ワールド・プロジェクト・ジャパン  〜 合奏音楽のための国際教育プロダクション 〜


太陽の国カリフォルニアから若者たちのオーケストラがやって来た!

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  サンノゼ・ユース・シンフォニー日本公演レポー
  ト(2003.6.26〜7.7)。群馬県月夜野、東京調布、
  京都同志社女子高校、岡山市、尼崎市で公演。

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サンノゼ・ユース通信 2003.6.26

<成田到着> サンノゼ・ユース・シンフォニー一行88名が、成田空港 に到着しました。生徒79名、大人9名。そこにツアーマネ ージャーとして、山中晴美さん、加藤智美さん、そして 私(黒坂)が加わり、総勢91名の大所帯です。

まず、荷物の積み込みです。4tトラック2台を用意してあ
ります。1台はスーツケース用、もう1台は楽器用です。
コントラバスやチェロなど大きな楽器はもとより、今回
のツアー用に作成したプログラムもあって、かなりの量
の荷物です。

そうそう、空輸でコマが倒れたチェロが1台ありました。
オーケストラの旅は、楽器の故障との戦いでもあります。
さっそく月夜野で修理していただけるよう、お願いをし
ました。


<都内へ向けて出発>
バスに集合してみると2人ほどいない。カメラを飛行機の
中へ忘れた子とその友だちが、JALのカウンターで探
してもらっていたのです。時間がないので、カメラは月
夜野へ送ってもらうことにして、バスに乗り込みました。

バスは一路、池袋サンシャインシティ・プリンスホテル
へ。思ったよりも道はすいていて、午後7時頃にはチェッ
クインできました。


<グループディナー>
グループで夕食です。当初は、みんなでゲームか何かを
というリクエストが出されていたのですが、とてもそん

な余裕はなさそう。食事が終わると、みんなさっさと部
屋へ戻っていきました。眠いのです。

今夜はゆっくり休んで、さあ、明日から日本を存分に楽
しみましょう!

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サンノゼ・ユース通信 2003.6.27

<まずは花の東京観光> まずは、軽く東京観光から今日の予定をスタートです。 池袋から皇居をまわって新宿へ。都庁舎の展望台へ上が りました。大東京を見下ろしてスカッとしたところで、 バスは一路群馬を目指します。

昼食は、途中のサービスエリアで。ツアーガイドの山中
さん、加藤さんがバスの中でメニューの紹介をしてくだ
さっていたので、わりとスムーズに注文できました。90
名近いアメリカ人が、天ぷらうどんをすすったり、牛丼
を頬張る姿は、なかなか楽しい光景ですね。


<月夜野へ>
予定通り、午後3時ごろに月夜野(つきよの)カルチャー
センターへ到着しました。荷物を降ろし、楽器をセッティ
ングし、ウォームアップに入ります。

昨日は楽器にさわっていないので、特にピアニストは、
入念に指ならしが必要です。

レンタルをお願いしていたハープも届きました。東京の
永谷音楽事務所から、永谷さんご本人が届けてください
ました。お借りしたのは、昨日買ったばかりの新品だそ
うです。弦も張りたてで、音色が美しい。

そうそう、昨日コマが倒れたチェロを、群馬ピアノプラ
ザの稲辺さんに直していただきました。なんと、稲辺さ
んは若い頃、先の永谷さん(ハープをお借りした事務所)
のもとで修行なさったのだそうです。世の中、狭いです
ねえ。


<リハーサル開始>
カルチャーセンターのステージを埋めつくすサンノゼユ
ースのメンバー。リハーサルの始まりは、バーンスタイ
ンの「キャンディード」からです。

指揮者ヤイヤ・サメットがタクトが振るや、みずみずし
いサウンドがほとばしります。なんて華やかな響きなん
でしょう! 若いエネルギーがうねるように押し寄せる、
素敵な演奏です。


<ホームステイへ>
練習が終わって片付けを済ませ、楽器をトラックへ積み
込んだら、迎えに来てくださったホストファミリーと一
緒にホームステイに向かいます。

水のおいしい山の町、月夜野。美しい名前のイメージ通
り、自然いっぱいの素晴らしい景色に囲まれています。

これから三日間、サンノゼユースの子どもたちは、この
町でどんな思い出を作るのでしょう。

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サンノゼ・ユース通信 2003.6.28

<午前中は思い思いに> 月夜野は水がおいしい。ツアーマネージャーの山中さん や加藤さんも、水を一口飲んでびっくり。さすがにホタ ルの里だけあって、こっちのみ〜ずはあ〜まいぞ、とい うことなのでしょう。

さて、サンノゼユースの子どもたちは、ホストファミリ
ーと自由な時間を過ごしています。同行した大人9名のう
ち6名は温泉へ行きたいとのこと。倉田さん(*)に相談
すると、ホテルの近くに「望郷の湯」という施設がある
そうです。そこで山中さんと加藤さんが引率して、朝か
らのんびり温泉へつかりました。

  * 倉田さん:上越クリスタル社長。サンノゼユース
   の沼田・月夜野公演実行委員長。ホームステイの
   手配もすべて倉田さんにご尽力いただきました。


<利根沼田文化会館>
サンノゼユース日本公演、最初の演奏会は利根沼田文化
会館という1200席の大きなホールです。チケットは1200
枚完売しているのですが、実際にどれくらいのお客さん
が足を運んでくださるかです。

