ボビーという至高体験
そのトランペットは、
融通無碍にして変幻自在。
磨き抜かれた技術と
みずみずしい創造性。
哲学的であり野性的でもある
インプロヴィゼーション。
鋭く心をえぐる音色は、
絶望のように深く、
信仰のように美しく、
聴く者をいつしか
ピーク・エクスペリエンス(至高体験)
へと誘う。
【SHEW NEWS】 2006年11月1日〜13日
※リンクの多くはmixiの日記です。
mixi会員でない方はご覧になれませんので、
あしからずご了承ください。
ボビー・シュー来日!
【SHEW NEWS】2006.11.1
ボビーは元気に成田空港へ到着。
この夏、生まれ育った街ニューメキシコ州
アルバカーキーへ住まいを移したボビーは、
前回会ったとき(2002年夏)より
健康そうに見えました。
「アルバカーキーは空気がいいしな」
「新しい家のスタジオには屋内プールが
あるんだ。水流に逆らって泳ぐのは
いいエクササイズだよ」
…ですって。
びっくりしたのはマウスピース。
な、なんとプラスチック製なんです。
http://www.kellymouthpieces.com/trumpet.asp
明日からボビーの日本公演が
始まります。お楽しみに♪
ボビー@国立音楽院
【SHEW NEWS】2006.11.2
東京世田谷三宿にある国立音楽院で、
ボビー・シューのクリニック。
ここで紹介するのは「ひとつのやり方」である。
私に合う方法だが、ここにいるすべてのみな
さんに合わないかもしれない。自分で試して
みて、それが機能するなら続けてください。
うまくいかないなら忘れてもらって構わない。
少しでもみなさんの参考になれば幸いです。
という言葉から始まりました。
1530-1700 トランペット・クリニック。
1.ウォームアップ
- 唇感覚の確認
- フラター(必要なだけ)
- リップ・バズィング(少しだけ)
- マウスピース・バズィング(少しだけ)
- 楽器をつけて確認
2.ヨーガ完全呼吸
3.アパチュア・コントロール
4.マウスピースの選択
5.ハイノートの出し方
- 息の量とスピードの関係
- エア・ピボット(外的/内的)
- 腹部での息の支え
6.創造的な心と創造的な耳で練習を
7.開かれた心で常に学び続けること
1800-1930 ビッグバンド指導。
1.Cherokee
2.Oblivion
3.Mira, Mira
1930-2030 講師陣とジャムセッション。
国立音楽院の学生は、ボビーの論理的な説明、
修行者としての厳しさ、迫力あるハイノート、
流麗なフレージング、そして暖かい指導に
感銘を受けたようす。
ビッグバンド指導の途中からは、
客席にはエリック・ミヤシロ氏とフレッド・
シモンズ氏もお越しになり、いっそうなごやかな
雰囲気です。
明日は名古屋公演です。
天高く龍が舞う
【SHEW NEWS】2006.11.3
中日ドラゴンズのリーグ優勝祝賀パレードが
行なわれたこの日、ボビーと私は名古屋に
降り立ちました。今日はレアサウンズ・ジャズ・
オーケストラとの共演です。
会場はライブシアター SUNNY SIDE。地元の学生
ビッグバンドなどがよく利用するライブハウス
らしく、大きなステージと落ち着いた内装の
素敵なお店です。
第1部
Pick Up The Pieces
(ここからボビーが加わります)
Joy Spring
Darn That Dream
Walking Tiptoe
Blue
It's All Right with Me
第2部
Centerpiece
Blue Daniel
Oblivion
Body And Soul
Cotton Tail
アンコール
Touch of Your Lips
The Preacher
バリトンサックス林さんの軽妙な司会で、満員の
会場はなごやかな雰囲気。レアサウンズは合宿
まで組んで今日のコンサートに備えたそうで、
引き締まったアンサンブルです。
そんなバンドの気合いに応えるように、ボビーも
絶好調。ツアー最初のギグからいきなりギュン
ギュン飛ばしてきます。
次から次へと溢れ出すフレーズ。要所要所で
繰り出す鮮烈なハイノート。トランペット
という楽器の魅力を次から次へと披露して
くれる名演です。
闘病生活6年目に入られたリーダーの西川さんも、
今日はリハからご参加になりました。声にも力が
あり、確実に健康を取り戻されつつあるのを感じ
ました。本番もすべてご覧になり、打ち上げで
ビールを飲めるところまで快復されたのは、
本当に嬉しいことです。
打ち上げでは、私のリクエストに応えて、名古屋
名物手羽先のてんこもりと、初体験「あんかけ
スパ」をご用意くださいました。いやあ、うまい
です。クセになりそう。名古屋へ来る楽しみが
増えました♪
西川レアサウンズ、そして落合ドラゴンズの
ますますのご活躍を祈念しております!
