ワールド・プロジェクト・ジャパン  〜 合奏音楽のための国際音楽プロダクション 〜


ハッピーが踊り出す!

リッチー・コール日本公演
2005.11.2〜14

リッチー・コール(アルトサックス)  

 リッチー・コールが帰ってきた。
 スリリングで躍動的、おちゃめで叙情的。
 ハッピーがふりそそぐライブ・レポート♪

2005.11.2 〜来日〜

<成田空港へ到着>
フィラデルフィアからシカゴ経由で到着した
リッチー・コールは、長旅の疲れも見せず、
気さくに、陽気に登場しました。

「あなたが探しているのは、私かな?
 ヘイ! リッチー・コールだよ!」

前回一緒に日本を回ったのが1996年ですから
実に9年ぶりのツアーです。

リッチー・コールは、 フィル・ウッズとと
もに、チャーリー・パーカーの後継者と評さ
れる正統派モダン・ジャズ・アルトサックス
奏者。
バークリー音楽大学からバディ・リッチのバ
ンドへ。その後「アルト・マッドネス」とい
う自らのコンセプトを極めるために、全米で
武者修行。美しい旋律で、リリカルに、優雅
に、イメージを喚起させる独特の演奏を磨い
た。破裂するような演奏法に加え、即興的な
ユーモアで世界中の観衆から人気を集める。

 リッチー・コール最新CD「Back on Top」
 は、下記サイトでオンライン販売していま
 す。ディスクでもダウンロードでも購入で
 きます。 
 http://richiecole.com/


<今回のスケジュール>
今回の来日で、リッチーは以下の各地におい
て公演を行ないます(公演の詳細は主催者へ
お問い合わせください)。お楽しみに♪

11月3日(木) 
 静岡グランシップでスイングハード・ジャ
 ズ・オーケストラと共演。
 http://www.granship.or.jp/
 http://homepage.mac.com/sazuka65/swing/
 開場18:00 開演18:30
 問い合わせ:スイングハード事務局(音楽
 舎)川田054-265-2930

11月4日(金) 
 東京・国立音楽院でクリニック。
 http://www.kma.co.jp/links/

11月5日(土) 
 富山Jazz Factory SCATでフィールドハラ
 ー・ジャズ・オーケストラと共演。
 http://homepage2.nifty.com/scat/
 開場16:30 開演17:00
 問い合わせ:Jazz Factory SCAT 岡本
 0766-36-8108

11月6日(日) 
 名古屋ボトムラインでレアサウンズ・ジャ
 ズ・オーケストラと共演。
 http://bottomline.co.jp/
 http://www.raresounds.org/
 開場18:00 開演19:00
 問い合わせ:レアサウンズ事務局 井上
 090-3953-5723

11月7日(月) 
 東京・国際基督教大学でクリニック。
 http://mms-icu.hp.infoseek.co.jp/
 問い合わせ:Modern Music Society 手島
 090-1737-2064

11月8日(火) 
【JJazz.Netライブ収録決定!】
 インターネット放送局「ジェイ・ジャズ・
 ネット」が下記公演をライブ収録して放送
 します。
 http://www.jjazz.net/

 東京・柴崎さくらんぼ公演。
 http://www.jck.net/sakuranbo/
 ♪ジョナサン・カッツp
 ♪安カ川大樹b
 ♪大坂昌彦ds
 第1セット19:30 第2セット21:00
 問い合わせ:さくらんぼ 岡田
 0424-88-0626

11月9日(水) 
 東京・新大久保 管楽器専門店ダクでクリ
 ニック。
 http://www.kkdac.co.jp/cgi-bin/top/top.cgi
 開場18:00 開始18:30
 問い合わせ:ダク 田代・笠井
 03-3361-2211 リッチー・コール・クリ
 ニック係

11月10日(木)
 東京・赤坂B Flatで Mike Price Modern
 Jazz Orchestra と共演。メンバーは以下
 の通り。
 ☆マイク・プライス(tp & conductor)
 ♪林文夫(as)♪大山日出男(as, clar)
 ♪川村裕司(ts)♪宮本大路(bs)
 ♪ジェ—ムス・マホ—ン(ts)
 ♪数原晋(tp)♪佐久間勲(tp)♪高橋
 一光(tp)♪田中哲也(tp)
 ♪中路英明(tb)♪ パット・ハロラン
 (tb)♪堂本雅樹(tb)♪稲垣貴庸 (d)
 ♪佐瀬正(b)♪ジョナサン・カッツ(p)
 http://www.bflat.jp/
 開場18:30 開演19:30
 問い合わせ:B Flat 03-5563-2563 

11月11日(金)
(移動日)

