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水の呼吸シリーズ

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INDEX

刊行順に番号が付いていますけれども、各巻独立した読み切り作品です。ご興味に応じて、どこからでも読み始めることができます。

007.閉吸開呼
006.くらげ呼吸法
005.鳥を見た
004.ガティング
003.守破離
002.キメラダンス
001.罪深き恋の呼吸法






007.閉吸開呼

閉吸開呼〜忘れられた秘法〜
黒坂洋介

ラジオ体操の深呼吸では、息を吸うとき身体を開き、吐くときには身体を閉じる。

ところがこれとは逆の身体操作を行なう呼吸法が存在する。すなわち、吸うとき閉じ、吐くとき開くものだ。

私は30年近くにおよぶ呼吸法研究の過程で、この「閉じながら吸い、開きながら吐く」方法の重要性に気づき、閉吸開呼(へいきゅうかいこ)と名付けた。

それは気功、瞑想、宗教行法のそこここに発見できた。身体を開いたり閉じたりする方法もあれば、意識だけを開閉するものもあり、バリエーションは豊富である。

それらは独立した練習法としてカリキュラム化されていることはまれで、型稽古の中に潜在プログラムとして内包されるケースが多い。

水の呼吸においては、「くらげ呼吸法」の一部に閉吸開呼が登場する。本書ではさらに踏み込んで閉吸開呼を単独で取り上げ、その理論と方法を整理したい。


わかりやすい読み物とするべく、対談スタイルのフィクション形式を採用した。水の呼吸シリーズでおなじみの、風来末先生とパイポくんに登場してもらおう。






006.くらげ呼吸法

くらげ呼吸法〜ぐにゃぐにゃの内臓から力が湧く〜
黒坂洋介

水の呼吸を代表するワークのひとつが「くらげ呼吸法」である。正式名称をジェリーフィッシュ・フロートといい、くらげの浮遊を意味する。

くらげ呼吸法は、体幹部開発のためにデザインされた。骨盤底部、腹部、胸部、肩甲部を別々に使えるよう練習を重ねる。

複雑な動きをともなうので難しく見えるかもしれないが、わりとすぐに覚えられる。慣れてくれば、自然な動きと感じられるだろう。

自分の身体をくらげと思って、海中を漂うイメージでやるとよい。閉じたり開いたりしながら、のんびり水に浮かぶ気分になれたら理想的だ。

くらげ呼吸法を10分ほど実践すると、身体が変化していることに気づくだろう。体幹部がほぐれて温まり、動きやすくなっている。

さらに、内臓を大きく動かすため、血の巡りがよくなる。酸素と二酸化炭素の交換が進んで、頭もすっきりする。

呼吸法は一生にこれひとつ覚えればいいと言えるほど、ゆたかな内容になっている。ぜひ長く愛用していただきたい。

今回もわかりやすい読み物とするべく、対談スタイルのフィクション形式を採用した。水の呼吸シリーズでおなじみの、風来末先生とパイポくんに登場してもらおう。







005.鳥を見た

鳥を見た〜4つの視点で呼吸を読み解く〜
黒坂洋介

たとえば腹式呼吸。これを推奨する指導者があれば、批判する流派もある。そしてお互いの議論はどこまでも平行線で、交わることがない。

どうしてこんなことが起きるのか。それは「見ているところが違うから」である。さらには「見方が違うから」でもある。

腹式呼吸の推進派と批判派は、どちらかが正しくてどちらかが間違っているわけではない。いずれも自分がスポットを当てている部分については、なんらかの「正しい」主張をしている。けれども、相手がどこに着目しているかに無関心なのだ。

たとえば円錐形を上から見れば円形に見える。同じ立体を横から見れば三角形に見える。円錐よりもさらに複雑な構造物であれば、観察する立ち位置次第で、その形は千変万化するだろう。

実際、呼吸は私たちがふつうに思うよりはるかに複雑で大きな身体運動である。重力、骨格、筋肉、内臓、体液、神経、細胞内器官、化学反応、心理状態など、多層に渡って影響を及ぼし合う、きわめて精緻で大規模な現象なのである。

したがって、どの部分に注目するかによって、見える景色はまったく異なる。単純な「正解」はないと言ってよい。

本書では、視点の起き方を4種類に分けて、誤解が生じる原因とその解消法について提言する。

例によってわかりやすい読み物とするべく、対談スタイルのフィクション形式を採用した。水の呼吸シリーズでおなじみの、風来末先生とパイポくんに登場してもらう。

呼吸法のみならず、学習一般のヒントになれば幸いである。






004.ガティング

ガティング〜不安が消えてゆく呼吸法〜
黒坂洋介

ガティングは、ガット(gut 腹、腸、はらわた、内臓)に強い刺激を与える呼吸法。通常は闘気を高めたり、エネルギーをチャージしたいときに用いる。

地中で真っ赤なマグマが燃えたぎり、火口から噴出するイメージの、熱力あふれるワークである。したがって、やる気が出ないときや弱気になっている場面で、心身を奮い立たせることが期待できる。

けれども困難な状況に陥ったとき、やみくもに闘気をたぎらせるだけでは、じつは強さを引き出せない。そこではずっしりと重量感のある「不動心」が求められるし、また研ぎ澄まされた冷静な「判断力」も必要だ。