ロングトーンをバラードに
【SHEW NEWS】2006.11.4
<大阪でクリニック>
ボビーと私は、名古屋から新幹線で新大阪へ。
ホテルへチェックインしてひと休みすると、
グローバル・ジャズ・オーケストラのスーパー
リード・トランペット岩田さんの車で出発。
ドルチェ楽器で開催されるトランペット・
クリニックへ向かいました。
14:00-16:00 のクリニック。ピアノ奥村美里さん
とデュオで、冒頭に「星影のステラ」を、最後に
「ビューティフル・ラブ」を演奏しました。
クリニック前半は、「どのように練習するか」と
いうテーマで語りました。漫然と機械的に練習
してはいけないということを、いろんな角度から
表現。
●創造的な心と創造的な耳を育てなさい。
●退屈するような練習はいけない。
●知ってること、できることばかりやらない。
●ひとつのエチュードを覚えたら、
それを発展させる
●ロングトーンのかわりにバラードを
美しく奏でる。
●苦手な調があれば、それと仲良くなる。
●練習には三つの要素がある。
1.メインテナンス(すでにできることの確認)
7〜8分からせいぜい10分までで切り上げる。
2.問題の解決(できないことの克服)
これが練習の中心となる。
3.新しい分野への挑戦
今までやったことのないことに対して心を開き
実験的に取り組んでいく。
●心を開くこと(オープンマインド)は重要。
●これしかないという正解はない。先生の言う
ことを鵜呑みにしないで、かならず自分で考え、
選択する。
●つねに「考える」「くふうする」こと。
●練習とは、人生の設計である。自分がトラン
ペット吹きとしてどのようになりたいかを
思い描き、それをデザインするのが日々の
練習だ。
休憩をはさんで、クリニック後半は基本的な
練習方法についての解説でした。
1.ウォームアップ
- 唇感覚の確認
- フラター(必要なだけ)
- リップ・バズィング(少しだけ)
- マウスピース・バズィング(少しだけ)
- 楽器をつけて確認
2.ヨーガ完全呼吸
3.アパチュア・コントロール
4.マウスピースの選択
5.ハイノートの出し方
- 腹部での息の支え
- エア・ピボット(外的/内的)
2時間におよぶクリニックは、たいへんに内容が
濃く、アカデミックで格調高いものでした。
<ビッグバンドとライブ>
休む間もなくロイヤルホースというライブハウス
へ移動。西日本を代表する社会人ビッグバンド
「グローバル・ジャズ・オーケストラ」とのリハ
にのぞみ、夜のギグにそなえます。
第1セット
It Could Happen to You
Ayo Nene
On Green Dolphine Street
(ここでボビー登場)
Little Willie Pentatonic
Blue Daniel
Oblivion
Cottontail
第2セット
El Cabolrojend
Darn That Dream
Night in Tunisia
(ここでボビー登場)
Magic Box
Walkin' Tiptoe
Terrestris
アンコール:For The Time Being
会場はフルハウス。グローバルもボビーも渾身の
演奏を繰り広げました。USJで働く外国人のお客
さんがたくさん来てくださったこともありますが、
最後にはスタンディング・オベーションまで飛び
出す、すばらしいライブでした。
アンコールに演奏した For The Time Being は、
美しいゴスペル調の曲。これをボビーが切々と
歌い上げ、感動的な一夜をしめくくりました。
熟練の技と若さのパワー
【SHEW NEWS】2006.11.5
大阪から新幹線で品川へ着いたボビーと私は、
そのまま五反田のスタジオへ直行。ビッグバンド・
オブ・ローグスとのリハーサルです。ローグスと
は4年ぶりの再会。みんな笑顔、笑顔です。
2時間弱のリハを終えて、コンサート会場である
大崎ニューシティの「Oパティオ」へ移動。
『The Young Jazz 〜Live in The O-patio〜』
OHSAKI NEW CITY Anniversaryth20th Event
〜跳びたて、ヤングジャズピープル夢を持って〜
■日時 :2006年11月5日(日) 11:00〜16:00
■場所 :大崎ニューシティ Oパティオ
■出演者:
越谷南高校吹奏楽部
綾瀬高校 Pig Band・Jazz Orchestra
帝京高等学校 Swinging Honey Bees
富里高校吹奏学部
与野東中学校 Popocorn Sounds Orchestra
新栄中学校吹奏楽部
妙典中学校
■ゲスト:The Big band of Rogues(東京キュー
バンボーイズ Jr)
Early Mornin‘ Latin Jazz Orchestra
■特別ゲスト:BOBBY SHEW (Trumpet)
■主催 :大崎ニューシティ店舗会
後援 :品川区教育委員会・しながわ観光協会
このイベントのトリをつとめたローグスとボビー
は、以下の曲を演奏しました。
Magic Box
Walkin' Tiptoe
Tanga
For the Time Being
Terrestris
Pra Dizer Adeus
Cottontail
アンコール Tristesse
