ワールド・プロジェクト・ジャパン  〜 合奏音楽のための国際教育プロダクション 〜


マリエンサル2010

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【インデクス】
エリックが来た!
明治BS
セクシーD!
洗足学園音大
S18
さくらんぼ
YBB
静岡スイングハード
重力奏法
広島ハートブレイク
名古屋レアサウンズ
金沢もっきりや
富山フィールドハラー
GGTB
帝京中学高校
カモメと赤猫
立教NSH
大阪グローバル
グリーンノート
OFF
中央大学SCO
学習院大学SSJO
プロフィール






【EM NEWS】エリックが来た! 2010.4.22
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エリック・マリエンサルは、16:45にユナイテッド
航空便で成田空港へ到着。空港ロビーにいつもの
元気な姿を見せました。

ご存知の通り、先月はGordon Goodwin's Big Phat
Bandのメンバーとしてブルーノート東京に出演。

いったんアメリカへ戻って、4月上旬には南アフリ
カへ向かいジャズフェスで演奏。またアメリカへ
戻ってBig Phatや自身のバンドの仕事をこなし、
また来日という売れっ子ミュージシャンです。

そして今回の来日は22日間のロングツアー。全国各
地で19公演をこなします。

成田から成田エクスプレスで渋谷へ移動。ホテル へ
無事チェックインしました。

明日(23日)はTokyo TUCで明治大学ビッグサウン
ズ・ソサエティ・オーケストラと共演です。

<エリック・マリエンサル2010 スケジュール>
4月23日(金)明治ビッグサウンズSOと共演 TOKYO TUC
4月24日(土)セクシーダイナマイトJOと共演 DAC
4月25日(日)洗足学園音楽大学でクリニック
4月26日(月)Serendipity18と共演 JZ Brat
4月27日(火)さくらんぼ公演(片岡雄三ほか)
4月28日(水)Yossy Big Bandと共演 B flat
4月29日(木)静岡スイングハードOと共演
4月30日(金)(移動日)
5月1日(土)広島ハートブレイクJOと共演
5月2日(日)名古屋レアサウンズJOと共演
5月3日(月)金沢もっきりや公演(岡本勝之ほか)
5月4日(火)富山フィールドハラーJOと共演
5月5日(水)Gordon Goodwin Tribute Bandと共演 Tokyo TUC
5月6日(木)帝京中学高校でクリニック
5月7日(金)野口茜トリオと共演 横浜KAMOME
5月8日(土)立教ニュースインギンハードと共演 江古田Buddy
5月9日(日)大阪グローバルJOと共演 御堂筋オープンフェスタ&Art Club
5月10日(月)Black Candyと共演 東大阪グリーンノート
5月11日(火)(移動日)
5月12日(水)中央スイングクリスタルOと共演 B flat
5月13日(木)学習院スカイサウンズJOと共演 DAC






【EM NEWS】明治BS 2010.4.23

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<ビッグサウンズ>
明治大学Big Sounds Jazz Orchestra(BS)は人気と
実力を兼ね備えた学生界のスターバンドです。今日
のエリックはBSと神田Tokyo TUCでの共演。

今日はボランティアスタッフとして、荒井ヤスくん
が通訳を担当してくれることになりました。ヤスく
んは国際基督教大学MMSのOB。ハワイからの帰国
子女なので英語が担当です。

エリックによるサックス・クリニック、レギュラー
バンドとのリハーサルにつづいて、コンサートは以
下のような進行で開催されました。

第1部 BSレギュラーの演奏 
第2部 BSジュニアの演奏
第3部 BSレギュラー+エリックの演奏
 There Will Probably Never Be
 When I Fall in Love
 Your Romance
 Body & Soul
 SOLO
 Play That Funky Music
 アンコール:One O'clock Jump


会場はフルハウス。新メンバーのBSが力強いサウン
ドで挑み、エリックが激しく華麗に応酬する。音楽
としてショウとして、とても見応えのあるギグでし
た。Play That Funky Music では、聴衆の興奮もピー
クに達し、深い満足感が会場を覆いました。

明日はセクシーDです!







【EM NEWS】セクシーD! 2010.4.24

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<セクシー・ダイナマイト>
今日の共演バンドは、いまやロサンゼルスのアーティ
ストの間で有名になった「セクシー・ダイナマイト・
ジャズ・オーケストラ」。「官能爆薬ジャズ楽団」と
いう名前が魅惑的です。会場は新大久保にあるDAC
Space Do。

セクシー・ダイナマイトのコンサートは、練りに練っ
た演出も魅力です。今回のライブのテーマは、


 More! Crazy but..."SEXY"
 (水行末訳:もっと狂え、ぐっと悩ましく


と銘打たれています。メンバーのドレスコードは「黒
い衣装にピンクのものを添えること」。

ポスター、プログラム、客席テーブルに置かれたキャ
ンドルカバー、ステージ背景に映されるイメージ映像
など、すべてに気を配って会場をセクシー・ダイナマ
イトの世界へと作り込んでいきます。

特にヴォーカルの高木洋美さんの衣装と歌声は、古き
良き麗しき世界を再現。ジャズとはこんなに豊かで楽
しい時間をくれるものなのだとしみじみ味わえます。

2005年のアンディ・マーティン、2006年ウエイン・
バージロン、2007年エリック・マリエンサル、2008
年ボブ・シェパード、2009年クレイ・ジェンキンス
と共演を重ねてきたセクシー・ ダイナマイト。6回目
の今年はトップミュージシャンかつ稀代のエンターテ
イナーでもあるエリック・マリエンサルと2度目の共
演です。

第1部
Akice in Wonderland
Papa
Come to Life
And The Angel Sings
Satisfy My Soul
(ここでエリック登場)
Rainy Day
How High The Moonithology
Tune Up

第2部
Still More
Studio J
Where Or When
On The Sunny Side of The Street
(ここでエリック登場)
Worried 'Bout You
When I Fall in Love
Randi
Darn That Dream
アンコール
SOLO
Cherokee

サービス精神とプロ意識にあふれたエリックの演奏
に、会場を埋め尽くしたお客さんも大喜び。特別ゲ
ストとして当バンドOBである松木理三郎(tp)、
miwako(as)も加わり、コンマスの藤井輝記(tp)、
そしてエリックの4人でソロをまわす Cherokee で
熱いギグをしめくくりました。

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打ち上げは新大久保駅前の「日本海庄や」で。刺身
などつつきつつ、 エリックを囲んで明るく楽しく話
しがはずみました。

明日は洗足学園音楽大学です。







【EM NEWS】洗足学園音大 2010.4.25

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<洗足学園音楽大学>
今日は洗足学園音楽大学でクリニックとミニライブ
です。通訳者は東京外国語大学の高木美奈さんが勤
めてくださいました。

今回お世話くださったのは、ジャズコースで教鞭を
とっておられる香取良彦先生。じつは香取先生は学
生時代、バンドの先輩だったのであります。こんな
ところでまたご一緒できて光栄です。

会場はキャンパス内のブラックホール(という名前
のホールです)。ステージ上には学生ビッグバンド
がいて、エリックとリハーサルをします。

3.jpg

1.Punta Del Soul
2.Second Chances
3.What Is This Thing Called Love

音楽を先攻し、これからプロの演奏家をめざす若者
たちに対して、エリックの指導も熱がこもります。

つづいてサックスセクションのクリニックです。
基本的な練習方法や心構えについて、具体的かつ実
践的な情報を紹介しました。

そして今度はコンボとのリハーサル。

4.Compared to What
5.Body & Soul
6.All The Things You Are

の3曲を練習しました。

最後に、コンボとビッグバンドのミニライブという
形で、今日練習した全曲を通しました。

エリックのサックスは強烈なリズムを刻み、バンド
メンバーをぐいぐい引っ張っていきます。

講義としてもライブとしても、みっちりと内容の濃
い一日となりました。

洗足学園さんとはジャズイベント(たとえばステラ
ジャム)などを通じてコラボができないか、可能性
を模索中です。JOEA(ジャズオーケストラ教育協
会)として、魅力的なジャズ教育イベントを作るこ
とができたら素晴らしいですね。またご報告します。

明日はSerendipity18と共演です。






【EM NEWS】S18 2010.4.26

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<Serendipity 18>
Serendipity18は、現在の日本でもっとも勢いのある
ビッグバンドのひとつと言ってよいでしょう。ビル・
ワトラス、ボブ・シェパード、チャック・フィンド
レーなど、数々のゲストアーティストを毎年のよう
に迎え、エリック・マリエンサルとも今回で3回目の
共演となります。

会場は渋谷JZ Brat。入れ替え2セットの公演です。


 Keep Swinging(第2セットはWhen You're Smiling)
 A Cool Breeze
 Almost Like Being in Love(澤田かおり vo)
 Caravan
 ここでエリック登場
 Second Chances
 Worried About You
 New York State of Mind
 Bach 2 Part Invention
 Against All Odds
 Chips And Salsa
 アンコール:When I Fall in Love