11月12日(土)
 大阪ドルチェ楽器でクリニック。
 http://www.dolce.co.jp/
 時刻14:00-16:00
 問い合せ先:ドルチェ楽器
 06-6377-1117

 大阪ロイヤルホースでグローバル・ジャズ
 オーケストラと共演。
 http://www.royal-horse.jp/
 http://www.eonet.ne.jp/~global-jazz-orch/
 第1セット19:30-20:30 
 第2セット21:30-22:30
 問い合わせ:ロイヤルホース 小林
 06-6312-8958

11月13日(日)
 東京・新橋サムデイでヤマハ・ビッグ・
 ウェーブ・オーケストラと共演。
 http://someday.net/index2.html
 http://www.geocities.jp/yamaha_bigwave/
 第1セット18:30 第2セット19:45
 問い合わせ:YAMAHA BIG WAVE
       ORCHESTRA 原
 ヤマハ藤沢センター 0466-27-1251
 ヤマハ藤沢店    0466-27-0231

11月14日(月)
 東京・神田Tokyo TUCで明治大学ビッグサ
 ウンズ・ソサェティ・オーケストラと共
 演。
 http://www.tokyouniform.com/tokyotuc/
 http://www.geocities.jp/bssojp/
 開場17:30 開演18:00
 問い合わせ:明治Big Sounds Society
       Orch.鈴木
 090-6139-5263



2005.11.3 〜静岡 スイング・ハードJO〜

<世界一の宴会バンド>
リッチー・コール「BACK ON TOP」ツアーの
皮切りは、静岡の素敵なホール「グランシッ
プ」の公演です。共演は地元の社会人ビッグ
バンド「スイング・ハード・ジャズ・オーケ
ストラ」。

スイング・ハードは今年で創立40周年を迎え
る老舗バンドです。シニアバンドと呼ぶには
若々しく、しかしじっくり熟成した大人のサ
ウンドを響かせる。ジャズを愛し、音楽を心
から楽しむナイスミドルの集まりです。

かれこれ10年以上お付き合いさせていただい
ていますが、以前、私はこのスイング・ハー
ドを「世界一の宴会バンド」と評したことが
あります。演奏がパーティーのように楽しい
ことに加え、打ち上げが異様な盛り上がりを
見せるからです。

リッチー・コールもまた強烈に明るいキャラ
クターで、超絶技巧の「お祭りサックス」。
宴会とお祭りの競演で、お互いを高め合う展
開となりました。


<リッチーが流れ出す>
第一部
 Nica's Dream(スイング・ハードのみ)
 Blue Skies(ボーカル:マリテス)
 Greatest Love of All(ボーカル:マリテス)
 Love Is Here to Stay(ボーカル:マリテス)
 ここでリッチー登場!
 Green Bay Rd.
 Heads Up
 Polka Dots And Moonbeams
 Remember Your Day Off

第二部
 Tell Me A Bedtime tory(スイング・ハードのみ)
 Night & Day(ボーカル:マリテス)
 Easy to Remember(ボーカル:マリテス)
 For Once in My Life(ボーカル:マリテス)
 ここでリッチー登場!
 Palombo
 煙りが目にしみる(サックスソロ)
 A Night in Siberia
 Trenton Style
 Harold's House of Jazz
 (アンコール)
 Lady Is A Tramp(マリテス&リッチー)

スイング・ハードの明るい演奏、マリテスの
迫力あるセクシーな歌声。そしてリッチーの
陽気なサックスの音色が美しく流れ出す。

800席近い客席はほぼ満員。リッチーのテク
ニックとサービス精神に、会場はどんどんヒ
ートアップしていきます。楽しい! まさに
予想どおりの展開となりました。


<打ち上げは魚彩で>
さあ、世界一の宴会バンドが主催する、いよ
いよ本物の「宴会」タイムです。会場は静岡
駅前の居酒屋「魚彩(うおさい)」。

楽しく、明るく、充実した40周年記念リサイ
タルを、いつもの「休符なしオリジナル三三
七拍子」でシメました。



2005.11.4 〜東京・国立音楽院〜

<国立音楽院>
世田谷区三宿にある国立音楽院。いろんなア
ーティストを招いては共演や講習を受ける充
実したプログラムを提供しておられます。


今回はリッチー・コールを招いてのクリニッ
ク。学生たちよりも、1980年代のリッチーの
活躍を知る先生方のほうが興奮気味のようで
す。国立で教鞭をとるアルト奏者の高橋厚雄
先生もリッチーの大ファンだそうです。

15:30〜17:30はサックス・クリニック。リッ
チーが持ち込んだ4管(tp、tb、as、
ts)用
の譜面を、ソプラノ、アルト、テナー、バリ
トンに割り振って演奏です。