そして、フィナーレとして、主演した中高生のバ
ンドと合同で「Tristeza」の大合奏。大崎ニュー
シティがサンバのリズムに包まれました。
終演後、軽く打ち上げパーティー。ボビーとロー
グスは26年の付き合いです。ボビーがこのような
スタイルの日本ツアーをするきっかけは、1980年
に行なわれたローグスとの共演が最初でした。
ボビーが始めたこのスタイルは、以下に掲げる
いろんなアーティストに引き継がれ、現在に
いたっています。
ウエイン・バージロン、ブルース・ポールソン、
ジョージ・グラハム、ボブ・シェパード、サル・
クラキオーロ、フスト・アルマリオ、ビル・
ワトラス、アンディ・マーティン、リッチー・
コール、などなど。
ボビーとローグスは、11月11日にも共演します。
東京ディズニーリゾートの「Club IKSPIARI」が
会場です。
Bobby Shew & The Big Band of Rogues
■11月11日(土)
■19:00開場 ■20:00開演
■5,775円(税込み)
■Club IKSPIARI 予約
047-305-5700(10:00〜20:00)
http://www.clubikspiari.com/liveschedule/
ジャズとラテンの楽しい時間をどうぞ♪
【参考】
パツラさんの日記
ロイヤルホース ボビー・シュー
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=261009402&owner_id=1182006
ユキさんの日記
Walking Art ボビー・シュー
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=261098185&owner_id=687391
YASU-Pさんの日記
生シュー初体験の巻
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=261393593&owner_id=842868
ジャイアンさんの日記
晩秋音楽三昧
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=261705685&owner_id=3312700
Trumpetersトピック
Bobby Shew
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=12131814&comment_count=1&comm_id=83172
自分の中にタイムを持て
【SHEW NEWS】2006.11.6
ボビーは銀座ヤマハ「アトリエ」で、
トランペットの選定。ボビー・シュー・
モデルを試奏し11本にサインしました。
これらの楽器は山野楽器さんとヤマハさんで
販売されるそうです。
つづいて、山野楽器7Fのホールで、
立教大学 New Swingin' Herd とのリハーサル。
「Walkin' Tiptoe」「Magic Box」の2曲を
練習しました。立教バンドはクリーンな
サウンドのする清涼なアンサンブル。
ボビーもゴキゲンです。
午後6時からは、ボビーによるトランペット・
クリニック(通訳:石井真さん)。いつもの
ように、四つの基本(ウォームアップ、腹部の
呼気サポート、アパチュア・コントロール、マ
ウスピースの選び方)についての講義です。
クリニックの締めくくりに、立教バンドのトラン
ペット・セクションを指導。
「バンドの中心はベースだ」
「管楽器奏者のひとりひとりが、自分の中に
ベースを感じていなくてはいけない」
「全員がタイムを感じ、それを共有しなければ
いいアンサンブルにはならない」
質疑応答を経て、最後に立教大学 New Swingin'
Herd とボビーの共演。
Walkin' Tiptoe
Magic Box
の2曲を演奏しました。
【参考】
さすらいのぺったーさんの日記
クリニック@喇叭神
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=260553831&owner_id=1432875
YASU-Pさんの日記
生シュー体験2 の巻
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=262375598&owner_id=842868
[日本高周波連盟] トピック
ボビー・シュー
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=12132592&comm_id=177509
オープンマインド
【SHEW NEWS】2006.11.7
<広い心で>
ボビー・シューがクリニックで強調するのは、
「オープンマインド」ということです。
●指導者の意見を鵜呑みにするな。
●教則本にしばられるな。
●他人の方法が自分に合うとは限らない。
●自分自身が自分の最良の教師だ。
●自分の感覚を磨け。
●機械的な練習をするな。音楽を奏でよ。
●たえず新しい情報に心を開け。
●一カ所にとどまるな。実験を繰り返せ。
●学べ。そして、学び続けよ。
アキヨシ・トシコ&ルー・タバキン・ビッグ
バンドのメンバーとしてはじめて来日したとき、
ボビーは和式トイレに驚きました。
「これは、なんだ?