JZ Bratでは、その日のスペシャルカクテルを作って
くださいます。今日は私からのリクエストで「カリ
フォルニア・サンセット」という夕日色のドリンク
を用意。シェリー酒とチェリーリキュールに、ジン
ジャエールとオレンジジュースを加えた、甘くて口
当たりのいいお酒。エリックの出身地ロサンゼルス
をイメージした、さわやかなカクテルです。

お店の方にうかがったところによると、けっこうな
数のお客様がこのカクテルを注文されたとか。今宵
のよい思い出になったのでしたら幸いです。

カクテルは西海岸イメージですが、エリックのNew
York State of Mindではマンハッタンの夜の空気が会
場を包み、Bach 2 Part Invention ではヨハン・セバ
スチャン・バッハの旋律に乗せて、バロック世界が
繰り広げられました。

新進ヴォーカル澤田かおりさんの若い歌声は魅力的
ですし、Serendipity18の演奏もワイルドかつ上品な
サウンド。大人のエンタテイメントという感じの、
じつに上質なライブショーになりました。

もちろんエリックの演奏は今日も圧巻。サウンドの
美しさ、ピッチの正確さ、そして聴く者を突き動か
す絶妙のタイム感。なにをとっても超一流でした。
あっぱれ☆

次は柴崎さくらんぼ公演です。






【EM NEWS】さくらんぼ 2010.4.27

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夕方から京王線柴崎のライブハウスさくらんぼで
リハーサル(というか打ち合わせ)。エリックが
もっとも楽しみにしているギグのひとつです。

今日の共演者は片岡雄三バンドです。


 片岡雄三 tb
 吉岡秀晃 p
 安ヵ川大樹 b
 江藤良人 ds


という強力なメンバーですから、曲目だけ決めて
セッションに入りました。

あ、もちろん本番前にさくらんぼ名物のカレーは
いただきました。エリックもこのカレーの大ファ
ンです。スパイシーフードは健康のもと、なんだ
そうです。


第1セット
 オリジナル(まだタイトルがないそうです)
 ここでエリック登場
 There Will Never Be Another You
 Mercy, Mercy, Mercy
 Body & Soul
 A Night in Tunisia

第2セット
 All The Way
 ここでエリック登場
 Straight No Chaser
 Softly As in A Morning Sunrise
 My One And Only Love
 St.Thomas
 アンコール:超特急Donna Lee号


毎度のことながら、エリックと雄三バンドのセッ
ションはすさまじい! コール&レスポンス&レ
スポンス&レスポンス&...と、息をもつかせぬイ
ンタープレイの応酬。

タイムが、フレーズが、コードが、汗が、笑顔が、
拍手が、叫びが、さくらんぼという小空間に渦巻
きます。熱い。沸き立つ。時を忘れる。

ジャズという音楽のすごさと楽しさが満ち満ちた
爽快なギグとなりました。

次はYossy Big Bandです。






【EM NEWS】YBB 2010.4.28

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<ヨッシー・ビッグバンド>
赤坂B flatでヨッシー・ビッグバンド(YBB)との
共演。リーダーの吉村昭彦(ヨッシー)さんを中
心に、若手プロミュージシャンが集まったユニー
クな楽団です。


第1部
YaGotta Try Harder
And That's That
Time Stream
Disney Salute
星に願いを
Warning
寸劇〜Come Fly With Me

第2部
Good News
ここでエリック登場
Naked Gun Theme
Hit The Ground Running
Ballad for A Rough Year
Second Chances
Sister Sadie
アンコール:
Magic Flea(YBBのみ)
A Few Good Men
After Rain


hall.jpg
リーダーおよびリズムセクションが関西出身のせ
いか、ショーの構成がとても楽しく、演奏も歌も
司会も演出もすべてがノリノリです。

お客さんもジャズ好きというよりは、YBBファンが
多いとか。リピーターがたくさんおられるので、B
flatはフルハウスでした。みんなが音楽を楽しめる
こんなショーはとってもいいですね。

第1部の最後に「寸劇」が入り、プチミュージカル
を味わうような気分です。あとで聞いたことです
が、この寸劇は続き物になっているそうで、毎回
来ているお客さんほど楽しめるとか。

第2部の途中で、今回のツアーの紹介をするために
私(黒坂)がステージに上がってしゃべらせてい
ただきました。こういう場面で、ふつうは私ひと
りが話し、エリックにインタビューしたりするの
ですが、YBBではところどころに司会者Fumingさ
んの合いの手やツッコミが入って、じつに小気味
よいやりとりとなります。


 ※「なんでやねん!」の英訳が「No kidding !」
  であるという発見もありました☆


...とこんなことばかり書いていると、YBBがコミッ
クバンドと思われるかもしれませんが、演奏もパ
ワフルでスーパーハイテンション。

リードトランペットかつコンマスの峰崎芳樹さん
が強烈なサウンドを吹き鳴らし、スピード感のあ
るリズムセクションとともに絶妙のアンサンブル
を奏でます。音楽的にも聞きごたえのあるビッグ
バンドです。

最後はベースの関谷友貴さんと一緒にエリックま
でピョンピョン跳びはねながら演奏。拍手と歓声
に包まれるごきげんなギグとなりました。

ライブ終了後、赤坂の明洞(ミョンドン)で打ち
上げ。激辛キムチとプルコギで嬉しい夜をしめく
くりました。

明日からロード。次は静岡スイングハードです。






【EM NEWS】静岡スイングハード 2010.4.29

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<静岡は快晴なり>
ツアー前半1/3にあたる東京6公演を終え、エリッ
クは、今日からロード5公演です。静岡へ向かい、
社会人ビッグバンド「スイングハード・オーケス
トラ」と共演。会場はしずぎんユーフォニア。響
きの美しいコンサートホールです。


第1セット
 Doxy(スイングハードのみ)
 ここでエリック登場
 Green Bossa(Blue Bossa)
 Your Romance(My Romance)
 Second Chances
 Ballad For G And E
* G=Gary Holapoff, tp
E=Everette Carrol, as
どちらもTom Kubisの生徒だったとか。
  30年くらい前の話ですけれども...。
 What Is Dis Ting(What Is This Thing Called Love)

第2セット
 Alone Together (スイングハードのみ)
 ここでエリック登場
 Dolphinology(On Green Dolphin Street)
 Tristing(Triste)
 Worried Bout' You
 ソロでBody&Soul
 Punta Del Soul
 There Will Probably Never Be (There Will Never Be Another You)
 アンコール:
 There Is No Greater Lunch (There Is No Greater Love)


新バンマス村松夏夫さんのもとで創立45年目を迎
える老舗ビッグバンド。年々、平均年齢があがっ
ていきますが(笑)、それがまた味になっていま
す。力の抜けたいい演奏、オシャレな大人の音楽
会といった雰囲気です。

昨年までは禅宗のお坊さんの伊久美さんがバンマ
スでしたが、昨秋、体調を崩されてリーダー業を
交代。現在は体力回復に向けて静養中です。今日
は宗教色を排した(?)新生スイングハードの演
奏を、会場で楽しんでおられました。

エリックのサックスは今夜も絶好調。ユーフォニ
アの美しい音響も手伝って、ホール内はエリック
とスイングハードが織りなす楽しい世界に染まっ
ていきます。

そして、これも恒例となった静岡駅前「魚彩」で
の打ち上げ。サックス隊はエリックを囲んでマウ
スピース談義に花が咲きます。宴会の最後は「休
符なしオリジナル三三七拍子」でシメくくります。
いよ〜! シャンシャンシャンシャンシャンシャ
ンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン!

お疲れさまでした☆






【EM NEWS】重力奏法 2010.4.30


<歩行と演奏の関係>
先日、エリックと一緒に歩いているとき、


「歩くのが速いと言われないか?」


と聞かれました。特に早足で歩いていたわけでは
ない場面でです。

じつは「ウォーターウォーク」と私が呼んでいる
方法で歩くと、急いでなくてもあるいは大股で歩
かなくても、身体が前へスッスと進むのです。そ
れがどんな歩き方か簡単に説明すると、


 1.脚を前へ蹴りださないで
 2.脚は後ろへ向かって地面を掃くように


するものです。実践的には、


 3.カカトで地面を後ろ方向へ押す
 4.腿裏の筋肉(ハムストリングス)を使う
 5.高重心
 6.身体の芯を感じる
 7.脱力する
 8.股関節をはさんで前に腸腰筋、うしろに
  ハムストリングスがあり、これらを交互
  に使うことで歩行運動を成立させる


ということに留意します。これはウォーター&ブ
レスの基本である「マジックコイン」や「三節直
列」「外柔芯剛」などの応用技法です。

<ウォーター&ブレスの英訳>
私は、初等教育において「立・息・歩」の基本を
教えるべきと主張するものですが、その第一歩と
してTM講習会でも「立ち」と「呼吸」のトレーニ
ングをご紹介しています。

