短歌で学ぶ金管演奏
武術には、技の習得に必要な心構えをまとめた極意歌がいくつもあります。
稽古をば 勝負するぞと 思いなし
勝負は常の 稽古なるべし
心こそ 心迷わす 心なれ
心に心 心許すな
などです。
以下に金管演奏のポイントを短歌にまとめたものを用意しましたので、日々の練習にご活用ください。
1.まず第一は舌を動かせ
金管に
習いの道は
多けれど
まず第一は
舌を動かせ
2.キック忘るな
アイアイの
アのとき息は
軽やかに
イのとき強く
キック忘るな
3.まま呼息
腹圧の
支えを守り
まま呼息
あれはふくまま
これはへこまま
4.パキャアース
毎朝の
習慣とせよ
パキャアース
背骨ゆらいで
息しみわたり
5.唇は濡らしすぼめて
唇を
濡らしすぼめて
下支え
上を振るわせ
あとは忘れよ
6.唇を忘れてリムが命得る
唇を
忘れてリムが
命得る
金属が人を
つかむ不思議よ
7.いまここに心あつめて
いまここに
心あつめて
のんびりと
きめの細かな
チャイルドタイム
8.よい姿勢について
コネ背とは
胸を張らずに
凹ませず
背中丸めず
反らさぬことぞ
9.まずは吐く
まずは吐く
空になっても
さらに吐き
さてそのあとに
深く吸いこむ
10.体重を集めてひとつ
体重を
集めてひとつ
足節に
ゆらぎの中で
バランス探る
11.肩は垂らして腕は重たく
うつむかず
あごを引きつつ
首を立て
肩は垂らして
腕は重たく
12.底節を寄せて引き上げ
底節を
寄せて引き上げ
芯となり
背骨貫き
天へと抜ける
13.ゆらゆらと魚が泳ぐ
ゆらゆらと
魚が泳ぐ
体幹部
主客転倒
ゆらし ゆらされ
14.空息域の開発
ヨゴヨゴで
空息域を
開発し
つぎはミヨミヨ
やがてニミニミ
15.外は垂れつつ芯は吊られて
柔らかき
身体貫く
硬き芯
外は垂れつつ
芯は吊られて
16.唇を忘れて
唇を忘れて
息を強く吐き
舌は支えて
芯は効かせて
17.タング集中
アパチュアも
歯と歯の距離も
チョップスも
すべて忘れて
タング集中
18.舞台は口の中
金管の
舞台はつねに
口の中
舌が主役ぞ
舌に光を
19.愛と絵のシラブル
シラブルは
愛と絵で吹く
金管の
喉は開けたい
魚は避けたい
20.バズィングのタブー
唇や
マウスピースの
バズィングは
ときにイミナイ
ときにアブナイ