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イマココをアジールに

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「イマココをアジールに」シリーズ
マルセル・プルーストは、「新しいことを発見したいなら、別な場所に行くのではなく新しい目を持て」と言った。さまざまな作家の「目」を借りて、この世界をとらえ直す「イマココをアジールに」シリーズ。アジールとは、「聖域」「自由領域」「避難所」を意味する。著者たちの感性によって、見慣れた景色が異世界へ変貌してゆくのを体験するだろう。

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エンジン物語
著:真津田嶺
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ユーロビートはアフリカのリズム。ヨーロッパ人が子どものころから慣れ親しんだエンジンのリズムとも関係がある。日本にも次代の子にエンジン音を聞かせる文化があればと思う。エンジンがかかったときのみんなの喜び。ぱんぱんぱんとマフラーが甲高い音を立て、カムヘッドががちゃこんがちゃこん動いてものすごい排煙。神話の天岩戸の前もこうではなかったか. . .。「乳母車」「市電の話」「オタクとカワイイ」など24編のエッセイを収録。「イマココをアジールに」シリーズ。


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新聞の投書欄は
著:真津田嶺
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六十代の人を「老人」と書いたことからして、確かに空気の読めない少年の「声」。少年よ、あなたの文章はやさしく、思いやりが感じられるかもしれないが、そのじつあなたじしんが独断独善にはまっておられることはご自身気づいていない。「フジタ嗣治、地を泳ぐ」「伊藤博文は小学生でも知っている」「悟ったような戦争の話」など、貴族的退廃と奇妙な清潔感が混在する26編のエッセイを収録。「イマココをアジールに」シリーズ。


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ゴッドを神と訳したのはまちがい
著:真津田嶺
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西洋の神は唯一絶対神で犯すことのできない善の存在。日本のそれは西洋の神を神というなら霊といってよいくらいのものであり、石にも水にも風にもすべてのものに宿り、優しい神もあればあらぶる神もあって単純に善悪で語れる存在ではない。ほんらい日本人にとって神とはエコロジーであって、力ではない。森羅のすべてと関わり合いながら生きているという事実の確認なのである。「漆器はエコロジー」「こころとしん」「ぼくの東京物語」など22エッセイを収録。「イマココをアジールに」シリーズ。

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なにもしない
著:真津田嶺
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日本料理は世界中の洗練された料理ではそうとうに変わった料理で、なにもしないことを理想とする。西欧の料理は素材にありとあらゆる工夫し調理を尽くし美味を極めた。日本料理は手を加えないことが基本で、その究極が生の材を包丁で切っただけでそのまま食べるスシや刺身。幸福はもたらされるもので求めるものではないという発想。「沖縄を舞台にするカナダ映画を観たいと思ったが」「修学旅行生に語りたい広島のこと」「帝国ホテルライト館」「品格」など23編のエッセイを収録。「イマココをアジールに」シリーズ。


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リゾートとしての京都
著:真津田嶺
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リゾートは「リ・ソート」で、意味は「再び群れる」。温泉湯治の庶民も顔なじみの人と再会し、そこにはそこの社交があった。ヨーロッパでは療養地もしくはホスピスから由来するものが多く、アメリカは軍事リゾートで、日本は温泉湯治である。ヨーロッパのそれはむかし貴族富裕層のもので、アメリカは軍関係者、日本は農閑期の農民など大衆のリゾートだった。「系と場の理論」「三つのリゾート」「日本には触れてはならないタブーが」「浮世絵浄土」など24編のエッセイを収録。「イマココをアジールに」シリーズ。


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日本人のさようなら
著:真津田嶺
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日本人のわかれのあいさつ「さようなら」の意味は、「そうであるなら」である。「そうであるならしかたない」を略したもので、別れは惜しく心残りだがここはあえて切ってリセットしなければという意味が込められている。あるいは「そうであるなら何か起きるでしょう」と未来に含みを持たせてもいる。関係性においてこれほど深く、ポジティブなあいさつの表現もない。「宮島と南方熊楠のエコロジー」「世間とは何か」「日本に京都があって良かったと」「ぼくが本を読む理由」など27編のエッセイを収録。「イマココをアジールに」シリーズ。


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心臓都市
~律動し吐息する路地裏~
著:中近礼
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まるで「読むモーツァルト」である。このエッセイ集は、魅力的な矛盾に満ちている。対極的なものが平気で同居しているのだ。みずみずしさと気だるさ、奔放さと緻密さ、官能と品位、無邪気さと達観、ローカルとグローバル、饒舌と静謐. . .。世界各地の歴史を俯瞰する知性と、小さな日常の断片をからめとる細やかな感性。聖俗の境界を越えた路地裏の文明論が、読む者を異質な時空へと誘い出す。「イマココをアジールに」シリーズとしてのA5新装版。

投稿者 kurosaka : 2017年10月18日