言うまでもないことですけれども、それは金管楽
器のみならず、木管、打楽器、弦楽器、歌唱、ダ
ンスなどの基本ともなる重要な身体操法です。

ですから、エリックのようにレベルの高い音楽家
には、この原理がたいへん興味深く感じられるよ
うです。過去2回のツアー(2007年春と2008年秋)
においても、簡単に呼吸法の基礎を説明したこと
があります。

しかしいずれの場合も、英語の専門用語が難しす
ぎて、十分に意味が伝わらなかったという反省が
あります。

その後、イーストマンで教鞭をとるトランペット
奏者のクレイ・ジェンキンス氏やWASBE(世界
吹奏楽アンサンブル協会)会長グレン・プライス
博士、ワシントン州立大学マーチング指導者のブ
ラッド・マクデイヴィッド博士などに対しても
ウォーター&ブレスを説明してきたので、少しず
つ英文資料が揃ってきました。

現在では、骨や筋肉の名前や肺容量と呼吸の関係
を英語で図解できるので、ぐっと解説しやすい状
況が整っています。

4.transversus&iliopsoas.jpg

それらのpdf資料をメールしたものをエリックは
iPhoneに取り込んで、いつでも見ることができる
ようにしています。ですから今回はさらにくわし
く解説ができました。

<呼吸と身体>
まずは「肺と呼吸の関係」のグラフから説明。日
本語の解説はこちらをどうぞ。

続いて「腹腔を取り囲む四つの筋肉群」について
図解。腹腔を部屋に例えた場合、


 1.横隔膜は天井
 2.腸腰筋は後ろの壁
 3.腹横筋は横から前の壁
 4.骨盤底筋群は床


に相当します。これらの筋肉群を使って腹腔内圧
力を安定させることが「腹式呼吸」の本質です。
これがいわゆる「息の支え」の正体であり、それ
なしですぐれた管楽器演奏をすることはあり得な
いと考えています。

1.diaphram&iliopsoasmuscle.jpg

余談ですが、クラウド・ゴードンが否定した腹式
呼吸と、ここでいう「息の支え」とは異なるもの
であると考えるべきでしょう。ゴードンが推奨し
た方法は、この文脈でいえば「腹式」の一種にほ
かならないというのが私の見解です。くわしくは
腹と胸のはざまで」を参照ください。

閑話休題。

腹腔内の圧力を安定させつつ息を吐くためにはど
うすればよいか。その実践的エクササイズはこち
に整理してあります。

時間的に労力的にも、これらを全部エリックに紹
介することはできませんので、もっとも基本とな
るトレーニングだけを説明しました。


 1.マジックコイン(三節直列)
 2.チャイルドタイム
 3.フィッシュスイム
 4.ボトミング四種
 5.1-2-3-2-1


これらすべてに通じるコンセプトは「重力との関
係改善」です。立ち方も、呼吸の仕方も、あるい
は歩き方も、すべて身体と重力とを調和させる必
要があり、個々のトレーニングはその目的のため
に開発されています。

本格的に説明するときは日本語でも2時間以上かけ
てやる内容を、ダイジェスト版で解説。それでも
1時間以上かかりました。

当然のことですが、エリックは立ち方も呼吸も、
あるいは歩き方もすべてが高いレベルでできてい
ます。しかしそれをレッスンで生徒に対してうま
く説明できるかといえば、なかなかそうはいかな
いとのこと。

私(黒坂)は今年の下半期に「ウォーター&ブレ
ス」という本を書くことを計画中です。エリック
は、「ぜひ英語版も出してほしい、そうすれば自
分が世界各地でやるクリニックやレッスンで紹介
するから」と言ってくれました。社交辞令として
も嬉しくありがたい言葉です。英訳については少
し考えてみます。

<新幹線で広島へ>
静岡を出発した私たちは新幹線で広島をめざしま
した。上記のウォーター&ブレス講義は、その車
中で行なったものです。

広島の平和大通りは、5月3日から始まるフラワー
フェスティバルの準備が着々と進んでいます。今
日はライブがありませんので、ホテルへチェック
インしてゆっくり休養。

夜はエリックと一緒に、お好み焼きを食べに行き
ました。明日共演するハートブレイク廣瀬さんの
お薦め「てんやわんや」という店。うまい! し
かも壁にはエリック・ミヤシロさんのサインまで
あったりして。お店の人も明日は聞きに来てくだ
さるとのこと。






【EM NEWS】広島ハートブレイク 2010.5.1

01.jpg
<マイナスの学習をしないために>
これまで何度もエリックのクリニックや個人レッ
スンで通訳をしてきましたので、彼の指導内容に
ついて、私はある程度の情報を持っています。そ
の中心的アイデアは「基本に忠実に」です。

●ゆっくりと
●慎重に
●正確に
●均等に
●すべてをコントロールしながら

これらのポイントを確実に守って練習した結果が
エリックのあの「美しいサウンド」「正確なピッ
チ」「制御されたタイム感」なのでしょう。

たとえば単音の吹き伸ばし(ロングトーン)をす
るとします。このとき奏者は「サウンド=音色」
「ピッチ=音程」などに対して十分な注意を払う
ことができます。

しかしそこに、たとえば「ビブラート」という技
術を加えると、たちまち「音色」「音程」に影響
が出ます。エリックは「テイクオーバーtake over
=乗っ取る」という言葉を使います。ビブラート
がサウンドをテイクオーバーしてしまうというわ
けです。

同様のことはアーティキュレーションにおいても
起こります。ロングトーンのときは万全の音色で
あっても、スタッカートやスラーで吹くことでそ
のクオリティが落ちる。アーティキュレーション
がサウンドをテイクオーバーするのです。

「フィンガリング」「インプロヴィゼーション」
「フレージング」などなどサウンドをテイクオー
バーする要素は無数にあります。

そしてもっとも重要なのは、練習しているときそ
れらの技術的要素が自分のサウンドをテイクオー
バーしていることに気付きにくいことです。

たとえばあるフレーズの練習をしていると、すべ
ての関心がフレーズのほうへ行ってしまい、自分
の音色のクオリティが低下していることに気付か
ない。フレーズが「できた/できない」だけに注
意を向けることで、悪いサウンドが定着するおそ
れがあるわけです。

これはフレーズにとってプラスの学習が、サウン
ドにとってはマイナスの学習になり得ることを意
味しています。

同じように、フレーズ練習がピッチへのマイナス
となったり、タイム感へのマイナスとなったり、
ということがつねに起こります。

また、エリックは「息で壁を支えるように」とい
う表現もよく使います。サックスを吹くときは、
目の前の壁がこちらに向かって倒れてくるのを息
で支えるように想像するのです。

息の流れが途切れたら壁が倒れますので、常時息
を吐き続ける。その「流れ続ける息」を舌で切っ
ていくのがタンギングだというわけです。

これは意外に難しいことで、レッスンやクリニッ
クでも、すぐに息が途切れてしまう奏者を多くみ
かけます。それはテクニック不足というよりは、
息を吐き続けるフィジカルな能力が不十分なのだ
と考えられます。

さらに息の流れについてもマイナスの学習が成立
し得ます。アーティキュレーションやフレージン
グを練習することが「安定した息の流れ」をテイ
クオーバーしてしまうからです。

●ゆっくりと
●慎重に
●正確に
●均等に
●すべてをコントロールしながら

というエリックの教えは、これらの「マイナスの
学習」を最小化するための知恵だと言えます。

<傷心ジャズ楽団>
さて今日は廣瀬豊彦とハートブレイク・ジャズ・
オーケストラとの共演。会場はいつものゲバント
ホールです。原爆ドームや旧広島市民球場をのぞ
む川沿いに立地しています。

ハートブレイクとのリハを終え、エリックと一緒
に原爆資料館へ向かいました。本人が行きたいと
希望したからです。

原爆資料館には、これまで何度も外国の方をお連
れしていますが、アメリカ人と行くのは私もつら
いところがあります。だんだん言葉が少なくなっ
てしまうからですね。

アメリカ対日本という構図ではなく、人類対人類
あるいは人類対地球という視点に立って、核兵器
廃絶へ向けて知恵をしぼりたいと感じます。


気持ちを切り替えて、コンサートです。

第1部 HBJOのみ
 In The Mood
 On The Sunnyside of The Street
 Summertime
 Thou Swell
 必殺仕事人メドレー
 となりのトトロ
 Beauty And The Beast
 It Don't Mean A Thing

第2部 コンボ演奏 with エリック
 Recado Bossa Nova
 Cantaloupe Island
 Spain

第3部
 Strike Up The Band(この曲エリック休み)
 Waltz of the Flowers
 That Warm Feeling
 Rock This Town
 Play That Funky Music
 Count Bubba
 Night and Day
 Unforgettable
 アンコール曲
 ソロでSt.Thomas
 September

1995年のアンディ・マーティンから始まって、
ウエイン・バージロン、エリック・マリエンサル、
ボブ・シェパード、クレイ・ジェンキンスと共演
を重ね、6回目の今年はエリックと2度目の共演と
なりました。