アーティキュレーションについてアドバイス
を与えたりもしますが、基本的にはリッチー
と一緒にセッションをする中からジャズのノ
リをつかませるような内容でした。

「あなたのストーリーを語りなさい」。リッ
チーの演奏に対するアドバイスです。「多く
の人が演奏したため、今では陳腐になってし
まった曲を使って、私がどのようにストーリ
ーを語るかお見せしましょう」。

そう言ってリッチーは「煙りが目にしみる」
「Misty」の2曲を、リッチー流に歌い上げま
した。


<ビッグバンド指導>
国立音楽院のビッグバンドはトロンボーン奏
者の郡恭一郎先生が指導しておられます。今
日は「Trenton Style」「Polka Dots And
Moonbeams」「Cherokee」の3曲を演奏。

ここでもリッチーはアーティキュレーション
について若干のアドバイスを与えました。そ
してリードアルトの席に座って一緒に演奏し
たり、Plka Dots や Cherokee のソロをとっ
たり、実践中心のメニューです。

そしていよいよジャム・セッションの時間。
国立音楽院講師の、酒井先生(b)、岩谷先
生(g)、則岡先生(p)、パウロ先生(ds)
郡先生(tb)、高橋先生(as)にリッチー
が加わって演奏です。

白熱したライブに観衆(国立の学生)も盛り
上がってきます。予定を大幅に越えて歓喜の
セッションとなりました。チャーリー・パー
カーたちが活躍した頃のライブハウスは、た
ぶんこんな雰囲気だったのではないかと感じ
るような、暖かく楽しいライブでした。

国立の先生方だけでなく、学生たちもリッチ
ーに魅了された一夜。帰ってきたリッチー・
コールの日本ツアーは、次々に新たなファン
を生み出しているようです。



2005.11.5 〜富山フィールド・ハラーJO〜

<Jazz Factory SCAT>
羽田から富山空港へ着くと空気が違います。
東京と比べると空気が濃い。ちょっと呼吸す
るだけで、気管から肺がなめらかです。

今日のリッチーは、個人の自宅がライブハウ
スという、ぜいたくな空間でのライブ。富山
県高岡市郊外にある築100年の古民家を改装
して作られた「SCAT」は、フィールド・ハラ
ージャズ・オーケストラのリーダー岡本勝之
さんの自邸なんです。

岡本さんは、新聞社勤務、ベース奏者、ビッ
グバンド・リーダー、そしてライブハウスの
オーナーと、さまざまな顔を持つ、多羅尾判
内(わからない方ごめんなさい)のような人
です。


<手作りコンサート>
古民家ギグですので、収容人員は50名程度。
玄関で靴を脱いで、応接間へ通されてライブ
を聞く感じです。ライブハウスというより、
ファミリー・パーティーに近い雰囲気かも。

今夜の共演バンドは、北陸を代表する社会人
ビッグバンド「フィールド・ハラー・ジャズ
オーケストラ」。数々のゲスト・アーティス
トと共演を重ねてきた名門バンドです。

 余談ですが…
 富士通コンコ−ド・ジャズで現在来日して
 いる「ヘンリ−・マンシ−ニ・トリビュ−
 ト・オ−ケストラ」には、ボブ・シェパー
 ド(ts)、アンディ・マーティン(tb)の
 両名がメンバーにいるようです。ボブから
 電話をもらいました。この両名ともフィー
 ルド・ハラーは共演したことがあります。


第一部
How High the Monn (Field Hollerのみ)
Billie's Bounce
Green Bay Rd.
Polka Dots And Moonbeams
Night in Siberia
Palombo
Caravan

第二部
A Night in Tunisia
Heads Up
Harold's House of Jazz
Georgia on My Mind
Trenton Style
Remember Your Day Off
(アンコール)
Autumn Leaves


このアットホームな空間で聞くリッチーはま
た格別です。暖かく豊かな音色、華麗なフレ
ーズ、ユーモアあふれるトーク。大きなステ
ージで見るリッチーとは、また違った味わい
で、気持ちがぐんぐん高揚します。


<打ち上げはお寿司とバーベキュー>
近所のレストランで打ち上げ。北陸の新鮮な
魚とおいしいお米を使ったにぎり寿司をいた
だき、そのあと焼き肉パーティーです。

フィールド・ハラーのメンバーおよび今日の
スタッフ全員が、みんな一言ずつコメントを
述べました。「まさか共演できる日が来ると
は思わなかった」「ジャズ名鑑の中でしか見
れない人だと思っていた」「歴史上の人物だ
と思っていたのに意外と若いので驚いた」
「どんな練習しているんですか」などなど。

