Beautiful Night Like This
ソロプレイ
Cool Fusion Samba
(アンコール)
Body & Soul


<ショーとしてのジャズ>
ユーフォニアにエリックの美しいサウンドが響きま
す。あるときは勇者のように大胆に、またあるとき
はジゴロのように繊細に。

エリック・マリエンサルのステージは、こむずかし
い音楽ではなく、華麗なテクニックと軽妙なフレー
ジングを味わうエンタテイメント。古き良き時代の
「ショーとしてのジャズ」を思わせます。

スイング・ハードの集客力は年々増強し、今年は立
見まで出ました。ラストナンバーの Cool Fusion
Samba で熱く盛り上がった満員のお客さんからアン
コールの嵐。Body & Soul でしっとりとしめくくり
ました。

打ち上げは静岡駅前の「魚彩」という居酒屋。よい
コンサートによいお酒。例によってスイングハード
流「正調・三三七拍子」で打ち上げました。いよ~
お、シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン
シャンシャンシャンシャンシャンシャンと、休符な
しで手を打ちならし。

明日は名古屋でRare Sounds Jazz Orchestraと共演
します。

ボブ・シェパード
Bob Sheppard 2008年レポートより

【SHEPP NEWS】
2008.4.29 シェパード自在

<スイングハード>
きのうは名古屋から静岡への移動日。ボブはマッ
サージを受けたいとのことだったので、地元の方
にお勧めの店を教えていただきました。

静岡駅から徒歩15分くらいの「やまと整体」さん
を予約。ボブからあとで聞いた話ですが、「最高
だった」そうです。


さて、今日のコンサートは老舗ビッグバンド「ス
イングハード」との共演。毎年お付き合いいただ
いていて、今回が13回目のジョイントです。

バンドマスターは禅宗の僧侶でもある伊久美清智
(いくみ・きよとし)さん。プログラムに載せた
バンマスあいさつがすばらしいので、ここに全文
を引用しましょう。


 ごあいさつ 
 バンドマスター 伊久美清智

  シェパードというと警察犬や盲導犬、軍用犬
 として活躍している犬を思いうかべる方も多い
 事でしょう。先日も行方不明になっていたお年
 寄りを山中で発見したという警察犬の手柄が話
 題になっておりました。最も知能が進んだ犬種
 の一つとされ、ドイツ生まれで正式名をGerman
 shepherd dogといいます。

  本日、アメリカからお迎えしたシェパードは
 Bob Sheppardでカタカナで表記すると同じです
 が、スペルが違います。多分、微妙に発音も違
 うのだろうと想像出来ますが、日本人の発音は
 同じになってしまいます。

  「吠える」という字は口と犬で構成されてい
 ます。犬と犬とが出会ったとき、お互いがにら
 み合って唸っていることがあります。犬の口が
 二つある状態を「哭」といい、人間にとってみ
 れば大声で泣くことです。

  ボブ・シェパードの表現力豊かな、時にむせ
 び泣くようなサックスの音色があなたの涙腺を
 潤すことになりますでしょうか。
 春宵のひととき、どうぞお楽しみください。


すごくまじめなような、どことなくトボケたよう
な、じつに味わい深い文章です。


第1セット
 Two Samba to Go(スイングハードのみ)
 Just Friends
 Strollin'
 Dragon Blues
 That Old Black Magic

第2セット
 Speak Low(スイングハードのみ)
 I Thought About Ewe
 Bellavino Blues
 The Longing
 Caravan
 アンコール
 Solo
 Berda's Bounce


セクシーダイナマイトの平均年齢が35歳、レアサ
ウンズが45歳、そしてスイングハードは54歳だそ
うです。ボブが55歳(このツアー中に富山で56に
なります)ですから、ちょうど同じ世代ですね。

スイングハードの演奏も円熟味が増しています。
「練習不足で...」と謙遜されていますが、聞かせ
どころをおさえた、若々しい演奏。バンドのエネ
ルギーに後押しされるように、ボブのプレイも楽
しげでした。