お互いに気心が知れていることもあって、リラッ
クスしたよい演奏会になったと思います。お客さ
んもサービス精神旺盛なエリックのショーを楽し
んでくださったようです。

ハートブレイクの人気と実力もこの数年で向上し
たため、ゲバントホールが手狭に感じるようにな
りました。来年からは大きな会場を探すかもしれ
ないとのことです。ますますのご発展を祈念して
おります。

さて、ロサンゼルスのミュージシャンの間で有名
になりつつあるものに「名古屋のジャングルパー
ティー」があります(5月2日のレポートであらた
めてご紹介します)。それに加えて「広島のカー
プパーティー」もなかなか印象的です。エリック
も前回2007年春の広島での宴会をよく覚えていま
した。

瀬戸内のおいしい海鮮と、リーダー廣瀬さんが山
口から取り寄せてくださる「獺祭(だっさい)」
というお酒。私はこれが毎年の楽しみになってい
ます。しみじみとうまい! 今年もお世話になり
ました。

次は名古屋へ向かいます。






【EM NEWS】名古屋レアサウンズ 2010.5.2

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<不思議な縁>
レアサウンズ・ジャズ・オーケストラは厳しい練
習と華やかな活動で知られる社会人バンド。毎年
春と秋には海外からゲストアーティストを迎えて
コンサートを開いています。

2008年秋にエリックと名古屋ブルーノートで共演
したときには、初代リーダーで当時は闘病中だっ
た西川政夫さんが楽屋を訪ねてくださいました。

残念なことにそのひと月後、西川リーダーは他界
され、新リーダー井上洋介さん、新コンマス新美
雅浩さんという新体制でレアサウンズは再出発し
ました。

今回エリックを迎えて行なうライブは、ひさしぶ
りにコンサートホールで開催。前回ホールで演奏
したのは2007年春ですから3年ぶり。そのときの
ゲストもエリックでした。

このように、エリックとレアサウンズにはなにか
不思議な縁を感じます。それは私だけではないよ
うで、レアのメンバーも3年前のホール公演、1年
半前の西川さんの思い出を胸に、今日のエリック
との共演を迎えた方が多かったみたいです。


第1セット
The Check's in The Mail
Samba Dees Godda Do It
Bleuphoria
ここでエリック登場
Hit The Ground Running
Just A Beautiful Night Like This
Press Any Key

第2セット エリックとともに
Act Your Age
On Green Dolphin Street
Cold September Morning
What Is This Thing Called Love
Second Chances
Punta Del Soul
Samba Del Gringo
アンコール
ソロでSt.Thomas
September
The Preacher


名物となった林さんの名調子MC。「5分でわかる
エリック・マリエンサル」のコーナーはいつも大
好評です。林さんはバリトンサックス奏者ですが、
もともとエリックの大ファンなんだとか。にわか
仕込みの情報ではなく、マニアとしてのディープ
な知識をいとおしむように(笑)披露してくださ
いました。

今宵もエリックの熱演はとどまるところを知りま
せん。私は毎晩聞いていますし、今日で9公演目
ですが、聞くたびにすごいなあと思います。技術
的な確かさだけでなく、聴衆とのコミュニケーショ
ン力がずば抜けて高い。

今回のツアーは19公演もあるのに、持参したCDの
枚数が少なめで、静岡でも広島でもすぐに完売。
名古屋では第1部あとの休憩時間で瞬時に完売した
そうです。お買い上げありがとうございました。
買えなかった方、ごめんなさい。次回はもっと用
意しますね〜☆


<密林からの生還>
ロサンゼルスのスタジオ・ミュージシャンの間で
有名なレアサウンズのジャングル・パーティー。
ケダモノたちの笑い声が飛び交う、恐怖と歓喜の
饗宴です。

その主役はデビル新美氏。けたたましく高く澄み
切った笑い声から、2005年にリッチー・コールが
「デビル」と命名。デビルが笑えば打ち上げ会場
は一気に夜の密林に変貌。名古屋が Devil City
と呼ばれる日も遠くないでしょう(てか?)。

今日の宴会場はジャイアンくん(tb)のシマで、
ピアノ2台を擁する雰囲気のいいイタリアンレスト
ランです。薄味のおいしい料理が並びました。

白ワインをグレープフルーツジュースで割ったの
を飲ませていただいたのですが、びっくりするほ
ど美味。意外な発見でした。

特筆すべきは、名古屋名物「あんかけスパ」。夢
にまで見たあこがれの一品です。ピリッとスパイ
シーで、どんどん深みに引き込まれてしまう魅惑
の食べ物。エリックもホテルに帰ってから「あの
パスタはうまかった」と感激してました。

飲んで、食べて、笑って、叫んで、サインねだっ
て、写真を撮って、ジャングル・パーティーは最
高潮。最後は恒例の「いっピョンじめ」です。

ピョンと飛び上がりながら手を打ちます。みなさ
ん、お疲れさまでした。いよ〜、ピョン!

次は金沢です。






【EM NEWS】金沢もっきりや 2010.5.3

81db6151.jpg
<シンクロニシティ!>
エリックと私はしらさぎ7号で名古屋を出発。米原
経由で金沢へ向かいました。エリックはお茶目な
ので、駅に停まるたびに「これは金沢か」と尋ね
てきます。

私も最初のうちはまじめに駅名を答えていたので
すが、ジョークの切り返しで「ちがうよ、これは
ロサンゼルスだよ」などと応えていました。

そしてある駅に停まったとき、エリックが「これ
は金沢か」と聞くので、なにも考えずに「いやい
やこれはロングビーチだよ」と答えました。

ところが! よく見るとその駅はなんと「長浜」
だったのです。英語でいえば long beach! なん
というシンクロニシティ〜☆




<呼吸法講義第2弾>
先日、広島へ向かう車中で講義した呼吸法につい
て、エリックはいろいろと試してみているとのこ
と。「腹腔を取り囲む四つの筋肉群」をトレーニ
ングするアイデアは特に気に入ったとか。
【参照】重力奏法

「横隔膜を降ろし、底節をボトムアップし、大腰
筋と腹横筋にテンションを与えることで腹腔の構
造が安定し、それが息の支えとなることはたいへ
ん興味深い」とのこと。

また歩き方(ウォーターウォーク)にも共感でき
るところがあったようで、「ジョギングにも応用
しているけど、身体がどんどん前へ進むよ」とた
いそうゴキゲン。

さらにホテルの部屋で「1-2-3-2-1」を実践してみ
て、そのリラックス効果とエネルギーチャージ効
果に驚いたそうです。

これらの報告を聞くにつけ、エリックの身体能力
の高さ、感覚の鋭さに驚かされます。これまでた
くさんの方々にウォーター&ブレスを伝えてきま
したが、こんなに早く正しくポイントをつかむ人
はまれだと思います。やはり世界のスター奏者、
おそるべし!

しらさぎ号の車中では、「キャットラン」「ドラ
ゴンツイスト」「キメラダンス(三種)」「MOT」
などにもトライしてもらいました。


<もっきりやギグ>
さて、今日のライブは金沢「もっきりや」。木の
ぬくもりとやわらかなサウンドが魅力のキュート
なライブハウスです。

21.jpg

共演メンバー
 岡本勝之 b
 川北隆博 ds
 森下 滋 p
 長島一樹 bs


第1部
 There Will Never Be Another You
 Someday My Prince Will Come
 My One And Only Love
 Nica's Dream
 Mercy, Mercy, Mercy

第2部
 A Night in Tunisia
 Body & Soul
 ここで長島一樹登場
 Moanin'
 Donna Lee
 St.Thomas
 アンコール
 Straight No Chaser
 (飛び入りOKのジャムセッションで)


エリックが1曲目のAnother Youからいきなり盛り
上げるので、満員のもっきりやは強烈な熱気に包
まれます。

ときに美しく、ときに軽やかに、ときに凶暴に、
エリックのサックスはいろんな表情を見せ、お客
さんの心を揺さぶります。

そしてバリトンサックスの長島一樹さんが加わっ
て、バンドのサウンドはさらに厚みを増します。
古都金沢セッションは、今年も楽しく上質な夜と
なりました。みなさん、お疲れさま。ありがとう
ございました!