どんな姿勢で使えばいいんだ…」
そして、いろんな「失敗」をやらかしたそう
ですが、それはまた別の話。
和式トイレがしゃがんで(スクワットして)使う
ものだと知ると、ボビーは興味を持ちました。
洋式トイレのような「腰掛け座位」よりも、和式
のほうがスムーズな排便が得られるだろうし、
毎日足腰を鍛えることができる。
そして、ロサンゼルスの自宅に和式トイレを設置
しようと、リトルトーキョーにある配管工事屋さ
んを訪ねたとか。
諸事情(おもに家族の反対)のため、シュー家に
和式トイレを設置することはできなかったよう
ですが、それにしても、ボビーの「オープン
マインド」がこんなことにまで及んでいるのは
驚きです。
<柴崎さくらんぼ>
今日は、柴崎(東京都調布市)のライブハウス
「さくらんぼ」でボビー・シュー・スペシャル・
セッションです。
tp ボビー・シュー
as 大森 明
pf ジョナサン・カッツ
b 納 浩一
ds 小山太郎
という豪華メンバー。
第1セット
There Is No Greater Love
But Not for Me
Recordame
But Beautiful
Well You Needn't
第2セット
On Green Dolphine Street
Up Jumped Spring
I'll Remember April
The Shadow of Your Smile
A Night in Tunisia
アンコール:I Love You
20曲ほどのリストを作っただけでリハはしません。
そのまま本番を迎え、ステージ上で次の曲を決め
るという、まことにジャズらしいセッション。
しかし、ギグが始まれば、熱く、美しく、心地
よい名演。さすがにこれだけのメンバーが揃うと、
なんでもできてしまうんですね。
お客さんも、マスターの岡田さんも、そしてミュー
ジシャン自身も、深い幸福感に包まれた夜でした。
【参考】
mazzuttiさんの日記
BS復習(反省)
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=262993244&owner_id=4729506
Gonさんの日記
目と鼻の先に Bobby Shew が…
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=263282596&owner_id=1048959
教育システム
【SHEW NEWS】2006.11.8
<開放系と閉鎖系>
教育システムを二つに分けて考えてみましょう。
1.オープン教育システム(開放系)
- すべてが正解になりうる
- なにも否定しない
- 論理的整合性を重視
- 学習者が選択し決定する
- 指導者と学習者の関係が相対的
2.クローズド教育システム(閉鎖系)
- 正解はひとつだけ
- 正解以外は厳しく排除する
- 実践的効用を重視
- 指導者が選択し決定する
- 指導者と学習者の関係が絶対的
これは、極端にモデル化して分類したもので、
現実には完全な開放系教育もなければ、
100%の閉鎖系もありえないでしょう。
また、場面に応じて両者を使い分ける指導法も
あると思います。
したがって、世の中にある教育システムは、
開放系と閉鎖系の折衷であり、それらが
複雑に組み合わされたモザイク状の構造を
持っていると考えられます。
<ゴードンとシュー>
「バズィングをめぐる議論」
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=75666046&owner_id=921192
でも書いたことですが、
たとえばクラウド・ゴードン(以下CG)と
ボビー・シュー(以下BS)の指導は
ずいぶん異なって見えます。
11月4日の大阪クリニックでは、
CGの提唱するチェストアップと、
BSの指導するヨーガ完全呼吸との違いを
どのように理解すればよいのかという
質問も出ました。
これらの呼吸法の違い(と共通点)については
拙論 <まま呼息の発見> で詳細に分析して
いますので、こちらも参考にしてください。
http://www.wpjapan.com/mtarchives/000142.html
ただ、CGとBSの共通点および相違点を、
個々の「方法の違い」として観察しても、
混乱は消えないと思います。
この両者が大きく異なっているのは、
「方法」よりも「教育システム」のほう
だからです。
<特殊性と普遍性>
CGの指導は「閉鎖系」的傾向が強く、
BSのクリニックは「開放系」的要素を多く
含んでいると考えられます。
CGの使う言葉は、相互信頼に支えられた
濃密な師弟関係を前提としています。
たとえば「チェストアップ」という