ところで、メンバー紹介をしていて気付いたので
すが、このバンドには名前の最後に「お」のつく
男性が多い。団員20名のうち、なんと9名がそう
で、しかも全員違う名前です。

1.しげお 成夫
2.なつお 夏夫
3.ひさお 寿男
4.もりお 盛夫
5.としお 俊雄
6.かつお 勝夫
7.いくお 郁夫
8.たかお 孝雄
9.てるお 晃男

だからどうだというわけではありませんが...。


打ち上げは静岡駅前の魚彩で。ボブを囲んだサッ
クスセクションは奏法談義、楽器談義に花が咲き
ます。これまでの SHEPP NEWS でも何度かご紹
介しましたが、ボブの奏法はタングマジックとまっ
たく同じ理論のうえに成立しています。

たとえばトランペットの場合、近年のマウスピー
スは多くが以下のような特徴を持っています。
(専門用語が多くてごめんなさい)

 カップ:浅い
 ドリル:小さい
 スロート:長い
 バックボア:タイト

これはどういうことかというと、抵抗が大きい、
つまり空気が通りにくいということです。マウス
ピースに抵抗をつけることで、自動的に息のスピ
ードを上げようという設計です。

同じことがサックスのマウスピースにも起きてい
るそうです。

 バッフル:高い
 チェンバー:狭い

これもマウスピース内の抵抗を高めて息の流れを
速くしようという発想ですね。

しかし、金管も木管も息の流れを舌でコントロー
ルすれば自由に演奏できる。そのために舌を鍛錬
する必要があり、鍛錬された舌にとってマウスピ
ースの抵抗はかえってジャマになります。

このあたりの事情は、近日中に雑誌取材も予定さ
れていますので、そこでくわしく述べることにな
ると思います。お楽しみに?


さて、スイングハード恒例の「正調三三七拍子」
で宴会もお開きです。休符をはさまないで一気に
手を叩きます。いよ?、シャンシャンシャンシャ
ンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン
シャンシャン! おつかれさまでした☆

クレイ・ジェンキンス
Clay Jenkins 2009年レポートより

【クレイ通信】スイングハード 2009.4.29

<快晴の静岡へ>
ツアー前半の東京7公演を終えたクレイは、今日か
ら後半戦です。まず静岡へ向かい、社会人ビッグ
バンド「スイングハード・オーケストラ」と共演
です。会場はしずぎんホール「ユーフォニア」。

スイングハードの特徴は、アーティストが用意し
た曲をすべて演奏すること。各セットのアタマに
独自の1曲を加え、全部で15曲(!)も演奏する
ジャズマラソンになりました。


第1セット
 Bellavino Blues(スイングハードのみ)
 It Could Happen to You
 Alone Together
 Soft Skies
 Yellow Flower After
 I Concentrate on You
 Joy Spring

第2セット
 Eureka !(スイングハードのみ)
 Tray-bo
 My One And Only Love
 Flugel Nights
 Meaning of The Blues
 Home
 Work First
 アンコール:Doxy


創立44年目を迎える老舗ビッグバンドのサウンド
は、年を重ねるごとにいぶし銀の輝きを増すよう
に感じます。無駄をそぎ落とした大人の演奏です。

クレイのトランペットが、よく響くユーフォニア
のホール内にしみわたります。あるときはマイル
スのように、またあるときはサッチモのように。

スイングハードのバンドマスター伊久美清智さん
はトロンボーン奏者にして禅宗のお坊さん。その
言葉には仏の智慧がにじみ出ています。今日のプ
ログラムに載せたバンマスあいさつを引用してみ
ましょう。


 ごあいさつ
 バンドマスター 伊久美清智

 ジェンキンスさんといえば「ああ、あの人...」
 と思いうかべる人も多いことでしょう。元アメ
 リカ軍兵士、北朝鮮拉致被害者・曾我ひとみさ
 んの夫、チャールズ・ロバート・ジェンキンス。
 しかしジェンキンスさんは「あの人」だけでは
 ありません。