リッチーも、みんなのコメントに感激。いつ
かニューヨークで再会しよう、いや、また富
山で共演したいねと、笑顔と歓声に包まれる
打ち上げとなりました。



2005.11.6 〜名古屋レア・サウンズJO〜

<名古屋へ>
高岡から特急しらさぎ6号に乗り名古屋へ。
雨の名古屋駅まで迎えに出てくださったのは
レア・サウンズ・ジャズ・オーケストラのア
ルトサックス奏者、酒井志穂さん。

ホテルへチェックインし、リハーサルへ。今
日の会場はボトムラインというかっこいいラ
イブハウスです。

リハの後、いったんホテルへ戻って休み、本
番に備えます、


<創立30周年記念>
今日のコンサートは、レア・サウンズの創立
30周年記念コンサートの第二弾として開催さ
れました。

 ちなみに第一段はゴールデンウィークに芸
 術創造センターでアンディ・マーティンtb
 を迎えて行ないました。

第一部(レア・サウンズのみ)
In The Mood
Darn That Dream
Make Way
This Is The Moment
April in Paris
Swingin' for The Fences

第二部(リッチーを迎えて)
Harold's House of Jazz
Heads Up
Green Bay Rd.
Polka Dots And Moonbeams
Palombo
Remember Your Day Off
(アンコール)
Trenton Style
The Preacher

チケットは前売りで300枚が売れ、ボトムラ
インはフルハウス状態。満席で熱気あふれる
会場にリッチーのなめらかなサックスが流れ
出します。

超アップテンポの Harold's House of Jazz
で第二部の幕開けです。吹きまくる、吹きま
くる、吹きまくる。これでもか、これでもか
さあ、どうだ、どうだ、と言わんばかりに、
リッチーのアルトが暴れ回り、一曲目から会
場は歓喜の拍手に包まれました。


<不死鳥の飛翔>
リッチーのユーモラスでおチャメなしぐさが
笑いを誘います。しかしひとたびバラードを
奏でれば純朴な愛の世界が広がり、口を開い
て音楽について語ればまじめな芸術談義の雰
囲気が漂う。

道化師であり、語り部であり、そして超絶技
巧のサックス奏者でもある。野性と知性が同
居するチャーミングなキャラクター。それが
リッチー・コールなのです。

この9年間、日本ではリッチーの名前を目に
する機会が少なかったと思います。ジャズの
表舞台から姿を消したかのようでした。しか
し今回の日本ツアーは、リッチーの完全復活
を証明するものになりそうです。

不死鳥はふたたび大きく翼を広げ、飛翔せん
としています。21世紀の「バード」として。


<打ち上げはジャングルで>
…と、「バード」の話で格調高くキメたとこ
ろですが、打ち上げは名古屋名物手羽先パー
ティーでした(共食いね)。

Harold's からアンコールの Preacher まで
一気に駆け抜けた勢いをそのままに、打ち上
げも大いに盛り上がりました。レア・サウン
ズ名物、奇声飛び交うジャングル宴会です。

最後は一本じめならぬ「イッピョンじめ」。
パンと一発手を叩く代わりに、ピョンと飛び
上がるというユニークなしめです。よ〜お、
ピョン! おつかれさまでした。



2005.11.7 〜東京・国際基督教大学〜

<ICUへ>
名古屋から新幹線で品川へ着いてみると、架
線トラブルで山手線が全面ストップ。駅を出
てタクシーで渋谷へ向かい、ホテルへチェッ
クイン。

夕方、三鷹にある国際基督教大学のキャンパ
スへ向かいます。学生ビッグバンド界でユニ
ークな活動を展開するモダン・ミュージック
ソサェティ(MMS)との共演です。

最初はサックス・クリニック。MMSが練習し
ている Its All Right with Me のサックス
アンサンブルをみてもらいました。

リッチーは、「ワオ! なんてよく練習して
あるんだ。これ以上、何を言えばいいんだ?
ぼくには教えることなんか、何もないよ」と
ホメちぎります。

そこで、リードアルトとソロでリッチーにも
加わってもらうことにしました。当然といえ
ば当然ですが、サックス・セクションのサウ
ンドもノリもガラリと変わります。リッチー
が豊かな音色で歌いまくると、音楽が生き生
きと踊り出す感じです。

クリニックは、ブルース大会となり、やがて
ビッグバンド全体のリハーサルへと入ってい
きました。


<コンサート>
キャンパス内にある通称「D館」のホールを
会場として、今日はICU学生を対象とした無
料ジャズコンサートです。出演はMMS、ゲス
トはもちろんリッチー・コール。

開場時間の19:00から続々とお客さんがいら
して、開演の19:30には満席状態。とっても
いい雰囲気です。

Back in Town(MMSのみ)
Chicago
Cute
Quintessence
It's All Right with Me
Harold's House of Jazz
(アンコール)
Billie's Bounce