  子どもたちにホームステイのようすを聞いてみると、
  たいへん好評。「お腹がいっぱいのときに、丁寧に
  断るのはどう言えばいいの」なんて子が何人かいま
  した。ホストファミリーのみなさん、かなりの歓待
  をしてくださっているようです。「オナカガ、イッ
  パイデス」というフレーズが流行したりして。


<太陽のオーケストラ>
午後6:00開場、6:30開演です。結局、お客さんは800名ほ
どいらしていただきました。なかなかの盛況です。

ちょっと驚いたのは、「1ベル」と「本ベル」の習慣が日
米で異なること。開演5分前に鳴るのが「1ベル」。ここ
までは同じです。日本の場合、開演直前に鳴る「本ベル」
を聞いてから団員がステージに出ていくのが通例ですが、
アメリカでは本ベル前にオンステしてしまうそうです。

だから、舞台袖で、さあ本ベルのキューを出そうかなと
思っていると、まだ鳴らないうちから団員がゾロゾロと
ステージに出ていくではありませんか。「あれれ?」と
日本側スタッフがあっけにとられるうちに、着席して、
しまいました。

アメリカではこのタイミングで本ベルが鳴って、コンサ
ートマスターがチューニング、そして指揮者の登場とな
るとか。うーん、そういうの、見たことないなあ。私た
ち日本側スタッフは、何がなんだか分からないので、と
にかく本ベルなしで本番に突入しました。

演奏は、バーンスタイン「キャンディード」でスタート。
輝かしい音色が、一瞬にして会場を包みます。暖かでキ
ラキラしたサウンドが、燦々と客席に降り注ぐ。まさに、
太陽のオーケストラです。

続いて、アンソニー・リーのピアノで「ラプソディ・イ
ン・ブルー」、さらにリストの「レ・プレリュード」で
前半終了です。


<岡山市長から祝電>
休憩の間に、先ほどの「1ベル〜本ベル騒動」の話をア
メリカ側スタッフにして、第2部は日本式でいくことを
確認しました。つまり、本ベルが鳴ってから団員オンス
テ、という手順です。

ここへサンノゼの姉妹都市・岡山の萩原市長から祝電が
届きました。「日本最初の演奏会の成功をお祈りします。
岡山市民一同、お会いできるのを楽しみにしています」
という、心暖まるメッセージです。そこで、第2部本ベル
が鳴って団員が着席したところで、電報を影アナさんに
読んでいただきました。

演奏会後半は、ガーシュインの名曲「ポギーとベス」。
指揮者ヤイヤ・サメットも、汗びっしょりの熱演です。
拍手は鳴りやまず、アンコールのブラームス「ハンガリ
ー舞曲」へ。ポピュラーな曲なので、お客さんの拍手は
一段と大きくなります。

そこで再アンコール。今度はマーチ「星条旗よ永遠なれ」
です。やはりアメリカ人が演奏すると、この曲は盛り上
がります。拍手はますます大きくなってしまい、当初は
予定していなかった3曲目のアンコールを演奏しました。
映画「レイダース」のテーマです。

こうしてサンノゼユース沼田公演は大成功のうちにお開
きとなりました。

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サンノゼ・ユース通信 2003.6.29

<上越クリスタル硝子> 沼田〜月夜野公演の主催者である倉田善弘さんは、上越 クリスタル硝子というガラス製品を製造・販売する会社 の社長さんです。また、チェコの技術を導入して地ビー ルを醸造し、「ドブリーデン(チェコ語でありがとう)」 というご自身のレストランで提供しておられます。

今日の午前中、サンノゼの子どもたちはホストファミリ
ーと自由行動ですが、同行した9名の大人は、倉田さんの
ガラス工場を見学させていただきます。

熱したガラスを長い棒の先につけ、息を吹き込んでふく
らませる。色ガラスをまぜたり、形を整えたりするうち
にみるみる装飾ガラス製品が仕上がる工程は、ちょっと
したマジックを見るようです。

このあと工房へ移動し、サンドブラスと呼ばれる作業を
体験しました。これは、透明なコップに自分の好きな模
様をシールで張り付け、そこに砂を吹き付けるもの。マ
スキングしたところは透明なままで、それ以外の部分が
すりガラスになって、自分だけのオリジナルグラスが出
来上がるという寸法です。

サンノゼの大人一行も、歳を忘れて(失礼!)、模様づ
けに熱中しました。月夜野訪問の記念になるよう、日付
けや「日本」という文字を模様にする人もおられました。


<ジョイントコンサート>
午後は、地元の学校バンドらを集めたジョイントコンサ
ートです。朔太郎ジュニア・オーケストラ、水上中学校
ブラスバンド部、新治中学校ブラスバンド部、月夜野中
学校吹奏楽部、利根商業高等学校吹奏楽部、そして月夜
野ジュニア・オーケストラが演奏を披露します。

月夜野ジュニアの演奏には、朔太郎ジュニアとサンノゼ・
ユースからも各20名ほどが参加し、3団体の合同演奏で
す。レハール「金と銀」、アンダーソンーシンコペーテッ
ド・クロック」の2曲を演奏しました。