言葉自体を取り上げて、それを推奨したり
あるいは批判してみても、あまり意味はない。
CGの発する言葉は、大きなコンテキスト(文脈)
の中に位置づけてはじめて意味を持つものであり、
言葉尻をとらえて議論してもまったく不毛だと
思われます。
そういう意味で、CGの教育システムは、
個別的、特殊的、臨床的なものだといえます。
したがって、断定的にアドバイスを与えることが
できるし、そのほうが効果が高いわけです。
しかし、多くの人がCGを誤解する原因もまた、
ここにあると考えられます。
一方、BSのクリニックは、普遍的、最大公約数的
であることを意図しています。
ここで紹介するのは「ひとつのやり方」である。
私に合う方法だが、ここにいるすべてのみな
さんに合わないかもしれない。自分で試して
みて、それが機能するなら続けてください。
うまくいかないなら忘れてもらって構わない。
というBSの言葉は、「正解はひとつではない」
という自説の論理性を担保するためのものです。
「これが正解だ」といえば、その論理はすぐに
破綻しますけれども、「なんでもが正解になり
うる」という説は簡単には崩せないからです。
CGとBSを、このような観点から分析すると、
表面的にはまったく違うように見える両者の
指導が、その本質ではかなり似通っていることに
気付きます。
くわしいことは、また機会をあらためて♪
<赤坂B flat>
今日のボビー・シューは、吉田治Silver Liningと
赤坂のライブハウス B flat でライブです。
このメンバーでは、2002年にも日本公演を
やったことがあり、4年ぶりの再結成です。
第1部
Well You Needn't
Whisper Not
Recordame
Body & Soul
Skylark
第2部
Nica's Dream
Beautiful Love
Daahoud
The Shadow of Your Smile
Rhythm-A-Ning
アンコール Just Friends
今宵もボビーは絶好調。
バンドとのインタープレイも冴えわたり、
めくるめくジャズの世界に引き込まれました。
【参考】
sieさんの日記
幸せの3連休〜1日目〜
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=263552134&owner_id=409926
Tawara☆さんの日記
●音楽● ボビー・シューさん来日中
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=263846344&owner_id=1984739
インターネット音楽学習
【SHEW NEWS】2006.11.9
<オンラインでレッスンを>
ボビー・シューのクリニックは「Dash-U」で購入
することができます。
Dash-U
http://www.dash-u.com/dustore/
演奏は「Trumpet Stuff」でも見られます。
Trumpet Stuff
http://www.trumpet-stuff.com/
また、i-Chatのテレビ会議を使って、ボビーから
個人レッスンを受けることもできます。実際に、
ヨーロッパのトランペット奏者が、何人かこの
レッスンを受講しているとか。
http://www.apple.com/jp/macosx/features/ichat/
すごい時代になったものです◎
<BS vs BS>
さて、ボビーは明治大学ビッグサウンズ・ソサ
エティ・オーケストラと Tokyo TUC で共演。
ボビー・シュー(BS)と、ビッグサウンズ(BS)
の一騎打ちというわけです。
まず、1時間ほどトランペット・クリニック。
いつもの「四つの基本」について、若い演奏家
向けの内容を話しました。そして、しめくくりに
こんな話も。
練習には三つの要素がある。
1.自分の知ってることできることの確認
2.自分の抱えている問題の解決
3.新しい分野への挑戦
1.は数分からせいぜい10分程度で終えるべき。
3.も必要だがあまり時間をかけすぎないこと。
もっとも時間をさくのは2.である。自分の問題
を解決すること。それが練習のメインだ。
練習室では、自分の人生を設計しているんだ。
どういう音楽家になりたいか、どういう人間に
なりたいか、それに近づくための神聖な時間が
練習だ。時間を無駄にしてはいけない。
<コンサート>
第1部(明治BSレギュラー)
・Take The A Train
・Angel Eyes
・Fun Time
・Easy Money
・April In Paris
第2部(明治BSジュニア)
第3部(ボビー+明治BS)
・Basie!