【EM NEWS】富山フィールドハラー 2010.5.4

fhjo.jpg
<アメリカのジョーク>
アーティストと公演契約を交わすとき、契約書の
中に「楽屋に用意すべきもの」という項目を見つ
ける場合があります。

たいていは水とかコーヒーが書いてあって、アー
ティストによっては「冷えた白ワイン」とか「グ
レープフルーツジュース」などが指定されている
こともあります。

わりと有名な話らしいのですが、あるアーティス
ト(ローリングストーンズという説も)の契約書
には「楽屋にM&Mチョコレートの茶色抜き」という
指定があるとか。茶色のチョコだけを抜いてM&Mを
用意しろというジョークですね。

エリックがある高校のゲストに招かれたとき、こ
の有名なジョークをもとに、「M&Mの茶色だけ」を
指定したそうです。文字通りの楽屋オチのウケを
狙ったわけです。

するとその高校の先生は、M&Mメーカーにかけあっ
て、大量の茶色M&Mを発注し、それをコンサート当
日、エリックにステージでプレゼントしたとか。

なんてオシャレな話でしょう。もちろんそのライ
ブの打ち上げでは、みんなで茶色いチョコレート
をほおばったそうです。


<クロスランドおやべ>
さて、エリックのツアーも10公演を終え、今日か
ら後半戦です。会場は富山県クロスランドおやべ
セレナホール。共演バンドはフィールドハラー・
ジャズオーケストラです。

フィールドハラーさんとは長くお付き合いさせて
いただいています。1992年に「能登ジャズウォー
ズ」というイベントで知り合ってから18年。毎年
欠かさずお目にかかり、今では春と秋のライブで
ご一緒するのが年中行事となっています。

エリックとの共演も3回目。クロスランドでのライ
ブは3年前に続いて2度目です。


第1部
Now That's What I'm Talking About
It's Too Late
One By One
ここでエリック登場
When I Fall in Love
Press Any Key
Salt Peanuts

第2部
Boplicity
ここでエリック登場
Rainy Day
Second Chances
Punta Del Soul
Cherokee
アンコール
Solo
Things Ain't What They Used to Be


1曲目の「Now That's What I'm Talking About」
は、昨年9月に河口湖で開催されたステラジャム
(全日本ジュニアジャズオーケストラ・コンテス
ト)の課題曲としてトム・クービスに作曲を依頼
したオリジナル曲です。こんなところで聞けると
は感激です!

客席には一昨日に名古屋で共演したレアサウンズ
のバンマス井上洋介さんがお越しになっていたの
でびっくり! 一度客席で聞いてみたかったとの
こと。遠路はるばるありがとうございました☆

エリックの演奏は今日も快調。フィールドハラー
の熟練サウンドに乗せて、縦横無尽に吹きまくり
ます。静かな曲は叙情的に、激しい曲は情熱的に
と、さまざまな表情で音楽を奏でるサックス。会
場の空気を支配する見事なエンタテイナーです。

宴会はいつものように和気あいあい。やがてサッ
クス奏者がエリックを取り囲み、奏法談義に花を
咲かせます。

そして、富山のお楽しみは温泉。前回に続いて、
エリックはフィールドハラーのメンバーと裸の付
き合いをエンジョイしました。風呂でもサックス
講義は続きます。

「残念なことに、多くの奏者が自分の音を注意深
く聞いていない」「メトロノームとチューナーは
練習のときつねにそばに置こう。私は6時間練習す
るときでも、ずっとメトロノームを使う」「キー
となるのはエアと耳だ。自分の音を注意深く聞い
て、それがおかしければ息の支えをチェックして
みよう」

これはアーノルド・ジェイコブズがよく使った言
葉「Song And Wind」を思い出させますね。


 不幸なことに、若い金管奏者たちはサウンドを
 コントロールするために、アンブシュアの組織
 をコントロールしようとする。

 その筋肉をコントロールするためには、サウン
 ドのほうをコントロールしなさい。筋繊維のこ
 とを考えるのは少しやめて、偉大な芸術家のよ
 うに考えなさい。
※参照:動的アンブシュア論
 

次は東京。Gordon Goodwin Tribute Band です。






【EM NEWS】GGTB 2010.5.5

gordon goodwin piano.jpg
<富山から東京へ>
小矢部のホテルロビーへ、エリックと私は6:15に
集合。手配してあったタクシーで砺波駅へ向かっ
て、空港行きバスに乗ります。

そして8:40富山発のフライトで羽田へ。静岡、広
島、名古屋、金沢、富山を回って、約1週間ぶりに
東京へ戻りました。

エリックは渋谷のホテルへアーリーチェックイン
し、私はいったん事務所へ戻って雑務をこなしま
す。午後1:30にあらためてエリックと落ち合い、
神田駅からTokyo TUCへ向かいました。


GordonGoodwin.jpg
<ゴードンへの愛>
Gordon Goodwin Tribute Band。この超マニア集
団バンドは、ゴードン・グッドウィンの曲しか演
奏しません。

Big Phat Bandがブルーノート東京公演をすれば、
初日からメンバーが交代で「偵察」に行き、セッ
トリストの比較分析をする。そして最終日にはメ
ンバーが大挙してブルーノートへ乗り込み、最前
列中央で大声援を送るとか。いまやブルーノート
の店員さんにも一目置かれる存在だそうです。

そんなゴードンを敬愛し、崇拝し、ほとんど「信
仰」の高みにまで至ろうかというバンドが、今日
はBig Phat Bandのリードアルト奏者であるエリッ
ク・マリエンサルを迎えます。2008年秋に続いて
2度目の共演です。


 第1部(GGTBのみ)
 Count Bubba's Revenge
 El Macho Muchacho
 Watermelon Man
 Backrow Politics
 Swingin' For The Fences

 第2部(エリックも加わる)
 Hit The Ground Running
 Samba Del Gringo
 I Just Can't Wait to Be King
 Too Close for Comfort
 Start to Love Again
 The Jazz Police
 アンコール
 Beauty And The Beast
 Play That Funky Music


エリックはリードアルトの席に座り、全曲リード
のパート譜を吹きました。さらにすべての曲でソ
ロもとります。

会場のTokyo TUCは立ち見の方もたくさんおられる
超満員。バンドも熱いけれども、お客さんの熱気
も相当に高いものがあります。本物の Big Phat
Band より盛り上がっているかもしれませんね。

そんな一種異様な興奮状態からライブは始まりま
した。GGTBは気合いを入れてアンサンブルを奏で
ます。エリックもそれに応えて渾身の熱演。そし
てアンコールの Play That Funky Music で会場は
音楽的エクスタシーに達しました。

終演後は神田駅近くの坐・和民で打ち上げ。ふつ
うのバンドですとサックスセクションがエリック
を囲んで奏法談義をするのですが、ここではよう
すが違います。

エリックへの質問は、今秋にリリース予定の Big
Phat Band の新アルバムに集中しました。収録曲
は何か、各セクションのメンバーは誰かなど。

エリックの iPhone には新作のラフミックス音源
が入っているので、それをチラッ聞かせてくれま
した。そのようすを撮影したり録音したりと宴会
場は大騒ぎ。

クレイジーでラブリーなバンドとの打ち上げは、
こうしてジャズ史に残る(残らないってば)饗宴
となったのです。最後は、エリック本人が音頭を
とっての一本じめです。いよ〜、パン!

次は帝京高校です。






【EM NEWS】帝京中学高校 2010.5.6

2.teikyo.jpg
<エリックの呼吸法>
このところエリックのクリニックではウォーター
&ブレス理論がよく引用されています。「重力奏
」や「呼吸法講義第2弾」でご報告したように、
今回のツアーではかなり詳細な呼吸メカニズムを
エリックに説明しました。

その内容は、エリックがこれまで無自覚的にやっ
ていた奏法を理論的に裏付けるものだと言ってよ
いでしょう。その理論を自覚することで、さらに
コントロール能力が高まる手応えを得ているのは
さすがと言うしかありません。

ただ腹腔周辺の筋肉群の使い方の話などは、あま
りにもウォーター&ブレスそのままなので、

「それじゃエリックのクリニックじゃなくてぼく
のクリニックになってしまうよ。コミッションを
払ってほしいものだね」

と、私が横から茶々を入れて笑い合うほどです。


<帝京中学高校>
さて、今回のツアーで初めて高校生とエリックが
共演します。訪ねたのは板橋区にある帝京中学高
校。高校野球の強豪校として有名です。

後藤健一先生率いるジャズバンドも、昨秋河口湖
で開催されたステラジャム(全日本ジュニアジャ
ズオーケストラ・コンテスト)においてグランプ
リを獲得する実力校です。

ここには3年生バンド、2年生バンド、1年生バンド
があります。年度替わり直後ということもあり、
今回は3年生バンドと2年生バンドがエリックの指
導を受け、1年生はギャラリーとなります。

まずはバンド指導です。


 3年生バンド
 In A Mellow Tone
 Wind Machine

 2年生バンド
 The Queen Bee
 The Chiken


有名なエリック・マリエンサル先生の指導を受け
るためか、生徒たちも最初は緊張気味。場の空気
をなごませるためにエリックが放つジョークがス
ベりまくる場面も(笑)

「ユニゾンで合わせた音程が、オクターブユニゾ
ンでも合うように、またいろんな度数のインター
バルでも合うように注意しよう」

「音程だけでなく、音量や音色なども合わせ、セ
クションとして音がブレンドするように」

「自分の音をよく聞くことに関心を向けよう」

「音楽はただの音ではない。音楽は自己表現であ
るから機械的なテクニックを並べるだけのもので
はない」

「しかしテクニック練習を積み重ねて楽器を操作
できるようになることで、自己表現の幅が広がっ
て、自由に演奏できるようになる」

「リズム隊はバンドの心臓部なので、しっかりと
管楽器に聞こえるよう演奏しよう」

などのアドバイスを受けました。つづいて共演の
ためのリハーサルです。


2年生バンド
 There Will Never Be Another You
 Fly Me to The Moon

3年生バンド
 How High The Moon
 In A Sentimental Mood
 Solo
 September


エリックのソロプレイが加わることでバンドサウ
ンドが輝きを増すように感じます。帝京バンドは
たいへんよく練習しており、その熱心さにエリッ
クも感激していました。今やっている練習をどん
どん続けてくださいとのことでした。