そしてトリを飾るのはサンノゼ・ユース。今日は短かめ
のプログラムで、チャイコフスキー「1812年」、ガーシュ
イン「ポギーとベス」、アンコールに「レイダース」を
演奏しました。例によって拍手が鳴りやまず、当初は予
定していなかった「星条旗よ永遠なれ」もアンコールに
加えました。

演奏会終了後、日本側の参加団体6グループの代表生徒
と、サンノゼ・ユースの代表生徒たちが、それぞれ記念
品を交換。そして月夜野ジュニアの林会長とヤイヤ・サ
メットもプレゼント交換です。

演奏者だけで200名を越えていますので、会場の熱気はム
ンムンです。月夜野カルチャーセンターがこわれるんじゃ
ないかと思うほどのエネルギーが充満しています。最後
に全員で記念撮影。日米双方の生徒たちに、楽しい楽し
い思い出を残すことができました。


<フェアウエルパーティー〜蛍狩り>
倉田さんのレストラン「ドブリーデン」で打ち上げ。今
日出演したすべてのグループが参加するので、たいへん
な賑わいです。アトラクションに地元の三味線トリオ、
尺八デュオ、和太鼓デュオなども登場し、場を一層盛り
上げます。

パーティーのあと、サンノゼの子どもたちはホストファ
ミリーと一緒に蛍狩りです。大人も上越クリスタルのマ
イクロバスで案内してもらいました。真っ暗な山道をそ
ぞろ歩くと、あちらこちらに蛍がポーッと光りながら、
ゆら〜っと飛んでいます。なんとも幻想的な風景です。

蛍を満喫したあと、公園にいくつかのホストファミリー
が集まってミニ花火大会。カリフォルニアは乾燥してい
るため、花火は法律で禁止されています。ですからサン
ノゼの子どもたちは、この珍しい体験に大喜びです。

こうして太陽の国の子どもたちは、日本の夏、月夜野の
夏を、心ゆくまで楽しんだのでした。


サンノゼ・ユース通信 2003.6.30

<ふたたび東京へ> 朝7:30に月夜野カルチャーセンターへ集合。楽器とスー ツケースををトラックに積み込みます。三日間お世話に なったホストファミリーともここでお別れです。たくさ んの美しい思い出を胸に、月夜野を後にしました。

ふたたび東京に戻ったサンノゼ・ユース一行は、浅草で
自由時間を取りました。江戸情緒残る街並を堪能した後、
今度はモダンな街、原宿へ。表参道を各自思い思いに散
策です。明治神宮へ行ったグループもあるようです。

ここで調布の実行委員会から派遣された倉田彰子さん、
野川祐子さんというバイリンガル・スタッフが合流。こ
れから訪問する深大寺(じんだいじ)の護摩木について、
バスの中で説明してくださいました。


<護摩に願いを>
深大寺では、サンノゼユースのために特別に護摩を焚い
てくださいました。鐘と太鼓の音、読経、そして炎に護
摩木をくべながら流れるように印を組み換える僧侶。そ
れはまるで舞踊を見るような美しくも神秘的な光景です。

このあとお坊さんからお話がありました。倉田さん、野
川さんの通訳を交えながら、「不幸の原因は自分の中に
ある」「欲は限りがない」など、仏教的な真理を、わか
りやすくユーモラスに説明してくださいました。


<調布市文化会館たづくり>
調布駅前にある文化会館の名前を「たづくり」といいま
す。その12階ボールルームにおいて「サンノゼー調布青
少年交流の夕べ」が開催されました。

桐朋女子高校音楽班の奏でる America Is Beautiful の
調べに乗せて、サンノゼユース一行が入場。山村英子実
行委員長の挨拶に続いて、長友貴樹調布市長からスピー
チをいただきました。山村英子さんは今回の主催者代表、
長友市長は昨年から市政を担っておられる国際派・市民
派の若きリーダーです。

書道を習っている子どもたちが毛筆で書いた手作りの吊
り看板について英語で説明したり、桐朋学園音楽科の弦
楽四重奏が見事なベートーベンを披露したり、調布市立
第五中学校の生徒たちが「よさこいソーラン」を踊って
みせたりと、宴は大いに盛り上がります。アメリカの子
どもと日本の子どもも、なんだかあっという間に打ちと
けて、ワイワイと語り合っていました。

音楽評論家の瀬川昌久先生も会場にお越しくださいまし
た。瀬川先生はこれまで日米の国際音楽交流事業に深く
関わって来られました。ですからスピーチでも「一瞬先
は闇のこんな時代だからこそ、世界各国の子どもたちが
音楽を通じて愛と平和を希求することが大切です」と、
調布とサンノゼの若者にエールをお送りくださいました。

最後に、司会の山村弘さんがちょっと変わった「しめ」
の儀式を教えてくださいました。三本じめで普通使われ
るのは「三・三・三のチョン」というリズムです。これ
を、まず両手の人さし指同士でやります。次に人さし指

と中指の二本同士。そして人さし指から薬指までの三本、
小指までの四本同士と指の数を増やしていきます。

最後に手のひら全体を使って、通常の「シャンシャンシャ
ン・シャンシャンシャン・シャンシャンシャン・シャン」
とやるわけです。だんだんクレッシェンドしていく感じ
が面白く、これを「末広がりのしめ」と言うそうです。