リッチーのサックスが、ミディアムで歌い、
バラードでは泣き、ファストでは吠える。
そしていつもそこに流れているのはハッピー
な空気。テクニックにしびれるというより、
楽しさについつい心が踊りだしてしまう感じ
です。


<ひげで打ち上げ>
リッチーの強烈なキャラクターと技量に圧倒
されたMMSの学生たちは、居酒屋「ひげ」へ
リッチーを招いて打ち上げです。

帰りのタクシーで、リッチーはこんなことを
言ってました。「学生たちは真剣に音楽に取
り組んでいる。音楽に対する敬意がある。そ
れはとても大事なことだ。どんな音を出すか
よりも、音楽に向き合う姿勢が問われるんだ
よ」と。

リッチーにとって音楽は、人生そのものなん
ですね。



2005.11.8 〜東京・さくらんぼ〜

<柴崎さくらんぼ>
京王線柴崎の駅前にある小さなライブハウス
「さくらんぼ」。ここで数々の名演が繰り広
げられてきました。今宵もまた、ジャズ史に
残るような演奏が聞けそうです。

メンバーがすごい。

 ♪ジョナサン・カッツ piano
 ♪安カ川大樹 bass
 ♪大坂昌彦 drums

ここにリッチー・コールが加わるのですから
何も起きないわけがない。そういう期待から
でしょうか、小さな店内は満席で、演奏開始
前から熱気が渦巻いています。


<企画も即興で>
昨夜、国際基督教大学からの帰りのタクシー
で、高橋達也氏(ts)に電話しました。東京
ユニオンと共演して依頼、リッチーは高橋さ
んと親交があります。「明日、さくらんぼで
演奏するんですけど、ご都合いかがですか」
と尋ねると「大丈夫」とのこと。

リッチーは、アルトマドネス・オーケストラ
という4管編成(as、ts、tp、tb)の
アレン
ジに最近情熱を注いでいます。今回の来日で
も自作の4管アレンジ曲をいくつか持参して
います。

リッチーの親友マイク・プライス(tp)がさ
くらんぼを訪ねるのはわかっていたので、あ
とトロンボーンさえいれば4管編成バンドが
できる。うまい具合に、さくらんぼのマスタ
ー岡田澄雄氏はトロンボーン奏者なのです。

タクシーの中で話はまとまり、にわか仕立て
のトーキョー・アルトマドネス・オーケスト
ラが結成されることになりました。演奏する
曲は「さくらんぼブルース」と命名。

いやあ、ジャズだなあ。


<アルトマドネスな夜>
現在日本に滞在中の男性ボーカリストJoe
Lee Wilson氏が、今朝リッチーに電話をくれ
て、彼もギグに加わることとなりました。

第一部
 On A Misty Night
 Peggy's Blue Slylight
 Volale !
 Now I Have Everything
 Toy
 Dorthy's Den
 Jazz Ain't Nothin' But Soul
  (ゲスト:Joe Lee Wilson)
 As Time Goes by

第二部
 The Days of Wine And Roses
 Minority
 Stardust
 Sunday Kind of Love
 Sakuranbo Blues(4管)
 Take The A Train(4管)
 I Can't Get Started
 Smile
 (アンコール)
 Richie's Special Blues

今夜のライブはもう「神がかり」としか言え
ないほどの熱演。トリオとの息もぴったりで
リッチーの魅力が存分に味わえました。

ゲスト・ボーカルのJoe Lee Wilsonが熱唱、
高橋達也、岡田澄雄、マイク・プライスを加
えた4管バンドもショウに花を添え、さくら
んぼは、まさに「アルトマドネスな」空間と
なりました。

このライブの模様は、インターネット放送局
「ジェイ・ジャズ・ネット」で12月1日から
放送されます。くわしくはこちらへ。
http://www.jjazz.net/



2005.11.9 〜東京・ダク〜

<管楽器専門店ダク>
新大久保にある管楽器専門店ダク主催で、今
日はリッチー・コール公開ジャズ・クリニッ
クです。受講者は約40名ほど、モニターとし
て以下の3名が演奏して、リッチーの指導を
受けました(敬称略)。

1.三木洋平as 
  受講曲:Tenor Madness
      My One And Only Love
2.間宮慎太郎as 
  受講曲:Now's The Time
      Candy
3.堀内 綾ts 
  受講曲:I've Got Rhythm
      Summertime

戸井春夫(pf)、西島由起子(bs)の両氏、
そしてハイハットとスネアドラムも伴奏に加
わっていただきました(ドラムの方のお名前
がわかりません、ごめんなさい)。通訳は、
サックス奏者の伴田裕氏です。