 野球選手のファーガソン・ジェンキンス、イギ
 リスのミュージシャン、カール・ジェンキンス。
 18世紀イギリスの商船レベッカ号の船長、ロバ
 ート・ジェンキンス。ソプラノ歌手、キャサリ
 ン・ジェンキンス。アメリカのスケート選手、
 キャロル・ヘイス・ジェンキンス。そして今夜、
 お迎えしているのはトランぺッター、クレイ・
 ジェンキンスです。

 かつてケントン・スクールといわれるほど著名
 なプレイヤーを輩出したスタン・ケントン・オ
 ーケストラにおいて活躍、その後数多くのビッ
 グバンドを経て、2002年、ベース奏者のジョン・
 クレイトンとドラマーのジェフ・ハミルトンが
 率いるザ・クレイトン=ハミルトン・ジャズ・
 オーケストラのメンバーとして、焼津市文化セ
 ンターで演奏されたこともあります。

 風聞によれば来年も、ザ・クレイトン=ハミル
 トン・ジャズ・オーケストラの焼津でのコンサ
 ートが企画されているようです。また会えるか
 もしれないという期待を胸に抱きながら、今宵
 ひととき、確実なテクニックと豊かな音楽性を
 備えたトランペット・プレイをお楽しみ下さい。


そこはかとなく漂うユーモアがえも言われずあり
がたいですね。合掌。

いつものように静岡駅前の魚彩で打ち上げ。「休
符なしオリジナル三三七拍子」でシメくくりです。
いよ~! シャンシャンシャンシャンシャンシャ
ンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン!


エリック・マリエンサル
Eric Marienthal 2010年レポートより

【EM NEWS】静岡スイングハード 2010.4.29

<静岡は快晴なり>
ツアー前半1/3にあたる東京6公演を終え、エリッ
クは、今日からロード5公演です。静岡へ向かい、
社会人ビッグバンド「スイングハード・オーケス
トラ」と共演。会場はしずぎんユーフォニア。響
きの美しいコンサートホールです。


第1セット
 Doxy(スイングハードのみ)
 ここでエリック登場
 Green Bossa(Blue Bossa)
 Your Romance(My Romance)
 Second Chances
 Ballad For G And E
 * G=Gary Holapoff, tp
  E=Everette Carrol, as
  どちらもTom Kubisの生徒だったとか。
  30年くらい前の話ですけれども...。
 What Is Dis Ting(What Is This Thing Called Love)

第2セット
 Alone Together (スイングハードのみ)
 ここでエリック登場
 Dolphinology(On Green Dolphin Street)
 Tristing(Triste)
 Worried Bout' You
 ソロでBody&Soul
 Punta Del Soul
 There Will Probably Never Be (There Will Never Be Another You)
 アンコール:
 There Is No Greater Lunch (There Is No Greater Love)


新バンマス村松夏夫さんのもとで創立45年目を迎
える老舗ビッグバンド。年々、平均年齢があがっ
ていきますが(笑)、それがまた味になっていま
す。力の抜けたいい演奏、オシャレな大人の音楽
会といった雰囲気です。

昨年までは禅宗のお坊さんの伊久美さんがバンマ
スでしたが、昨秋、体調を崩されてリーダー業を
交代。現在は体力回復に向けて静養中です。今日
は宗教色を排した(?)新生スイングハードの演
奏を、会場で楽しんでおられました。

エリックのサックスは今夜も絶好調。ユーフォニ
アの美しい音響も手伝って、ホール内はエリック
とスイングハードが織りなす楽しい世界に染まっ
ていきます。

そして、これも恒例となった静岡駅前「魚彩」で
の打ち上げ。サックス隊はエリックを囲んでマウ
スピース談義に花が咲きます。宴会の最後は「休
符なしオリジナル三三七拍子」でシメくくります。
いよ~! シャンシャンシャンシャンシャンシャ
ンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン!

お疲れさまでした☆

***

伊久美さん、安らかに。

投稿者 kurosaka : 2010年8月22日