明日は、調布市グリーンホールで、サンノゼ・ユースが
演奏を披露します。


サンノゼ・ユース通信 2003.7.1

<調布公演実行委員会> サンノゼ・ユース・シンフォニー調布公演実行委員会の 中心となる山村英子・弘夫妻は、以前サンノゼに暮らし ておられました。サンノゼ・ユースとも、指揮者ヤイヤ・ サメットとも旧知の間柄です。したがって、今回の調布 公演をお引き受けいただいてからの活動には、たいへん な熱意と労力を注いでくださいました。

山村夫妻を中心として10名のメンバーが実行委員会を組
織し、何度もミーティングを重ねては手作りのイベント
を仕上げてこられました。全員はご紹介できませんが、
調布市文化・コミュニティ振興財団の理事長あり、絵本
作家あり、共同通信OBありと、個性豊かな面々が知恵を
出し合ったのです。それはあまりに明るく楽しい集まり
で、ボランティアというよりむしろサークル活動のよう
な雰囲気でした。

昨日の「交流の夕べ」に出演してくださった桐朋や第五
中学、書道の子どもたちをはじめ、今日のコンサートを
運営するためのスタッフなど、多くの人のご協力をあお
ぎながら、少しずつ、しかしパワフルに事業を推進して、
ついにこの日を迎えられたのです。


<グリーンホールへ>
今日のコンサート会場は、調布市駅前のグリーンホール。
1,307席ですが、チケットはそれ以上の数が売れているの
で、当日券を販売すべきかどうかという議論が出ました。

これは無名のアマチュア楽団が単独でする演奏会では珍
しいことで、まして平日で、学校は試験期間。これだけ
のチケットを売り切ったことは驚異です。あらためて調
布実行委員会の大きな力を感じます。

開場は18:30を予定していたのですが、雨の中、18:00頃
には会館の外に長い列ができました。あまりに申し訳な
いので開場を10分早め、18:20には客入れが始まりまし
た。これも異例のことですね。


<ステージ上で交流会>
曲目は「キャンディード序曲」「ラプソディー・イン・
ブルー」「レ・プレリュード」「ポギーとべス」。途中、
ステージ上で調布の子どもたちからサンノゼのメンバー
への質問コーナーが設けられました。山村英子実行委員
長の進行を、倉田あきこさん、野川ゆうこさん、そして

山村かおるさんがお手伝いされて、質疑応答が始まりま
す。「昨日の深大寺の護摩はどうでしたか」「ぼくはティ
ンパニをやりたいのですが何歳くらいから始めたらいい
ですか」などなど。ステージと客席の距離がぐっと縮ま
る、素敵な企画でした。


<規模から構造へ>
これまでイベントといえば、ともすれば「より大規模に」
「より大きな予算で」「より多くの聴衆・観客を集め」
「よりメジャーな内容を」という、規模追求型になりが
ちでした。特にプロの興業はそうです。

しかし、時代の変化を敏感に察知するならば、これから
は、「適正規模」「低予算」「良質な聴衆・観客」「オ
リジナリティの高い内容」など、質的な面を充実させて
いくことも有効な選択肢となるでしょう。

高品質な小イベントが各地に生まれ、それらが連携を始
めた時、「小」は単なる小でなくなる。そこには「規模
の大小」という基準では測れない、まったく新しい価値
が現われるからです。

それは、イベントと主催者、主催者と支援者、出演者と
聴衆などの「関係」が問われる、関係・構造追求型の事
業形態です。「規模から構造」へ。これが今後のイベン
トを考えるうえで、ひとつのキーワードとなるでしょう。

今回の調布公演実行委員会の活動は、良質なミニ音楽祭
を市民が中心となって作り上げた好例だと思います。

大成功のうちに幕を降ろした調布公演。興奮の余韻もさ
めぬまま、東京最後の夜は更けてゆきます。


サンノゼ・ユース通信 2003.7.2

<ドラマティックな朝> サンノゼ・ユース一行は、午前9:26東京発のひかり207号 で京都へ向かうことになっています。荷物をすべてトラッ クに積み込み、池袋サンシャインシティプリンスホテル を午前8:00にバスで出発するはずでした。

ところが、集合時間を過ぎても30名近い生徒がチェック
アウトを済ませていない。待てど暮らせどロビーへ降り
て来ないのです。部屋へ電話を入れてもつながらない。
いったい、どうしてしまったのでしょう?

あとで分かったことですが、多くの生徒は35階あたりの
高層階に部屋がありました。彼らは集合に間に合うよう
に部屋を出ていたのですが、混み合う時間帯だったこと
もあってなかなかエレベータが来ない。そこへ何らかの
故障が重なったと思われます。中には40分から1時間もの
間、エレベータを待ち続けた生徒もいたそうです。

結局、池袋をバスが出たのは、ほとんど9:00ごろでした。
ツアーマネージャーの山中さんと加藤さんの判断は、団
体予約を入れていた「ひかり207号」をあきらめて、一
番早く乗れる新幹線の自由席で京都へ向かおうというも
の。90名が自由席に乗るのは大変ですが、仕方がありま
せん。いきなりのハプニングに、バス内の空気は沈んで
しまいました。


<若者よ、走れ!>
ところが、渋滞に巻き込まれなかったため、東京駅丸の
内口に近付いたあたりで、時計はまだ9:15くらい。急げ
ば間に合うかもしれない。バスの中は、突然「戦闘モー
ド」に切り替わります。みんな、走る用意はいいな?