まずは受講生の演奏を聞き、次にリッチーが
模範を示し、そして一緒に演奏する、という
スタイルで進行しました。

音色を美しくしなさい、音程を気にしすぎな
いようにしなさい、ストーリーを語るような
ソロを心がけなさい、などをアドバイス。三
人の受講者とリッチーとでセッションもやり
ました。

最後に、リッチーが持参したアルトマドネス
オーケストラ(4管)の譜面を使って模範演
奏を披露。ソプラノサックス柳沼寛、バリト
ンサックス加塩人嗣、テナーサックス堀内綾
にリッチーが加わっての合奏です。

18:30〜21:00の2時間半。クリニックのよう
な、なかばライブのような、リッチーのアル
トがたっぷり聞けて楽しい講習会でした。


<突然の訃報>
明晩は赤坂のB Flatでリッチーがマイク・プ
ライス・ビッグバンドと共演する予定です。
そのB Flatのマスター杉谷さんが、今朝、急
に亡くなられたという知らせが入りました。
きのうまでお元気だったそうです。

突然の衝撃的な知らせに戸惑いを隠せません
が、いずれにしてもライブは予定どおり行な
われるとのこと。くわしい事情はこれからわ
かると思います。私たちは、ベストを尽くし
てよい公演にすることしかできません。



2005.11.10 〜東京・B Flat〜

<B Flat>
昨日の通信でお伝えしたように、昨朝、マス
ターの杉谷さんが急逝されました。

 お通夜 11月12日(土)18:00-19:00
 告別式 11月13日(日)10:00-11:00
 会場はいずれも「メモワールホール」
 市営地下鉄「吉野町駅」より徒歩3分
 神奈川県横浜市南区高砂町2-21
 TEL:045-251-5631 FAX:045-261-9424

杉谷さんのお気に入りの曲Rhapsody in Blue
を、マイク・プライス・ビッグバンドは追悼
演奏することにしました。

 ☆マイク・プライス(tp & conductor)
 ♪林文夫(as)♪大山日出男(as, clar)
 ♪川村裕司(ts)♪宮本大路(bs)
 ♪ジェ—ムス・マホ—ン(ts)
 ♪数原晋(tp)♪佐久間勲(tp)
 ♪高橋一光(tp)♪田中哲也(tp)
 ♪中路英明(tb)♪ パット・ハロラン
 (tb)♪堂本雅樹(tb)♪稲垣貴庸 (d)
 ♪佐瀬正(b)♪ジョナサン・カッツ(p)

第一部
Such Sweet Thunder
Goodbye Yesterday
(ここでリッチー登場)
Green Bay Road
Head Up
Palombo
Polka Dots And Moonbeams
Rotton Kids
Harold's House of Jazz

第二部
Love for Sale
Rhapsody in Blue
Second Line
(ここでリッチー登場)  
A Night in Siberia
Alfie
Splanky (ゲスト:Joe Lee Wilson)
Somewhere
Trenton Style
Remember Your Day Off
(アンコール)
Keep The Customer Satisfied

レナード・バーンスタイン作曲のウエストサ
イド・ストーリーから「Somewhere」を、杉
谷さんに捧げる曲としてリッチーが独奏。つ
づいて「Trenton Style」で賑やかに盛り上
げ、ジャズ風のお別れです。杉谷さん、おつ
かれさまでした。


<旧友が出会う>
マイク・プライスとリッチーは、バークリー
音楽大学、そしてバディ・リッチのバンドで
一緒だった旧友どうし。今回のリッチーの来
日は、そもそもマイクの発案なのです。

マイク・プライス・ビッグバンドは、演奏レ
ベルが高いのはいうまでもなく、演奏曲目が
とてもユニークです。デューク・エリントン
やバディ・リッチの珍しい譜面もあり、たい
へん興味深い。

このスーパーバンドにリッチーが加われば、
鬼に金棒というか、火に油というか、いいギ
グにならないはずがありません。ビッグバン
ドのライブとしては、音楽的にもエンタテイ
メントとしても、かなり面白い内容でした。



2005.11.11 〜移動日〜

<天才と旅する喜び>
今日は大阪への移動日。新幹線で一路西をめ
ざします。

リッチーは、存命する数少ない天才型のアー
ティストだと思います。楽器のうまい人はた
くさんいるのですが、キャラクターとか人生
そのものがジャズというタイプは少ない。

リッチーが天才だなあと感じるのは、彼が音
楽以外のことはまったく無頓着なところにあ
ります。演奏中は驚異的な集中力とあふれん
ばかりのサービス精神で光り輝くけれども、
日常生活はまったく逆の人格ともいえます。
音楽が「動」なら日常は「静」。

乗り物で移動したり、そのために時間を調整
したり、食事したり、お金を払ったりという
「ふつうの生活」が、おそらくリッチーには
無味乾燥なものと感じられるのでしょう。

