ワールド・プロジェクト・ジャパン  〜 合奏音楽のための国際教育プロダクション 〜


スカ・プールヴァカ・プラーナーヤーマ

  • Check

●呼吸法の極意 ゆっくり吐くこと
著:成瀬雅春

ヨーガの呼吸法をまとめた名著です。同書からの抜粋で安楽呼吸法(スカ・プールヴァカ・プラーナーヤーマ)の説明。




坐り方は「あぐら」か「正座」
−背中が曲がらないように注意しよう−

まず姿勢ですが、猫背で呼吸法をおこなうと、浅い呼吸になってしまうので、背すじを伸ばした姿勢でおこなうようにします。

背すじを伸ばすというと、背中をつっぱって緊張したポーズを取る人が多いのですが、それは正しくありません。いったん背すじを伸ばして緊張した状態にしてから、その姿勢を保ったまま、肩と背中の緊張を解くのです。緊張を解いた途端に姿勢が崩れてはだめです。その辺は、多少の注意が必要でしょう。

呼吸法をおこなうときには、基本的には床に坐るか椅子に坐ります。歩きながらや寝た状態でできる呼吸法もありますが、まずは床に坐っておこなうのを基本として覚えてください。

呼吸法をおこなうときには、安楽坐(スカ・アーサナ)か金剛坐(ヴァジュラ・アーサナ)で坐るようにします。

安楽坐というのは、一般的な「あぐら」のことで、金剛坐というのは「正座」のことだと思ってください。ただしヨーガの金剛坐では足先を重ねません。両足の先が触れ合うぐらいにしてカカトを開いて、そこに腰を落として安定させます。

女性に多く見られる「横坐り」は避けてください。横坐りを習慣的にしている人は、どうしても同じ方向に横坐りしてしまいます。そうすると、背骨が歪むことになり、それによって健康面でのさまざまな障害が起きることになります。

あぐらでは姿勢が安定しないという人は、座布団を尻の下に敷くのがいいでしょう。また、背中が曲がりがちになる人は、壁に寄りかかって呼吸法をおこなってもけっこうです。

椅子に坐って呼吸法をおこなうのもいいでしょう。その場合にも、あまり背中が曲がらないように注意しましょう。



安楽呼吸法
スカ・プールヴァカ・プラーナーヤーマ

理想的には左右の鼻から均等に呼吸をするのですが、神様でもない限り完全に均等というわけにはいきません。そこで左右均等な呼吸に近づけるために、片鼻ずつおこなうヨーガの代表的な呼吸法を覚えてください。この呼吸法はたくさんあるヨーガ呼吸法の中でも特に重要な呼吸法です。毎日1回はおこなうようにしましょう。

ヨーガのポーズや呼吸法の名前には、インド古代語のサンスクリット語が使われています。「プラーナーヤーマ」は「ヨーガ呼吸法」のことで、スカ・プールヴァカ・プラーナーヤーマは「安楽を基礎とする呼吸法」「快適な呼吸法」といった意味です。


≪方法≫
1. 床に坐るか椅子に坐ります。坐るときの姿勢は先に説明したとおり注意してください。
2. 右手の人差し指を眉間に当てて、親指で右鼻孔をふさぎます。
3. その状態で、左鼻孔からゆっくりと息を吐きます。吐ききったら、ゆっくりと息を吸っていきます。
4. 吸い込んだら中指で左鼻孔をふさぎます。これで両鼻孔がふさがれたので、息を止めることになります。
5. 頭の中でゆっくり5つ数えたら親指を離して、右鼻孔から息を吐きます。
6. 吐ききったら、ゆっくりと息を吸っていき、吸い込んだら親指で右鼻孔をふさぎます。
7. この、左鼻孔から吐いて吸って、指を替えて右鼻孔から吐いて吸ってまでが、1サイクル(2呼吸)です。
8. これを5サイクル(10呼吸)続けます。
9. 5サイクルを(10呼吸)を1セットとして、肉体的にも精神的にもバランスが崩れたと思われるときに、1セットおこなうように心がけましょう。