日本橋口にバスが到着した時点で、時刻は9:20。サンノ
ゼ・ユース一行91名の猛ダッシュです。改札を抜け、新
幹線のホームにたどり着き、全員が乗り終わったときは、
出発の1分前でした。ぎりぎりセーフ。プチ奇跡と言って
いいかもしれません。

予定通りお昼ごろ京都に着いた私たちは、京都駅ビルの
フードコートで各自昼食です。京都駅烏丸口からエスカ
レータを登ると、京都の新名所とも言える大階段があり
ます。あの長くて急な階段を、サンノゼの子どもたちは
次々と勢いよく駆け登るではありませんか。うわあ、若
いってすごいことです。


<ストイックな午後>
午後は、金閣、清水、平安神宮、京都ハンデクラフトセ
ンターを回る予定だったのですが、指揮者(ヤイヤ)の
判断で、一部中止となりました。ツアーも半ばに差し掛
かり、集中力が欠けてきたためです。

一昨日、たづくりの交流会が終わって「明日の演奏会に
備えて早く休むように」とヤイヤが指示したにもかかわ
らず、子どもたちは遅くまで話し込んでいました。その
せいで、グリーンホールでのリハーサル中にボーッとし
ている者が何人もいた。ここらへんで気合いを入れ直す
ためにも、ショック療法が必要と判断したのでした。

金閣と清水を割愛し、子どもたちの観光は平安神宮とハ
ンデクラフトセンターだけにしました(余談ですがツア
ーマネージャーの山中さんは平安神宮でご結婚なさった
そうです。はいはい、ごちそうさま)。

このあとホテルへチェックイン。各自部屋にこもって個
人練習をみっちり3時間です。しかも各部屋をヤイヤが見
回って、ちゃんと練習しているかチェックする念の入れ
よう。アメリカのグループで、ここまで厳しく生活指導
するのは珍しいですね。


<エレガントな夜>
午後7:00、個人練習から解放された子どもたちは歓声を
あげ、街へくり出していきます。夕食の時間です。今夜
は9:30に部屋へ戻って休むよう指示されているので、と
ても貴重な自由時間です。彼らは、京都のどんなナイト
ライフを楽しむのでしょう。


サンノゼ・ユース通信 2003.7.3

<調布からのメール> サンノゼ・ユース調布公演実行委員長の山村英子さんか お便りが届きました。実行委員会のメンバーに宛てたも ので(実は私も実行委員会に籍を置かせていただいてい ます)、交流会と演奏会の成功を祝い、スタッフの労を ねぎらう内容です。その中に各方面から寄せられた声が 紹介されていますので、引用させていただきます。

 ・いつもの音楽会では、退屈している子どもが、最後
  まで身を乗り出して聴いていた
 ・まず最初に、チラシを外人さんに渡され、ロビーで
  は日本の子どもとサンノゼの子どもが英語で何やら
  楽しそうに話していた(交流会に出席したこどもた
  ちと思われます)
 ・交流コーナーでは英語が飛び交い、刺激を受けた

などなど・・・

日本も世界も暗いニュースが多いこの頃ですが、こんな
感想が若い世代から寄せられるのは、一筋の光明のよう
に感じられます。楽しいことを手作りで実現する知恵も
力も、私たちの社会には残っているようです。


<同志社女子中・高等学校>
さて、京都にいるサンノゼ・ユースですが、まずは昨日
おあずけになった金閣寺へ行くことにしました。天気は
あいにくの雨。でも、京都は雨の似合う町ですね。風景
が静かに落ち着いて、とてもよい雰囲気です。雨のゴ
ールデン・パビリオン(金閣)を鑑賞したあと、同志社
女子中・高等学校を目指します。

今日は全校生徒にサンノゼ・ユースの演奏を聞いていた
だきます。生徒と教職員を合わせて約1600名がお客さん。
おそらく今回のツアー中もっとも聴衆が多いコンサ
ートです。

まず学校にバスが着くや、何人かの生徒が明るい歓声で
出迎えてくれました。歓迎ムードは上々です。セッティ
ング〜着替え〜ウォームアップ〜リハーサルを済ませ、
サンノゼ・ユースは舞台上で本番を待ちます。

授業が終わり、14:10頃から講堂にパイプオルガンの調
べが流れる。それに乗せて女子中学生・高校生が続々と
入場です。全員揃ったところで、ミサが始まります。

サンノゼ・ユースの伴奏で賛美歌斉唱。続いて聖書朗読、
祈祷という順で礼拝は続きます。そして、そのままサン
ノゼ・ユースの演奏会へ。「キャンディード」「レ・プ
レリュード」「ポギーとベス」、アンコールに「星条旗
よ永遠なれ」を奏でました。


<沈黙の力>
小中学校の学級崩壊が叫ばれて久しいですが、最近は高
校や大学でも、私語が多くて授業や講義の支障となるケ
ースがしばしば見られるとか。今日の礼拝〜演奏会にお
いても、たしかに私語の途切れる時間がありませんでし
た。聖書朗読や賛美歌を歌う時でさえ私語がやまない。

