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呼吸でニルヴァーナに到達できるか?

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photo: pixabay

ニルヴァーナは無風のこと

ニルヴァーナという言葉がある。もとはサンスクリット語だが、これを音訳して漢字表記したのが涅槃(ねはん)。ニルヴァーナの意味を漢訳すると、滅、滅度、寂滅、寂静などになるらしい。これは「苦を超越した心の平安」を意味する。

そして涅槃は、「さとり(証、悟、覚)」と同義としても使われる。また、死そのものを意味する場合もある。

ところで、原語のニルヴァーナ(nirvana)は、nir(否定語)+va(吹く)+na(受動)であり、「無風」「吹かれないこと」を意味するそうだ。日本語なら凪(なぎ)か。

呼吸法の練習を重ねるうちに、この「無風」が大きなテーマとして浮上してくる。呼吸における無風状態は、息を止めているとき。ヨーガでいうクンバカである。

通常、息を止めるとき喉は閉じられる。しかし喉を開放したまま、空気の出し入れをしない方法もある。私(黒坂)はこれを「虚呼吸」と呼んでいる。

「虚呼吸」状態では空気の流れがない、つまり無風状態である。そして日常生活では感じることのない、じつに不思議な心身の状態になる。ニルヴァーナとはこれのことではないか、と思うときさえある。

虚呼吸がニルヴァーナかどうかはともかく、呼吸法修行を通じてこの現象を発見した先人は数多くいたに違いない。彼らがこの「無風状態」を、滅とか寂静と表現したくなったのだとしたら、それには強く同意できる。

それほど虚呼吸は特異で魅力的な体験なのだ。虚呼吸は体系的トレーニング方法が開発されているが、それはまた別に機会に。

投稿者 kurosaka : 2017年9月27日