安楽呼吸法の要点
−潜在意識に働きかけよう−

安楽呼吸法は、なるべくゆっくりとした呼吸でおこないます。ただし、最初ゆっくりだったのが、途中から早くなるのはよくありません。最初から最後まで同じペースでおこなえるようにコントロールしましょう。息の出入りする音は出さないようにします。

最初のうちは3分で10呼吸以内になるくらいのゆっくりした呼吸を目標に練習しましょう。普段浅い呼吸をしている人には多少の努力が必要でしょう。息を吸い込んだ後に少し止めるようにしてみてください。そして、止める時間を徐々に延ばしていくようにします。

人差し指を当てる眉間の位置は重要です。眉間は「第3の眼」「霊眼」「智慧の眼」などと呼ばれていて、神様や仏様の眉間には突起や眼が描かれています。ヨーガではアージュニャー・チャクラ(「アージュニャー」は「命令・号令」の意、「チャクラ」は「輪」の意)という名の重要なエネルギーセンターに当たります。このチャクラに対する瞑想の効果としては、現世での成功が得られ、過去世のすべてのカルマ(業)を破壊するとされています。

安楽呼吸法のときには、人差し指を眉と眉の間から擦りあげていき、ピタッと入るところを見つけるようにします。そこはすべてを見通す霊眼であるとともに肉体以外(幽体、霊体、意識体など)の精妙なレベルで呼吸をしているところです。その部分をふさぐことで、ちゃんとした片鼻からの呼吸になるのです。具体的には、眉と眉の間から2センチ(1円玉の直径)ほど上へずらした位置です。

安楽呼吸法は片鼻ずつ交互に呼吸をすることが重要なので、中央に位置する眉間の精妙な呼吸を止めることで、完全に片鼻からだけの呼吸になるのです。

----といっても、軽く当てるだけで、押しつける必要はありません。

この安楽呼吸法は人差し指を眉間に当てるため、外出先で周囲の目が気になるときには、場所を選ぶ必要があります。その場合一番具合がいいのはトイレの個室です。トイレ内ならば誰に遠慮することなく呼吸法ができます。

この安楽呼吸法=スカ・プールヴァカ・プラーナーヤーマにはもう一つ、ハタ・プラーナーヤーマという呼び名もあります。肉体を操作することが中心のハタ・ヨーガの「ハタ」と同じ言葉です。

「ハ」は太陽で「タ」は月を表わしています。右の鼻から呼吸をすると、ピンガラー・ナーディー(太陽意識路)をプラーナが流れ、左の鼻から呼吸をすると、イダー・ナーディー(月意識路)を流れます。

プラーナというのは宇宙に満ちている根源的な生命エネルギーのことです。ヨーガでは、宇宙を構成するあらゆるものはプラーナでできているとされています。ヨーガ呼吸法は、そのプラーナを取り入れることで生命力に満ちた状態にするのが、大きな特徴です。

この安楽呼吸法は片鼻ずつ交互に呼吸することで、「左右均等に呼吸する」という意識が、潜在意識層に入り込むところに狙いがあります。そうすると普通に呼吸していても、左右均等にしようという作用が働きだすのです。左右バランスの乱れは誰にでもあります。利き手や利き目があるように、片鼻を多用することでできるバランスの乱れを安楽呼吸法で整えることができます。



練習用リードメッセージ
※制作:水行末

リードメッセージ(クリックすると音声が流れます)

安楽呼吸法(スカ・プールヴァカ・プラーナーヤーマ)と1:4:2の呼吸法(ヴィシャマヴリッティ・プラーナーヤーマ)を組み合わせたリードメッセージです。テンポは46、左右合わせて10呼吸で6分程度の練習時間になります。


投稿者 kurosaka : 2006年7月12日