今回の演奏会をお世話してくださった同志社女子の三好
先生も、この状況を「おはずかしい限りです」としきり
に嘆いておられました。ヤイヤ(指揮者)がタクトを上
げて曲が始まろうとする瞬間でも、会場が完全には静寂
とはならないからです。もちろん演奏中もどこかでヒソ
ヒソと話が続いています。

これは同志社女子の問題ではなく、現代日本が抱える病
理のようです。多くの子どもたちが「黙る能力」を失っ
ている。「沈黙しよう、神々のささやきが聞こえるよう
に」という言葉があるそうですが、「黙る」ことの意義
を、私たちは真剣に考えるべき時代なのかもしれません。


<会場騒然>
な〜んて、カタい話になってしまいましたが、いざコン
サートが終わってみれば、今度は若者の「黙らない能力」
のほうが存分に発揮されました。会場が黄色い歓声に包
まれて、興奮が冷めないのです。

女子生徒が幾重にもステージを取り巻き、アイドルグル
ープのコンサートみたいです。トランペットの男の子が
軽く手を降っただけで「キャアァァァァ」という叫び。
講堂は騒然としています。

片付け、積み込み、着替えの間も「追っかけ」が続き、
サンノゼ・ユース男子メンバーの表情はゆるみっぱなし
です。こうして大歓声を浴びながら、たいそう気分良く
同志社女子中・高校を出発したのであります。


サンノゼ・ユース通信 2003.7.4

<岡山市は姉妹都市> 今日は、本ツアーのメインイベントです。そもそもサン ノゼ・ユースが今回の来日公演を企画したきったけは、 2000年に岡山市ジュニア・オーケストラがアメリカを訪 れ、姉妹都市サンノゼで演奏したことに始まっています。

本来は、昨年(2002年)の6月に来日する予定で計画を
進めていました。ところが2001年秋、当時ユース・オー
ケストラが所属していた「サンノゼ・シンフォニー」と
いうプロの楽団が経営危機に陥り倒産するというアクシ
デントがありました。その結果、かなり準備が進んでい
たユースオケの日本公演も、中止せざるを得ない状況に
追い込まれたのです。

しかしその後、サンノゼの人々はユースオケだけを独立
させて再建する道を選びました。そうして復活した新生
サンノゼ・ユース・シンフォニーは、日本公演の計画も
一から立て直し、今回の訪日にいたりました。


<大量の情報が飛び交う>
ワールド・プロジェクト(カリフォルニア事務所と東京
事務所)では、今回のツアーをプロデュースすることと
なり、沼田〜月夜野(群馬県)、調布(東京都)、同志
社女子中・高校(京都)、岡山市、尼崎(兵庫県)の公
演や交流会、ホームステイなどを、サンノゼ・ユースの
代理人としてセットアップいたしました。


日本公演の準備を進める過程で、各公演地やサンノゼ・
ユース、旅行を手配する阪急交通社さんらと何度もコン
タクトさせていただきました。ほとんどがEメールでの
やりとりでしたが、これまでに交換したメールの総数は、
ゆうに1500通を越えています。


<岡山市民会館で合同演奏会>
京都を出発したサンノゼ・ユース一行は、予定よりも早
く12:30ごろ岡山市民会館へ到着しました。今回のイベン
トは岡山市教育委員会が窓口ですので、玉光教育長はじ
め市職員の方々が、サンノゼ・ユースの到着を暖かく歓
迎してくださいました。

サンノゼ・ユースのサウンドチェックが済み、地元楽団
との合同演奏リハーサルに入ります。参加するのは岡山
市ジュニア・オーケストラ団員、くらしき作陽大学学生、
就実高等学校生徒らの混成メンバー67名。サンノゼ・ユ
ースと合わせて、約150名の大楽団です。

合同演奏の曲目はチャイコフスキーの「序曲1812年」。
この曲には、バンダといって客席に配置した楽団がステ
ージに向かって演奏する部分があります。バンダは岡山
側からの27名が担当し、トランペット、トロンボーン、
ホルンを高らかに吹奏します。

実際にこの合同楽団で音を出してみると、たいへんな迫
力です。特にバンダが加わる部分では、会場が音に満た
されて、まことに華やかな雰囲気に包まれます。演奏し
ているメンバーにとっても感動的な体験でしょう。

18:30開場。萩原岡山市長の挨拶に続いて、開演のベルが
鳴ります。「キャンディード」「ラプソディ・イン・ブ
ルー」「レ・プレリュード」「ポギーとベス」を演奏し、
ここで日本側のメンバーもオンステ。

日米の青少年が一体となって奏でる「序曲1812年」は、
国際親善としてはもとより、音楽的にも心を打つすばら
しい交流演奏となりました。アンコールには「レイダー
ス」。そして最後に、全員で「星条旗よ永遠なれ」を合
奏し、アメリカ合衆国独立記念日(The 4th of July)を
祝いました。

こうして、岡山ーサンノゼの姉妹都市交流は、またひと
つ親密さを深めたのです。


サンノゼ・ユース通信  号外

< その後の月夜野 >

    サンノゼ・ユース沼田〜月夜野公演の主催者、
    倉田さんから素敵なお便りが届きました。この
    喜びをみなさまと共有できれば幸いです。

(以下倉田さんからのお便り)