目的を持ってガティングに取り組むことで、情熱を高めるだけでなく、ゆるぎない自信や、明晰な思考を形成する。そしてそれらの諸要素をうまく調製し、バランスのよい心理状態へ導くことが可能となるのだ。

今回もわかりやすい読み物とするべく、対談スタイルのフィクション形式を採用した。水の呼吸シリーズではおなじみの、風来末先生とパイポくんに登場してもらおう。

本書が不安解消の一助となれば幸いである。






003.守破離

守破離〜学習の進化論〜
黒坂洋介

呼吸法を学び始めて約30年の月日が流れた。その過程で多くの師、書籍、文献、動画などと出会い、自分なりに研究を重ねてきた。

そして気づいたのは、呼吸法はたいへんに流派性が強いということだ。それぞれみずからが正当な呼吸法であると主張し、相互に争い合っている。

鼻を使うか口を使うかに始まり、肩はどう使うか、胸は、腹は、出し入れする空気の量は、呼吸にかける時間は、呼吸を強く意識するかしないか、操作するかしないかなど、それぞれに強い主張を持つ派閥が形成されている。

「吸い」を重視するか、それとも「吐き」を重視するかも大きなテーマのひとつである。吸う練習をメインにすべきであり、吐きは無視して構わないと指導する一派が存在するかと思えば、徹底的に吐き切る練習をすべきという指導法もある。そこにお互いの価値を尊重したうえで共存を許容するという姿勢は、あまり見られないようだ。

あらゆる視点はなんらかの真理を含んでいるけれども、同時に盲点を内包している。そう指摘したケン・ウィルバーに、私は大きく賛同する。いずれの流派も、呼吸という複雑で大きな身体運動のある部分に光を当てて分析したものであり、立ち位置を変えれば違う側面が見えてくるはずである。

しかしながら、学び始めた初期段階において「あれも正解これも正解」という指導がなされれば、学習者は戸惑うであろう。そうではなくて「これだけを練習しなさい」と明解に示されたほうが安心して学べるし、効果も大きいと考えられる。つまり初学者には、一時的に視野を限定して教材を与えるくふうが求められるのだ。

このことを日本の諸芸では理解していた。それは守破離(しゅはり)という概念でまとめられ、受け継がれている。本書は伝統的な学習哲学としての守破離を説明するとともに、新しい解釈としての現代的守破離についても触れる。

わかりやすい読み物とするべく、対談スタイルのフィクション形式を採用した。水の呼吸シリーズのレギュラー出演者となった風来末先生とパイポくんに、今回も登場してもらう。

学習の一助となれば幸いである。







002.キメラダンス

キメラダンス〜呼吸を操作しない呼吸法〜
黒坂洋介

呼吸法を長く学んで来て、気づいたことがある。楽に呼吸できる日と、そうでない日があるということだ。

呼吸法を練習していれば、当然ながらその能力は向上する。しかしどんなに上達しても、なお好不調の波があるのだ。

本書では、「空気の出し入れ」という狭義の呼吸から離れて、呼吸という運動を支える身体はどうあるべきかにスポットを当ててみた。そして具体的な身体開発の方法を提案している。

拙著『呼吸学校』『罪深き恋の呼吸法』と同様、わかりやすい読み物とするべく、対談スタイルのフィクション形式を採用した。呼吸法を指導するのは風来末先生、習う生徒としてパイポくんに登場してもらう。

呼吸しやすい身体をつくる一助となれば幸いである。







001.罪深き恋の呼吸法

罪深き恋の呼吸法〜つよく・みじかく・ふかく〜
黒坂洋介


呼吸はさまざまな分野で重要視される。武術、スポーツ、ヨーガ、座禅、メンタルコントロール、健康法、出産、学習、歌唱、楽器演奏など。

そして人類の歴史においては、多くの呼吸法が開発されてきた。ヨーガだけでも数十種類、分類法によっては数千から数万種類あるとも言われる。

私はこれまで30年近く、それらの呼吸法(のごく一部だが)を実践・研究してきた。セミナーを開催し、『呼吸を変えれば音楽は変わる』『呼吸学校』『ひとりで呼吸法ばかりやってきた』『ねこ気功』『一秒瞑想』などの著書を上梓した。

そしてこのたび、ひとつの試みとして、呼吸法を大きく2種に分類してみた。

1.強く・短く・深い呼吸
2.弱く・長く・浅い呼吸

の2つである。

前者の頭文字「つ」「み」「ふか」を組み合わせると「罪深き」、後者は「よ」「なが」「あさ」で「夜長浅き」となる。そこで愛称として、それぞれ「罪深き恋の呼吸法」「夜長浅き夢の呼吸法」と呼ぶことにした。恋と夢はちょっとした遊びである。

罪深き恋の呼吸法は、おもに呼吸能力向上を目的とする。どちらかといえばフィジカルで動的な呼吸法である。一方、夜長浅き夢の呼吸法は、意識操作に役立つメンタルで静的な呼吸法となる。

本書は、拙著『呼吸学校』と同様、わかりやすい読み物とするべく、対談スタイルのフィクション形式を採用した。呼吸法を指導するのは前著に引き続き風来末先生、習うのは新しい生徒パイポくんが登場する。

呼吸を使ったメンタルコントロールの入門書となれば幸いである。

投稿者 kurosaka : 2020年3月23日