(ここでボビーが加わる)
・Magic Box
・Walkin' Tiptoe
・Everything Happens to Me
・Minuano
アンコール
・One O'clock Jump
【参考】
しんぺぃさんの日記
ボビー・シュー・ライブ
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=264707514&owner_id=1521130
就職活動を控えた明治大学のみなさんへ。
「面接に通る五か条」
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=79784346&owner_id=921192
意見と事実の違い
【SHEW NEWS】2006.11.10
<DAC Space Do でクリニック>
新大久保にある管楽器専門店DACの地下にある
Space Do というスタジオで、ボビーはクリニック
を行ないました。通訳者は芳岡倫子さん。
会場には100名を越す方々が参加。おそらく
ほとんどがトランペット奏者だと思われます。
ボビーは、いつもの「四つの基本」を中心に話を
進めます。
1.唇の感覚(ウォームアップの4段階)
2.腹部でのエアのサポート(ヨーガ完全呼吸)
3.アパチュア・コントロール(アゴは友達)
4.マウスピースの選択(リード/ジャズ)
「意見」と「事実」を明確に区別せよ、
とボビーはいいます。
指導者の言うことや、教則本に書いてあることは
「意見」である場合が多い。もちろん合理的な
意見であることもあるが、そうでない場合もある。
そんなとき必要なのは「事実」は何かということ
である。それ以前に、「意見」と「事実」を混同
しないことである。
トランペットの奏法研究を進める過程で、
ボビーは解剖学、生理学、物理学、心理学などの
書籍をひもとき、「事実」はどうなっているのか
をひとつずつ学んでいきました。
特定の師匠につかなかったため、回り道もした
けれども、自分で選択し決定するという習慣を
身に付けることができた。その結果、つねに
「事実」に立ち返る姿勢を確立したのです。
<ミニライブの部>
クリニックにつづいて、トリオをバックに
ライブ演奏を披露しました。
●メンバー
板垣光弘(いたがきみつひろ)pf
滝幸一郎(たきこういちろう)ds
生沼邦夫(おいぬまくにお)b
●曲目
Beautiful Love
But Not for Me
Recordame
Up Jumped Spring
In A Sentimental Mood
Rhythm-A-Ning
アンコール On Green Dolphin Street
一管のカルテットなので、ボビーの音色、
テクニック、歌心を思う存分堪能できました。
トリオとのかけひきも楽しく、ジャズの喜びに
満ちたギグでした。
近所の「でり坊食堂」でアーティストおよび
DACのスタッフと打上げ。お疲れさまでした!
【参考】
mazzuttiさんの日記
Bobby Shew @ DAC
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=265351675&owner_id=4729506
大崎(11.5)とさくらんぼ(11.7)の写真
by Yas Ichiura
http://web.mac.com/yasichiura/iWeb/BobbyShew2006/Welcome.html
TAKEさんの日記
BOBBY SHEW
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=265897465&owner_id=1406992
琴線にふれる
【SHEW NEWS】2006.11.11
<インプレスとタッチ>
英語で「be impressed」というと、なにかに
感動するとか感銘を受けるという意味になります。
ボビーは若い頃、「Stievie's Wonders」
「Ever Green」などの曲で、強烈なハイノートを
披露し、聴衆を「impressed」に導きました。
しかし、最近のボビーは、もうそれをめざして
いない。今は、「be touched」のほうを
重視しているそうです。
impressed と touched のニュアンスの違いを
説明するのは難しいですけれども、後者のほうが
より微妙で繊細で暖かい感じでしょうか。
日本語でいうなら「心の琴線にふれる」という
イメージだと思います。
ハイノートでびっくりさせるのではなくて、
アドリブをじっくり聞いていただきたい。
「インプレス」から「タッチ」へ、
「びっくり」から「じっくり」へ、
というわけですね。
その言葉の通り、今回のツアーで聞くボビーの
ソロは、スリリングでありながらやさしく、
テクニカルなのに叙情的。高いレベルで
バランスのとれた見事なジャズです。
<クラブ・イクスピアリ>
さて、今日は、舞浜の東京ディズニー・リゾート
にあるライブハウス「クラブ・イクスピアリ」で、
ビッグバンド・オブ・ローグスと本ツアー二回目
の共演です。
第1部
ローグスのみの演奏(3曲)
Magic Box
For The Time Being