豪快で細かいことは気にしない性格に見えま
すが、リッチーは決して粗野な人ではありま
せん。むしろ繊細で、優しくて、上品で、頭
の回転が速い、気配りの人です。

一方、クレジットカードを鞄のどこに入れた
かわからなくなったり、急に姿を消してどこ
かを歩き回っていたり、道に迷ったり、感情
のコントロールが乱れたりと、子供のような
行動が多く見られます。これも天才によくあ
ることですよね。

このようなタイプのアーティストが見られな
くなった昨今、リッチーのような天才と身近
に接しながら、一緒に旅できる喜びをかみし
めています。


<グローバルとリハーサル>
夜は、大阪の社会人ビッグバンド「グローバ
ル・ジャズ・オーケストラ」とリハーサルで
グローバルはセミプロ楽団ですから、進行の
チェックを軽くするだけで簡単にリハを終わ
りました。このへんの見きわめもまた、天才
のセンスによるのでしょう。



2005.11.12 〜大阪・グローバルJO〜

<ドルチェ楽器でクリニック>
14:00〜16:00は梅田のドルチェ楽器でサキソ
フォン・クリニック。まずはご挨拶がわりに
リッチーがStella by Starlightの演奏を披
露。伴奏はグローバルJOの奥村美里(p)、
大阪音大から権上康志(ds)、水上洋(ds)
のトリオです。

続いてモニタとして、やはり大阪音大から足
立藍子(as)と横山未希(as)の両名が加わ
ります。ピアノは矢藤亜沙巳に交代です。曲
は、足立さんがStraight No Chaser、横山さ
んがThere Will Never Be Another Youを演
奏しました。

いずれも途中からリッチーが加わってソロを
とり、セッションのような形で模範演奏を披
露しました。

クリニック後半は、リッチーがアレンジした
4管の曲から「Dreamy」を演奏。会場の聴講
者からテナー、バリトンを募り、ドルチェ楽
器講師のトランペット奏者にもご参加いただ
きました。

最後に質疑応答。豊かな音色の出し方、マウ
スピースの選び方、High harmonics(フラジ
オ)の出し方、音程の取り方、タイム感の養
い方、クラシック奏者がジャズを始めるにあ
たっての注意点、緊張の克服法などの質問が
ありました。

リッチーの答えは、特別な「秘密」を伝授す
るようなものではなく、いずれもオーソドッ
クスな内容。いわく、チャーリー・パーカー
の音楽をたくさん聞きなさい、手足ではなく
身体でリズムを感じなさい、曲のメロディと
コード進行に慣れ親しみなさい、場数を踏ん
で慣れなさい、腹から音を出しなさい、音程
には最大限の注意を払いなさい、などなど。


<ロイヤルホースでライブ>
夜はロイヤルホースでグローバルJOと共演で
す。クリニック受講者の足立さん、横山さん
も飛び入りで一曲 Another Youを吹くことに
なりました。

第一部
Ain't Nothin' Nu
El Cabolrojend
April in Paris
A Night in Tunisia
(ここでリッチーが加わる)
Green Bay Road
Polka Dots And Moonbeams
There Will Never Be Another You
Just Friends
Palombo

第二部
It Could Happen to You
Oye Como Va
Who Can I Turn to
Suite Sandrine Part 1
(ここでリッチーが加わる)
Heads Up
Trenton Style
Remember Your Day Off
(アンコール)
Harold's House of Jazz

ゆうべのリハで初めて譜面を見たメンバーも
多く、さらに今日のサウンドチェックで初見
というメンバーもいました。リッチーとの合
わせも、要点をチェックしただけ。しかしそ
こはさすがに実力派バンドのグローバル。見
事なアンサンブルにリッチーもご満悦。白熱
したギグとなりました。



2005.11.13 〜東京・ビッグ・ウェーブ〜

<東京へ戻る>
今日は新橋のライブハウス「SOMEDAY」で、
ビッグ・ウェーブ・オーケストラと共演。こ
のバンドはヤマハの呼びかけで1996年に結成
されました。神奈川県藤沢を拠点に活動する
社会人ビッグバンドです。

2002年、ディレクターに渡辺てつ氏(sax)
を迎え、湘南ジャズ・フェスティバル、横浜
ジャズ・プロムナードなどに出演。地元藤沢
駅南口のイルミネーション点灯式や、横浜元
町クリフサイドでの自主ライブなど、精力的
に活動しています。

今日はスペシャルゲストにリッチーを迎え、
東京を舞台に演奏です。中路英明氏も特別出
演でトロンボーン・セクションに加わってく
ださいました。

ホームグラウンド藤沢を離れ、いわばアウェ
イでのライブとなるわけですが、お客さんは
超々々満員。身動きがとれないほどで、会場
には熱気がみなぎっています。この集客力に
は、ただただ脱帽。