終了後は、サイン、写真、ビデオ撮影(Gordon
Goodwin へのメッセージ)などで楽しく盛り上が
りました。

後藤先生、OB2名、エリック、私の5名で食事をし
ながらミーティング。今回の総括や次回に向けて
の打ち合わせをしました。またいろんなチャンス
でご一緒できればと思います。ありがとうござい
ました。

次はあかねこ@KAMOMEです。






【EM NEWS】カモメと赤猫 2010.5.7

654d3946.jpg
akaneko♪の愛称で親しまれている若手ピアニスト
野口茜は、作曲家としても急速に存在感を示しつ
つある注目のアーティストです。今日のエリックは
そんな「あかねこトリオ」との共演です。


 エリック・マリエンサル(as)
 野口 茜(p)
 柳原 旭(b)
 村上広樹(ds)


kamome.jpg
会場は横浜関内の馬車道にあるKAMOMEという雰
囲気のいいライブハウス。お客さんも超満員となり
ました。


第1部
 春の小川(トリオのみ)
 Cold Duck Time
 Welcome to My Town(akaneko♪オリジナル)
 与作(ファンクアレンジ)
 Falling Grace
 Compared to What

第2部
 African Skies
 Lost Without You
 Red Clay
 Misty(as&p デュオ)
 Mini Skunk Funk(akaneko♪オリジナル)
 アンコール
 New York State of Mind


今日のライブに来られた方は「得した〜!」とい
う気分ではないでしょうか。野口茜トリオの持つ
エネルギーはすさまじく、それをさらに引き出し
ながらエリックのサックスから音がほとばしり出
ます。

エリック、あかねこ双方のオリジナル曲を演奏し
つつ、コンボ演奏ならではの奔放な遊び、ハプニ
ング、スリルをどんどん客席に向けて浴びせかけ
ます。「トリオ+1管」という自由度の高い編成も
手伝って、即興音楽本来の楽しさが存分に味わえ
たギグとなりました。

Big Phat Band で来日するときとはまったく違う
エリックのプレイ。野口茜トリオとの高度な音楽
的コミュニケーションが馬車道に響き渡った夜で
した。


<おまけ>
帰るとき電車に乗ってから、エリックがソプラノ
サックスを楽屋に忘れて来たことに気付きました。
みなとみらい線の横浜駅からあわてて馬車道まで
引き返し、KAMOMEからあかねこさんが持って来
てくれたソプラノを無事受け取りました。なんと
か渋谷行きの終電に間に合い、事なきを得ました。
ふう...。あかねこさん、ありがとね〜!

ちなみに、Big Phat Band で忘れ物が多くて有名
なのはウエイン・バージロンだそうです。だから
エリックは「I wayned today !(今日はウエインし
ちゃった)」と反省しきり。

そして「I'll never wayne again(もう決してウエ
インしないよ)」と誓ったのでした。






【EM NEWS】立教NSH 2010.5.8

P1030404.JPG.jpegのサムネール画像
立教大学New Swingin' Herdは、学生バンド界にお
いて独特の路線をめざすビッグバンド。このバン
ドの持ち味は、そのクールでピュアなサウンドで
す。昨年の山野ビッグバンドジャズコンテストで
は第3位、トランペットの劉慎太郎くんは最優秀ソ
リスト賞を獲得する実力派です。

エリックとの共演会場は江古田Buddy。まずはサッ
クスを対象として1時間ほどのクリニックです。通
訳者は国際基督教大学モダン・ミュージック・ソ
サエティOBの荒井靖也さん。

エリックのクリニックはますますウォーター&ブ
レス色を深めています。まずはバランスのよい立
ち方についての解説から。つづいて鼻から吸って
口から吐く「1-2-3-2-1」という呼吸法について。

エリックはさらにストラップの位置や、楽器と自
分の関係、座位のあり方など、姿勢についてかな
り時間をさきました。

そして「ロングトーン」「クロマティック」「イ
ンターバル」「モティーフ」「アーティキュレー
ション」などの技術練習を紹介。エリックの基本
的な練習方法についてはこのサイトから無料でダ
ウンロードできます。

速く演奏することばかり考えてはいけない。ゆっ
くり演奏するのは難しいことだ。チック・コリア
はものすごく丁寧に、慎重に練習していた。私は
そこから多くのことを学んだ、とエリックはクリ
ニックをしめくくりました。


 第1部 NSHのみ
 On Purple Purpose Parkway
 Phil Not Bill
 Temenos
 Have You Heard

 第2部(コンボ演奏 with エリック)
 Mercy, Mercy, Mercy
 Confirmation
 Wave
 Isn't She Lovely ?
 A NIght in Tunisia

 第3部
 Just Platonic
 Second Chances
 Ballad for A Rough Year
 Ballad for Azusa and Eric
 Rainy Day
 アンコール
 There Will Never Be Another You


NSHの軽快なアンサンブルを、エリックのサックス
が力強く引っ張ります。豊かな音色、研ぎすまさ
れたタイム感、正確なピッチ。

コンボはもとよりビッグバンドにおいても、それ
ぞれのプレイヤーに自由な演奏を求め、潜在能力
を引き出そうとするライブは感動的です。超満員
のBuddyはエリックとNSHの共演を堪能できた喜び
に満たされました。

終了後は、近くの「わたみん家」で打ち上げ。今
日のライブを振り返り、和気あいあいと談笑し、
エリックとの再会を誓いました。


<おまけ>
立ち方や呼吸については、どれだけ強調してもし
すぎではありませんし、これまでたくさんの文章
を発表してきました。入門編としては以下の文献
が参考になるでしょう。

立ち方:スイートスポット
呼吸法:呼吸の実践的エクササイズ

次は大阪公演です。






【EM NEWS】大阪グローバル 2010.5.9

昨夜、江古田で立教大学NSHの打ち上げを終えた
のが午後11:30。それからエリックを渋谷のホテル
へ送り帰宅したのが午前1時前。そのまま就寝。

起きたのは午前4時45分。シャワーを浴びて、荷造
りを済ませ、きのうのレポートを書いて配信した
りブログにアップしたり。それから軽く朝食を食
べて出発。

渋谷のホテルでエリックと落ち合って、品川から
新幹線で大阪へ向かいます。さすがに眠いので、
車中は爆睡。目を覚ましたら京都あたりでした。

今日は大阪のグローバル・ジャズ・オーケストラ
と共演です。一応社会人バンドということになっ
ていますが、メンバーにはプロミュージシャンも
多く含まれていますし、バンドとして仕事もして
いるので、セミプロ的な楽団です。


01.jpg


まず「昼の部」として、御堂筋オープンフェスタ
に出演しました。これは大阪のメインストリート
御堂筋の長堀通から千日前通までを使って行なわ
れる野外イベント。音楽あり、ダンスあり、ライ
ブペインティングあり、ファッションショーやス
ポーツイベントもあり、出店もたくさんあるにぎ
やかなお祭りです。


02.jpg


御堂筋には歩行者があふれ、活気に満ち満ちてい
ます。なんとなくウキウキする、祝祭気分の中、
エリック with グローバルのショーは15:10から始
まりました。


 1 Just In Time
 2 Time Track
 3 Do I Do(vo 小柳淳子)
 4 I Wish(vo 小柳淳子)
 ここでエリック登場
 5 Play That Funky Music
 6 Speak Low


03.jpg

いったんホテルへ戻り、「夜の部」ライブに備えます。
今度は「ART CLUB」というライブハウス。これも
御堂筋に面した場所にあり、「昼の部」の会場と
すぐ近くです。

 第1部
 Just In Time
 Break In The Clouds
 Time Track
 ここでエリック登場
 Speak Low
 Punta Del Soul
 When I Fall In Love
 Press Any Key

 第2部
 Catch Phrase
 On Green Dolphin Street
 Forever
 ここでエリック登場
 Play That Funky Music 5 Second Chances
 Act Your Age
 Crazy, but...
 アンコール:Rainy Day


会場には古谷充(ふるやたかし)さん、宮崎隆睦(みや
ざきたかひろ)さんなどプロサックス奏者の姿もありま
した。

長期ツアーや移動の強行スケジュールで、エリックの疲
労はピークに達していますが、ステージではまったくそ
れを感じさせません。今夜もアクロバティックな演奏で
聴衆を魅了する。超一流プロの鬼気を感じます。