カルフォルニアの温かい風が去った後の月夜野には、
「なごり風」がまだ残っているみたいです。 

桑原さんと栗原さんの家(ホストファミリー)では、お
孫さん(幼稚園児)が月曜日、火曜日と思い出しては
「寂しい・・・」と泣いていたそうです。  

月夜野合唱団(家内が代表)の木曜日の夜の練習は、演
奏会とホームステイの話で練習にならなかったそうです。 
「SJYSの演奏はすごかったね・・・」
「内の子は(SJYSのメンバーの事)・・を喜んで食
べたよ・・」
「内の子は・・・だったよ」
と自分の子供(4日間だけの)の自慢話ばっかり。月夜
野では、2〜3人集まるとホームステイと演奏会の話題
で女性のお喋りが終わらないようです。「楽しかった」
というのがホストファミリーの共通した印象です。

沼田でも、
「コンサートであんなに人数が多かったのは久しぶりだ
な・・」
「演奏も良かったな・・」
「500円では安いよ、3000円位取ってよかったの
では・・」
「月夜野は80人もホームステイしたんだって・・」
「さすが倉田さんだいな(上州弁)、良く集めたよ・・」
と日本の株同様私の株も少し上がったようです。 

町を歩いても、皆が
「ご苦労さんでした」
「大変だったですね」
「大成功でおめでとう」
「素晴らしい演奏だったですね」
「あれで高校生ですか、うまいもんですね」
「来年も来るんですか」
と知らない人からも声を掛けられます。今までにはな
かった現象です。 

今回は大勢の人に応援をしていただき本当に感謝の気持
ちでいっぱいです。こんなに純粋な気持ちで応援してく
れる人がいっぱいいることを知り感激しています。こん
なに素晴らしい人がたくさんいる月夜野が、そして利根
沼田がますます好きになりました。  

中学生の一人は、「アメリカは戦争ばかりしていて嫌い
だったが好きになった、これから英語の勉強をしっかり
してアメリカの大学に留学するんだ・・」と興奮してい
る子もいるそうです。

梅雨のうっとうしい中、心の中だけでも「さわやかなサ
ンノゼの風が吹いている」月夜野です。

倉田善弘


サンノゼ・ユース通信 2003.7.5

<小雨の後楽園〜歓迎交流会> 岡山といえば日本三大庭園のひとつ「後楽園」を忘れる わけにはいきません。あいにくの小雨、と言いたいとこ ろですが、かえって芝や木々の色が美しく見えるので、 ここはあえて「運良く」と申し上げましょう。幸運にも

小雨の後楽園を歩くことができたサンノゼ・ユースは、
プラザホテルで岡山市主催の歓迎交流会に招かれました。

岡山市助役、岡山市ジュニアオーケストラ代表(生徒)
からご挨拶を頂戴し、サンノゼからも指揮者のヤイヤ・
サメット、コンマスのティモシー・イップがご挨拶差し
上げました。

続いて、双方から記念品の交換。岡山市ジュニア・オー
ケストラからは、「響」という字と音符を組み合わせて
デザイン化した、かっこいいTシャツをサンノゼ・ユー
ス全員にくださいました。こちらからはサンノゼ在住の
作家によるリトグラフ。今回アメリカから持参したプロ
グラムの表紙にも使われている絵です。

会場で綿菓子やポップコーンを作ったり、七夕の笹を設
けて短冊に願いを書いたり、手をつないで人の輪を作っ
て「We Are the World」を合唱したりと、楽しい企画満
載の、心のこもったレセプションです。


<岡山市教育委員会からのメール>
今回のサンノゼ・ユース岡山公演には、私が存じ上げて
いるだけでも大変多くのスタッフが関わっておられます。
それらの方々をすべてご紹介することはできませんので、
失礼は承知いたしておりますが、この場を借りてお礼を
申し上げたいと存じます。ありがとうございました。

現場の窓口として、この数カ月もっとも多くのメールを
交換させていただいた、生涯学習課の藤澤さくや子さん
(古事記の「さくや姫」からとったお名前だそうです)
から、本日さっそくお便りをを頂戴いたしました。

  2日間お世話になりました。あっという間の2日間
  でした。素晴らしいサンノゼ・ユース・シンフォニ
  ーの皆さんの演奏を、またサンノゼと岡山の青少年
  の熱い合同演奏を肌で感じることができ、とても幸
  せな気持ちになりました。黒坂さんをはじめ、山中
  さん、加藤さんには言い尽くせない程感謝の気持ち
  でいっぱいです。(中略)

  岡山の参加者達もサンノゼからやってきた音楽家達
  との交流でみんなとても楽しそうでした。若者達の
  賑やかな交流の姿をみると、実現したことをみなさ
  んに感謝したい気持ちになります。

  サンノゼのみなさんをどうすれば気持ち良く迎えら
  れるか、スタッフ一同全力を尽くしました。それで
  も至らない点はあったかとはおもいます。

  サンノゼの皆さんには気が抜けない日がまだ続くと
  思いますが、岡山でも聞かせてくださった素晴らし
  い演奏を尼崎の空に響かせてください。引き続きサ
  ンノゼのみなさんの成功をお祈りしております。

  感謝の気持ちをお伝えしたいと思い、至らない内容
  ではございますが取り急ぎお礼申し上げます。

  岡山市教育委員会生涯学習課 藤澤さくや子


<大遅刻です、ごめんなさい!>
岡山プラザホテルを後にしたサンノゼ・ユース一行は、
一路尼崎を目指します。途中、大急ぎで姫路城を見学し
たのですが、この集合が遅れたのがいけません。交通事