Cubano Chant
Cottontail
第2部
ローグスのみの演奏(3曲)
Tanga
Walkin' Tiptoe
Blue
Terrestris
(アンコール)Tristesse
ぐっとオシャレなライブハウスで、
大人の時間が流れる、素敵なギグでした。
ローグスのみなさんも、会場へお越しになった
お客さまも、ボビーの音色が心に「タッチ」した
のではないでしょうか☆
【参考】
Billyさんの日記
ボビー・シュー氏♪
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=266208372&owner_id=1371043
間とアドリブ
【SHEW NEWS】2006.11.12
<スペースを作れ>
ジャズの即興演奏(インプロヴィゼーション)を
するとき、ソロをフレーズで埋めつくしては
いけない。会話と同じで、ずっとしゃべりっぱなし
では聞き手は耳をふさぎたくなる。うまく
スペースを作りなさい。水墨画の余白のように…、
とボビーはいいます。
日本語でいえば「間(ま)」ですね。
心理学の本で読んだことがありますけれども、
人間は相手の発した言葉よりも、
相手から言わされた自分の言葉に
強く影響されるとか。
たとえば「過ぎたるは、なんとかってやつだね」
と言われると、私たちは頭の中で「及ばざるが
ごとし」という言葉を補ってしまいます。
このほうが、「過ぎたるは及ばざるがごとしだね」
と全文を言われるよりも、相手に同調しやすい。
なぜなら、それは相手が言ったものではなくて、
みずから発した言葉だからだそうです。
ジャズのアドリブにも似たことが言えそうです。
すべてを表現してしまうのではなく、リスナーに
想像させる部分(つまり間)を残す。それに
よって、聴衆を創造に参加させるわけですね。
間とは、ただのスペースではなく、聞き手の中
から何かを引き出す重要な要素なのでしょう。
<富山公演クロスランドおやべ>
さて、今日のボビーです。羽田から空路富山へ。
北陸を代表する社会人ビッグバンド「フィールド
ハラー・ジャズ・オーケストラ」との共演です。
会場は、クロスランドおやべの素晴らしいコンサ
ートホール。
ボビーとフィールドハラーの共演は4回目(うち
1回はアメリカで)。はじめて共演した1995年は、
大和デパート前の野外ステージでした。風の強い
日で、譜面が吹き飛ばされたよなあ、などと昔話
にも花が咲きます。
第1部
How High The Moon
Imagine, What A Change
(ここでボビー登場)
Magic Box
For The Time Being
Terrestris
第2部
Salt Peanuts
(ここでボビー登場)
Little Willie Pentatonic
Body ANd Soul
Round Midnight
Cottontail
アンコール:Autumn Leaves
旧交を暖めつつ、音楽的にはつねに前進を続ける。
ボビーの暖かい人柄とクリエイティビティを
感じた北陸公演でした。
【参考】
まらむつさんの日記
ハートのこもった音
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=266839484&owner_id=25969
東海のホビーシゥーさんの日記
BOB,BOBBYSHEW,ERIC宮城
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=266512972&owner_id=2771517
mazzuttiさんの日記
プラスチック製マウスピース
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=266507863&owner_id=4729506
血のついた譜面
【SHEW NEWS】2006.11.13
<ピューとシュー>
ボビー・シュー日本ツアー2006の最終公演は、
エリック・ミヤシロ・ビッグバンドとの共演
@六本木STB139。サプライズゲストにジム・
ピュー(tb)も登場し、超豪華なライブです。
第1部
EMバンドの演奏
(ゲスト:ジム・ピュー)
第2部
Times Square
(ここでボビー登場)
Magic Box
Walkin' Tiptoe
Terrestris
For The Time Being
Oblivion
Cottontail(ジム・ピューも参加)
アンコール:Cruisin' for A Bluesin'
EMバンドの俊敏かつ強靭なサウンドにのせて、
ボビーのトランペットが冴えわたります。
アンコールでは、ボビー・シューと
エリック・ミヤシロの「師弟対決」も実現し、
会場は興奮の絶頂へ。
<唇から血しぶき>
公演終了後、六本木の和民でEMバンドの
メンバーと打上げ。12日間におよんだ
ボビーの日本公演も今宵が最後です。
エリックさんから聞いた話ですが、
バディ・リッチ楽団「Westside Story」の
リードトランペット譜面には、血の跡があるとか。
それは、ボビー・シューが演奏中に唇を切って
飛び散った血。
エリックさんは、バディ・リッチに入団して