グローバルのホーン隊を、リズム隊を、サックス隊を、
エリックの超絶サックスが煽る、煽る、また煽る。息を
もつかせぬ迫力のライブです。

高度な音楽性を駆使して、わかりやすくてハッピーな演
奏世界を作り上げるエリックの職人芸はお見事です。

終了後は打ち上げで親睦を深めます。グローバルとの宴
会は久しぶりです。関西の方々との飲み会は楽しい(お
もろいと言うべきか)。話し上手なんですね。

次は東大阪グリーンノートです。






【EM NEWS】グリーンノート 2010.5.10

1eric.jpg
外柔芯剛がわかりやすいエリックの立ち姿


東大阪のライブハウス「グリーンノート」は、エ
リック・マリエンサル公演をするために建てられ
たと言っても過言ではありません。

近鉄奈良線「八戸ノ里(やえのさと)」にあるこ
の小さなハコは、ふだんは選ばれたアーティスト
だけに知られる隠れ家的な場所。

2light.jpg
オーナーは歯科医でオーディオ研究家の杉岡浩一
氏。自宅一部をライブハウス兼オーディオショッ
プとして改装したものです。高額なオーディオ機
器が所狭しと並び、21万枚のCDを所蔵。

また、オーディオ機器用に杉岡氏が開発した電磁
波制御吸収ボード「フェーズ・スタビライザー・
ボード」は、ミュージシャンやスタジオ関係者の
間で静かな話題を呼んでいる秘密兵器。

空気中で交錯するランダムな電磁波の方向を物理
的に制御しすることで、電気的ノイズを除去し、
人体への電磁波の悪影響を軽減するものだそうで
す。気功的に表現するなら「結界を張る」ような
ものでしょうか。くわしい情報はこちらへ。

杉岡氏は十数年来の熱狂的なエリック・マリエン
サル・ファン。1992年のGRPオールスターズ日本
公演のときも、大阪フェスティバルホールの楽屋
を訪ね、他のスタープレイヤーたちには目もくれ
ずエリックを呼び出したというエピソードがある
そうです。

それ以降、エリックがチック・コリアやリー・リ
トナーのバンドで大阪へ来るたびに家族でライブ
を鑑賞。しかも原則として「全公演」を見る。た
とえば大阪のライブハウスで5日間公演があるなら
その5回を全部見に行くわけです。

そして楽屋にエリックを訪ね、杉岡さんが聞きた
い曲をリクエストします。しかしエリックはバン
ドメンバーとして来日しているわけですから、当
然ながら選曲の権限はありませんし、ましてチッ
ク・コリアのバンドでエリックのアルバム収録曲
を演奏できるはずもありません。

そういう事情はわかっていたけれども、それでも
エリックのオリジナル曲をライブで聞きたい一心
で、楽屋に訪ねてはリクエストを続けてきたそう
です。強烈なファン魂です!

そんな杉岡氏は、大好きなエリックを招いてオリ
ジナル曲を演奏してもらうための場所として、自
宅にライブハウス「グリーンノート」を開設。そ
して2008年11月、ついにエリック・マリエンサル
第1回グリーンノート公演が実現したのでした。

今日はそんな「エリック・マリエンサル@グリー
ンノート」の第2回公演です。共演するのはブラッ
クキャンディという人気フュージョンバンド。関
西はもとより何回も韓国公演を行なうなど、国際
的にも活躍する実力派の楽団です。


 佐伯準一 kb
 大森成彦 b
 高阪照雄 ds
 畑 秀司 g


2008年の第1回ライブでは、エリック本人が指定
したオリジナル曲の譜面を事前に送ってもらい、
それをブラックキャンディが練習しておくという
スタイルでした。

ところが今回は、全曲杉岡氏のリクエストによる
選曲。エリック自身もレコーディングしてから一
度もライブで演奏したことのない曲がたくさん含
まれていました。

ブラックキャンディのメンバーはCDから譜面を起
こして練習。エリック本人も忘れてしまった曲が
多かったので、自分の演奏をコピーして練習した
り記憶したりという「宿題」を、ツアー中の空き
時間にこなしていました。


 第1部
 No Doubt About It
 Just Around the Corner
 Oasis
 Easy Street
 Tight Rope
 Blue Water
 Shake It Loose

 第2部
 Afrique
 Nashville
 Understanding
 The Village
 Harvest Dance
 Spain
 アンコール
 Play That Funky Music
 Straight No Chaser


午後2時から6時まで、みっちり4時間のリハーサル
をこなしてから本番にのぞみます。お客さんは40
名ほどで満席。自宅に楽団を招いて開くサロンコ
ンサートのようで(というかそのまんまですが)
文字通りアットホームな雰囲気です。

至近距離で聞くエリックのサックスは格別の迫力
です。ブラックキャンディのハイレベルな演奏で
エリック・マリエンサル・ワールドが華やかに展
開していきます。ファン垂涎、一夜限りのぜいた
くな時間でした。

3livehouse.jpg
打ち上げは杉岡家でのしゃぶしゃぶパーティー。
上質な肉、野菜、ワインなどに舌鼓を打ちながら
杉岡氏とエリックの「歴史」を確かめ、「未来」
を構想し、「友情」を深めます。

清浄な音響空間、すばらしいお客さんがたくさん
お越しになったライブ、そしてしゃぶしゃぶ。今
回もお世話になりました。

今回の長期ツアーも17公演を終え、残すところあ
と2公演。東京へ戻って、中央大学SCO、学習院大
学SSJOと共演します。






【EM NEWS】OFF 2010.5.11

yabu.jpg
エリックと私は大阪から東京へ移動。
今日はギグのない「OFF」です。

渋谷のホテルへチェックインしてから、
Tokyo TUC田中さんのお招きで神田やぶそばへ。
江戸情緒の面影が残る店内で、エリックも私も
日本文化を堪能させていただきました。
田中さん、素敵な機会をありがとうございました。


<呼吸法と演奏の関係>
エリックのクリニックで呼吸法の話が大きなウエ
イトを占めてきていることは先のレポートでご紹
介しました。

しかし演奏家や指導者の方々から、呼吸と演奏の
関係がわからないという質問をよく頂戴します。
これについてはTMでも話題になったことがあり
ますので、「身体と奏法」という文章に考えをま
とめておきました。

折も折、昨日、某所の吹奏楽連盟から中学生を対
象とした呼吸法指導ができないかという打診をい
ただいたところです。その中でも「呼吸と演奏の
関係」について話してほしいというリクエストが
ありました。

上記の「身体と奏法」で述べたように、両者は特
に結びつける必要はありませんが、結びつきを意
識しながら行なう方法もあります。それらをよい
配分でミックスしながら、いろんな機会にご紹介
していきたいと考えています。お楽しみに。

次は中央大学SCOです。






【EM NEWS】中央大学SCO 2010.5.12

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中央大学スウィング・クリスタル・オーケストラ
と私(黒坂)の出会いは2008年11月。そのときも
私はエリックとツアー中で、某所で某バンドとラ
イブを終えたところでした。

そこにSCOの代表者2名がやって来て、このような
ゲストを自分たちも迎えてみたいという打診をい
ただきました。

そして2009年4月にクレイ・ジェンキンス(tp)、
10月にホウコン・ストーム(g)、11月にはチャッ
ク・フィンドレー(tp)と、3回のゲスト共演を実
現してきました。

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今回は4回目のゲスト共演。SCOと私を結びつけた
キューピッドとも言えるエリック・マリエンサル
を迎えてのライブです。会場は赤坂B flat。


 第1部
 レギュラーバンド
 Opening〜Them There Eyes
 Cut'n Run
 ジュニアバンド
 Strike Up The Band
 On The Sunny Side Of The Street
 Little Brown Jug
 For Lena And Lennie
 In A Mellow Tone

 第2部(すべてエリックと共演)
 Count Bubba
 Second Chances
 Ballad for G and E
 Quintessence
 Baroque Samba
 アンコール
 St.Thomas(ソロ)
 Wind Machine


エリックの演奏が始まる前から、お客さんはかな
りのハイテンション。一種異様な興奮状態をさら
にかき回すようにエリックのソロが冴えます。

アンコールのWind Machineでは、エリック以上の
拍手を集めたドラムの内海由唯(うつみゆい)さ
んと、アルトサックスの吉川祐貴(よしかわゆう
き)くんがソロに加わり、エリックと熱く、激し
く、果てしなく、バトルを繰り広げました。

音楽面でも、演出面でも、運営面でも、着実にレ
ベルアップしているSCO。勢いが増しているように
感じます。今後の活躍が楽しみです。

終演後、赤坂の居酒屋「月あかり」で打ち上げ。
サックスセクションはエリックを囲みます。どう
やら宴会というよりはクリニックに近い会話だっ
たようですけれども。

最後に恒例のビデオ収録タイム。いつものように
エリックはiPhoneを取り出して、ゴードン・グッ
ドウィン向けのビデオメッセージを録ります。


 Hello, Gordon Goodwin
 from Swing Crystla Orchestra !