情も予想以上に厳しく、本来なら17:00には尼崎に着いて
いなければならないのに、たっぷり1時間遅刻してしまい
ました。尼崎市総合文化センターで、ホストファミリー
と面会する予定になっていたのです。

1時間も待たされて、むっとしているホストファミリーの
方々に、まずは平謝りに謝ります。何の言い訳の余地も
ありません。本当にすみませんでした。

続いて、これまでのツアーの状況をご説明差し上げまし
た。月夜野から素敵なメッセージが届いていること、調
布で盛り上がったこと、東京駅で91名の大ダッシュをし
たこと、京都でスター扱いを受けたこと、そして岡山の
合同演奏が感動的だったことなど。花火をしたがってい
る子がたくさんいることもお伝えしました。

サンノゼの子どもたちは尼崎でホームステイに散って行
き、大人たちは梅田のホテルへチェックイン。いよいよ
明日は最終公演です。


サンノゼ・ユース通信 2003.7.6

<京都からのメール> 7月3日のサンノゼ・ユース公演でお世話になった同志社 女子中・高校の三好先生からお便りを頂戴しました。

  (三好先生のメール)
  楽しく読ませていただいております。お世話さまで
  す。昨日、午後学校から撥(マレット)を送りまし
  たが、届いて演奏会に間に合った事と思います。
  ヴィオラの肩当は出てこなかったのですが、どうな
  さったかと案じています。大所帯では、色んなこと
  が起こりますね。

マレットは無事届きました。肩当はバイオリンの子のを
借りているようです。バイオリンの子は肩当がなくても
弾けるそうなので。

  (三好先生のメール)
  本校でも、昨日は生徒達や先生方が皆さんの素晴ら
  しくパワフルな、しかし弦楽器の繊細な響き、パー
  カッションの力強さ、木管楽器の美しい音色、又、
  金管楽器の輝かしい響きを素晴らしいと口々に言っ
  ておられました。

  良くあの栄光館で、あれだけの人が入っていてあん
  なに響くものだと感激して話しておられ、わが事の
  ように、嬉しかったです。うちのクラブの生徒達に
  も大いに刺激になりました。有難うございました。
  黒坂さんも、いろいろ気苦労も多い事でしょうが、
  楽しい事も多いようで何よりです。
 
  みなさまのプログラムが最後まで守られて、無事帰
  国なさるようにお祈りしています。

  阪急交通社の方々にも宜しくお伝えください。
  くれぐれも、お疲れが出ませんように。

  同志社女子中学・高校 三好三恵子

ありがとうございます。こちらこそお世話になりました。
今後ともよろしくお願いいたします。


<アルカイックホール公演>
今日のコンサートは、サンノゼ・ユース日本ツアーの最
終公演。尼崎アルカイックホールでの演奏です。正直に
申し上げて、この公演には大いに反省すべき点がありま
す。尼崎市民吹奏楽団との合同演奏とする、ホームステ
イをお願いする、国際交流協会や尼崎市の広報を通じて
DM等の告知活動をする、日曜昼の公演とする、無料とす
るなど、さまざまな工夫をしたにもかかわらず、集客面
で満足のゆく結果を残せなかったのです。

沼田〜月夜野、調布、京都、岡山の各公演が、それぞれ
地元の実行委員会や学校の主催であったのに対して、尼
崎公演はサンノゼ・ユースおよびワールド・プロジェク
ト・ジャパンの共催であったことが、集客や運営を難し
くした要因だと思われます。やはり地元に足場を置く主
催者なしでは、十分なケアが行き届かないことを痛感さ
せられました。

一方、サンノゼ・ユースの演奏は、本ツアー中、最高の
もののひとつでした。それだけに十分な観客動員ができ
なかったことが、「主催者として」悔やまれます。

しかしながら、来てくださったお客様にはたいへん喜ん
でいただける内容だったことが救いです。尼崎市民吹奏
楽団との合同演奏「1812年」「星条旗よ永遠なれ」も素
晴らしい出来でした。尼崎公演はほろ苦い思い出となっ
てしまいました。


<フェアウェルパーティー>
サンノゼ・ユースは、日本滞在最後の夜を迎えます。新
阪急ホテルへチェックインして、レストランでフェアウェ
ルパーティーです。

月夜野の倉田さんが、カルチャーセンターで撮影した全
体の集合写真を、一人一枚ずつプリントして送ってくだ
さいましたので、これを配りました。また、「号外」で
ご紹介した倉田さんの手紙をツアーガイドの山中さんが
英訳したものが、みんなの前で読み上げられました。

  中学生の一人は、「アメリカは戦争ばかりしていて
  嫌いだったが好きになった、これから英語の勉強を
  しっかりしてアメリカの大学に留学するんだ・・」
  と興奮している子もいるそうです。

というくだりが、特に心を打ったようです。

さまざまな思い出を胸に、サンノゼ・ユース・シンフォ
ニーは、明日、伊丹空港から成田経由でアメリカへ帰国
いたします。

みなさんありがとうございました。

ワールド・プロジェクト・ジャパン 黒坂洋介

投稿者 kurosaka : 2004年3月15日