まっさきに、この「血のついた譜面」を
確認したそうです。
そんな彼もまた、すぐに唇がつぶれて音が
出せなくなった。途方に暮れてボビーに電話。
アドバイスをもらって救われたことがきっかけで、
今日にいたる師弟関係が築かれたとのこと。
それにしても、バディ・リッチ楽団の過酷で
壮絶な現場のようすは、エピソードを聞くだけで
強く胸を打ちます。
ボビーは、今回のツアーをたいへん喜んでくれ
ました。たくさんのビッグバンドとの共演、
クリニック、そして3回のコンボ演奏のすべてが
楽しい時間だったと。
遠くない将来、また来日したいとのこと。
次の機会を楽しみにしたいと思います。
みなさん、ありがとうございました☆
【参考】
YASU-Pさんの日記
生シュー体験3の巻
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=268076448&owner_id=842868
ワッショイTrpさんの日記
EM Band with Bobby Shew ライブ
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=268040195&owner_id=816818
tommyさんの日記
He is THE Music
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=268019619&owner_id=1920927
Billyさんの日記
今日も運良く行く事が出来ました♪
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=268013170&owner_id=1371043
ピアニスト新澤健一郎
飛び入り!EMB@スイートベイジルSTB139
http://pinzawa.jugem.jp/?eid=49
東海のホビーシゥーさんの日記
ボビー・EM最高ダァーッ(涙)
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=267811664&owner_id=2771517
席亭さんの日記
生音
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=267522445&owner_id=929650
東海のホビーシゥーさんの日記
最高のライブでした☆
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=268214065&owner_id=2771517
ジャイアンさんの日記
初スイートベイジル
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=268971310&owner_id=3312700
■スケジュール2006年
11月02日(木)
国立音楽院でクリニック。
11月03日(金)
名古屋でレアサウンズJOと共演。
11月04日(土)
大阪でグローバルJOと共演。
11月05日(日)
JR山手線・大崎駅前O−Patioで
ビッグバンド・オブ・ローグスと共演#1。
11月06日(月)
銀座山野楽器でクリニック&ライブ。
ニュー・スウィンギン・ハード
と共演。
11月07日(火)
柴崎さくらんぼ公演。
大森明as、ジョナサン・カッツpf、
納浩一b、小山太郎ds
11月08日(水)
赤坂B flat公演。
吉田治ts、松山修ds、佐藤慎一b、井上祐一p
11月09日(木)
神田Tokyo TUCで
明大ビッグサウンズSOと共演。
11月10日(金)
新大久保DAC Space Do でクリニック&ライブ。
板垣光弘p、滝幸一郎ds、生沼邦夫b
11月11日(土)
東京ディズニーリゾートCLUB IKSPIARIで
ビッグバンド・オブ・ローグス共演#2。
11月12日(日)
富山クロスランドおやべで
フィールド・ハラーJOと共演。
11月13日(月)
STB139でエリックミヤシロ・ビッグバンド共演。
ボビー・シューのCD
■プロフィール
ボビー・シュー(Bobby Shew)
トランペット奏者。ニューメキシコ州生まれ。
8歳でギター、10歳でトランペットを始める。
15歳のときにジャズクラブで演奏するバンド
を結成。トミー・ドーシー、ウディ・ハーマ
ン、デラ・リース、バディ・リッチのバンド
に参加。1972年、ロサンゼルスに居を移し、
アート・ペッパー、オリバー・ネルソン、ベ
ニー・グッドマン、メイナード・ファーガソ
ン、トシコ・タバキンなど、超一流のビッグ
バンドに在籍。自身のアルバム「Outstanding
in His Field」はグラミー賞にノミネート、
「Heavy Company」はジャズアルバム最優秀
賞を獲得した。近年は多忙な演奏活動や個人
指導に加えて、世界各地の高校や大学におけ
るクリニックやマスタークラスでの指導に多
くの時間をさいている。ボビーはその類いま
れな見識、感受性、そして創造力を駆使して、
次世代のジャズ演奏家と指導者に刺激を与え
続けている。国際トランペットギルド理事。
ヤマハのエンドース契約アーティスト。