とみんなで叫び、最後にイエ〜イ!!!と大騒ぎ
するのがルールです(笑)。このツアーでエリッ
クはゴードンの親善大使役を勤め続けていますよ
ね。「ゴードンから宣伝費をもらったら?」と提
案したら、「もちろんさ」とおどけるエリックで
ありました。

次は最終公演。学習院大学との共演です。






【EM NEWS】学習院大学SSJO 2010.5.13

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写真提供:ステラジャム

<音楽の力>
エリック・マリエンサル日本ツアー2010もいよい
よ最終公演。19回目のステージは学習院大学スカ
イサウンズ・ジャズオーケストラとの共演です。
会場は新大久保DAC Space Do。


17:45-18:45
 サックス・クリニック。通訳者は国際基督教大
 学MMS出身の荒井靖也さん。例によって、エリッ
 クは「姿勢」と「呼吸」の話から始めました。
 特に腹部をひとつの「箱」のように考えて、上
 下・左右・前後からの圧力で腹腔にしっかりと
 した支えを作るという腹式呼吸の原理をていね
 いに説明しました。 

 腹腔は四つの筋肉群に取り囲まれており、その
 空間を部屋に例えた場合、

 1.横隔膜は天井
 2.腸腰筋は後ろの壁
 3.腹横筋は横から前の壁
 4.骨盤底筋群は床

 に相当します。

 これらの筋肉群を使って腹腔内圧力を安定させ
 ることが「腹式呼吸」の本質であり、いわゆる
 「息の支え」の正体であるとウォーター&ブレ
 スでは説明しています。この考えがエリックに
 は納得がいったようで、クリニックやレッスン
 でよく引用してくれています。
 【参照】重力奏法

 ほかにもアーティキュレーションやフィンガー
 バスター、インターバルなどの練習法が紹介さ
 れました。

18:45-19:15
 まずはOBバンドと「Second Chances」のリハー
 サルを行ないました。

19:15
 ここで開場。お客さんが入って来ます。

19:30-20:20
 レギュラーバンド公開リハーサル開始。エリッ
 クはリードアルト席について、以下4曲をバンド
 と一緒に練習しました。「Just Friends」「For
 Lena And Lennie」「Corner Pocket」「Strike
 Up The Band」。

20:20-20:30
 休憩

20:30
 エリック・マリエンサル with 学習院大学SSJO
 コンサート開演
 Just Platonic
 For Lena And Lennie
 Second Chances
 Corner Pocket
 Strike Up The Band
 アンコール:Solo


エリックと3週間ずっと同行してきました。ほとん
ど毎日彼の演奏を聞いていますが、毎日感動する
ことができました。

サックス1本でこんなに人を幸せにできるというこ
とに驚いています。エリックとともに過ごす時間
は、共演するバンドを幸せにし、会場のお客さん
を幸せにし、関わるスタッフのすべてを幸せにし
ているのではないかとさえ思います、

明るくて、わかりやすくて、聞くものをハッピー
にする音楽の力。学習院大学との共演もすばらし
いコンサートとなりました。

<みんなちがって、みんないい>
金子みすずの詩に「わたしと小鳥とすずと」があ
ります。


 わたしが両手をひろげても、
 お空はちっともとべないが、
 とべる小鳥はわたしのように、
 地面(じべた)をはやくは走れない。

 わたしがからだをゆすっても、
 きれいな音はでないけど、
 あの鳴るすずはわたしのように
 たくさんのうたは知らないよ。

 すずと、小鳥と、それからわたし、
 みんなちがって、みんないい。


今回のエリック日本ツアー19公演は、それぞれに
くふうをこらしたユニークな演奏会でした。まさ
に、みんなちがって、みんないい。

毎日違うバンドとステージをともにすることは、
エリックにとって大変なことである反面、新鮮な
体験の連続でもあったそうです。

また、中央の学生が明治BSSOやGGTBの演奏を聞き
に行ったり、名古屋RSJOのバンマスが富山へFHJO
を聞きに来られたり、KAMOMEで野口茜トリオを聞
いたお客さんが中央SCOへ足を運ばれたり、新大久
保でSDJOを聞いた方が金沢もっきりやへ行き、広
島でHBJOを聞いた方が御堂筋でGJOを聞いたりな
ど、本企画の「横のつながり」も少しずつ生まれ
ています。

ツアー中配信してきた「EM NEWS」は、ワールド・
プロジェクト・ジャパンのサイトやmixiにおいて
も公開されています。この情報共有が、全国各地
のバンドやお客さんをつなぐ助けになるのであれ
ばたいへん嬉しいことです。

さらに、帝京高校、立教、中央、学習院などは、
9月に河口湖で開催されるビッグバンド・フェス
ティバル「ステラジャム」にも出場予定。その講
評者にはSerendipity18のメンバーが多く含まれて
いますし、課題曲はTom Kubis作曲、野口茜編曲、
さらに野口茜ビッグバンドがゲスト出演します。
ここでも「横のつながり」がさらに強化されそう
です。

エリックとともに訪問した各地で多くの方と出会
い、お世話になりました。共演したバンドやアー
ティストのみなさん、ライブハウスやホールのみ
なさん、舞台さん、音響さん、照明さん、受付、
通訳者、学校関係者、その他のスタッフのみなさ
ん、会場へ足を運んでくださったお客さん、そし
てネット上で感想を綴ってくださったすべての方
に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがと
うございました。

エリックは自宅へ帰ることなく、このまま成田空
港からポーランドへ向かいます。


 ※余談ですが、今回のツアー中に広島の原爆資
  料館を見学したエリックは、今度はポーラン
  ドでアウシュヴィッツ収容所も見に行くそう
  です。歴史の重みを学ぶ旅でもありますね。


ポーランドで3公演を終えて、1ヶ月ぶりにロサン
ゼルスの自宅へ戻りますが、数日後にはまたイタ
リア〜ドイツの旅に出るそうです。超売れっ子の
スタープレイヤーです。

エリック・マリエンサルの活躍と、つぎの来日公
演を期待したいですね。みなさん、本当にありが
とうございました。

(了)






プロフィール

エリック・マリエンサル(as、ss)
Eric Marienthal


1976年に南カリフォルニアの高校を卒業した
エリックは、ボストンのバークリー音楽大学へ
進学。そこで彼は伝説のサキソフォン教授Joe
Violaに師事。卒業までにエリックは、学校から
「最高技量」の評価を得る。

1995年、バークリーから、現代音楽部門で
めざましい成果をあげたOBを表彰する
「Distinguished Alumnus Award」を授与された。

彼はこれまで65カ国以上で演奏し、11枚のソロ
アルバムを発表。数百のCD、映画、テレビショウ、
商業音楽などを演奏している。


エリックは1980年にプロの演奏家として、ニュー
オーリンズの高名なトランペット奏者アル・ハート
の楽団でデビューした。


ロサンゼルスに戻ってから、エリックはチック・
コリア・エレクトリック・バンドのメンバーと
なる。このバンドで6枚のアルバムに参加し、
そのうち2枚はグラミー賞に輝いた。

エリックは、エルトン・ジョン、バーバラ・
ストライザンド、ビリー・ジョエル、スティー
ビー・ワンダー、ディオンヌ・ウォーウィック、
バート・バカラック、デイブ・グルーシン、
リー・リトナー、ゴードン・グッドウィンの
ビッグ・ファット・バンド、パティ・オース
ティン、イエロージャケッツ、BBキング、オリ
ビア・ニュートン・ジョンなどのアーティストと
共演している。

エリックの最新アルバムは「Got You Covered」。
収録曲の6曲は、全米現代ジャズラジオ・チャー
トのトップ10にランキングされ、2曲はナンバー
1に輝いた。

エリックのアルバム「Oasis」は、ビルボード誌
の現代ジャズ・チャートで5位のヒットとなった。
その直後に行なわれたJazziz Magazine誌の読者
アンケートにおいて、デビッド・サンボーン、
フィル・ウッズと並んで、その年の「人気アルト
サックス奏者」の一人に選ばれた。

エリックは、3冊の教則本を執筆している。
「総合ジャズ研究とエクササイズ(Comprehensive
Jazz Studies & Exercises)」、「究極のジャズ
演奏(The Ultimate Jazz Play Along)」、
「エリック・マリエンサルの音楽(The Music Of
Eric Marienthal)」。教則ビデオも3本出ている。
「プレイ・サックス・フロム・ディ・ワン(Play Sax
From Day One)」「モダン・サックス(Modern
Sax)」「トリックス・オヴ・ザ・トレイド
(Tricks Of The Trade)」。


この10年あまり毎年夏にエリックはHigh Hopes
のための募金コンサートを行なっている。
High Hopesは、カリフォルニア州オレンジ郡の
非営利組織で、外傷性頭部損傷を受けた人々の
労働支援をしている。多くのゲスト・アーティ
ストによる無償演奏によって、このチャリティー
は、今日までに50万ドル(約6,000万円)をゆう
に上回る資金を調達している。

2007年春日本公演レポート
2008年秋日本公演レポート

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投稿者 kurosaka : 2010年4月23日