<対話を楽しむライブ>
第一部(ビッグ・ウェーブのみ)
By My Side
Home Again
Sing Sing Sing
The Girl From Ipanema
Moonlight Serenade
Mira Mira
たゆたいながらも流れてゆく
North Beach Break Down
Stardust
Don't Mean A Thing

第二部
Heads Up
Green Bay Road
Palombo
Harold's House of Jazz
I Got Da Zzz…(ビッグ・ウェーブのみ)
Polka Dots And Moonbeems
Remember Your Day Off
アンコール:Trenton Style

超過密状態の店内にビッグ・ウェーブの勢い
のあるサウンドとリッチーの美しい音色が響
き渡ります。「リッチーが加わることでバン
ドのサウンドががらりと変わった」とビッグ
ウェーブの関係者もおっしゃるように、圧倒
的な存在感でバンドをぐいぐい引っ張る。

ジャズです。これがきっとジャズなんです。
状況に対する機敏なレスポンス。聴衆の心へ
直接語りかけるような演奏。先にクリニック
でリッチーが言った「ソロとはストーリーを
語ることだ」という台詞そのままに、まるで
対話を楽しむようなギグでした。



2005.11.14 〜東京・明治大学BSSO〜

<明治大学ビッグ・サウンズ>
ビッグ・サウンズ・ソサェティ・オーケスト
ラ(以下BSSO)は、学生ビッグバンド界を代
表する名門バンド。コンテストの連勝記録、
輩出したプロミュージシャンの活躍、ゲスト
との共演など、華々しい活動を続けるジャズ
オーケストラです。

リッチー・コール日本公演2005の最後を飾る
ライブはBSSOとの共演。会場は神田のライブ
ハウスTokyo TUCです。

まずは軽く1時間ほどサックス・セクション
のためのクリニック・タイムを設けました。
サックス・ソリのリード・アルトを吹いたり
その曲でソロをとったり、ブルースのソロま
わしをしたりと、軽くリッチー・サウンドを
披露。そのあと質疑応答です。

サブトーンの出し方、豊かで厚く暖かい音の
出し方、たくさん息を入れるアンブシュア、
初心者が心がけること、小さい音をきれいに
出すコツ、フラジオの出し方、タンギングの
仕方、ビート感の出し方など、いろんな質問
に対して、実演をしながらていねいに答えて
いきます。

リッチーにとっては「自然に」できているこ
とを、言葉で説明するのは難しいようで、や
はり実際に楽器でやってみせるのが一番説得
力がありました。


<Tokyo TUCの夜>
TUCのマスター田中紳介さんは、ライオネル
ハンプトン・オーケストラでバリトン・サッ
クスを吹いておられました。リッチーもまた
同じバンドに所属していたことがあり、いわ
ば「OB同士」の関係。ライオネルはバンドメ
ンバーのことを「Gates」と呼んでいたらし
く、田中さんとリッチーもお互い「Gates」
と呼び合って談笑しておられました。
 gates は西部劇で出てくるバーの入口にあ
 るスイング・ドアのこと。バンドメンバー
 がswingするように、こう呼んだようです。


第一部(BSSOレギュラー)
High Maintenance
Warm Breeze
I Wish You Will Be Happy
Like The Rose

第二部(BSSOジュニア)
Basie, Straight Ahead
Satin Doll
How High The Moon

第三部(BSSO+リッチー)
Strike Up The Band(BSSOのみ)
Head Up
Harold's House of Jazz
Polka Dots And Moonbeams
Basie !

アンコール:
Nostalgia in Times Square


BSSOのタイトなアンサンブルにリッチーの自
由自在なインプロビゼーションが乗る。鮮烈
な存在感を示しながら、バンドをそして聴衆
を包み込んでいくリッチーのサウンドは見事
です。BSSOはいつしかリッチー・コール&ア
ルトマドネス・オーケストラになっていまし
た。

終演後、TUCで軽く打ち上げをしました。今
日のライブの打ち上げであり、日本ツアーの
フェアウェル・パーティーでもあります。

今回も各地のバンド、舞台、音響、照明など
会場関係者、ライブハウス、放送局や新聞社
の方々、そして会場へ足をお運びいただいた
お客さま、みなさんのおかげで素晴らしいツ
アーとなりました。

リッチーも「今回のツアーではたくさんのイ
ンスピレーションを得た。今、創作意欲が自
分の中で沸き上がっている」と言ってます。
私たち日本人はリッチーから刺激をたくさん
もらい、そして彼の天才に刺激を与えること
もできたようです。

ありがとうございました♪

投稿者 kurosaka : 2005年11月20日