ワールド・プロジェクト・ジャパン  〜 合奏音楽のための国際教育プロダクション 〜


トランペットより高く飛び サックスよりも速く舞え

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ビル・ワトラス日本公演
2004.11.2〜14

写真



【インデクス】
2004.11.2 来日
2004.11.3 大阪ドルチェ楽器/ロイヤルホース
2004.11.4 宮崎シークレット・ギグ
2004.11.6 昭和音楽大学
2004.11.7 アクタス/赤坂B flat
2004.11.8 管楽器専門店ダク
2004.11.9 国立音楽院
2004.11.9 さくらんぼ
2004.11.11 調布くすのきホール
2004.11.12 ルネこだいら
2004.11.13 富山県高岡市SCAT
2004.11.14 神奈川県湘南台文化センター
ビル・ワトラス来日公演全行程






         2004.11.2 〜来日〜

<関西空港へ到着>
ロサンゼルスから到着したビル・ワトラスは、さっそう
と空港ロビーへ現われました。大きく「Bach」のロゴが
入ったデニムジャケット。彼らしいファッションです。

前回一緒に日本を回ったのが1997年ですから、7年ぶりの
ツアー。日本中のトロンボーン・マニアが待ちに待った
名人の来日です。今回もたっぷり楽しんでいただけそう
ですよ。

実は、ワトラスには「引退説」があって、今回が最後の
来日ではないかと噂になっていました。さっそく本人に
尋ねてみると、「引退? いい冗談だな。俺は毎年だって
日本ツアーをやりたいよ」とニヤリ。


<グローバルとリハーサル>
関空を出たのが午後7時、梅田のホテルへチェックインし
て8時。休む間もなく9時から、スタジオ「TO DO」でグロ
ーバル・ジャズ・オーケストラとのリハーサルです。明
日共演する曲を合わせました。

  ビル・ワトラスの使用楽器は New York Bach LT16M
(51年前の楽器だそうです)、マウスピースは Bach
  11C です。

リハーサル終了後、好物のうなぎを食べに行こうと誘っ
たのですが、さすがに疲れているので休みたいとのこと。
ホテルへ戻ってゆっくりしてもらいました。

  * グローバルの有志(?)は、天神市場の「天五屋」
   へうなぎを食べに行きました。夜中に店が開いて、
   品がなくなり次第閉店というユニークな店です。
   しかも安くておいしい。店構えも古き良き大阪で、
   とても落ち着きます。

さあ、明日からいよいよ新しい「伝説」の始まりです。







  2004.11.3 〜大阪ドルチェ楽器/ロイヤルホース〜

<ドルチェ楽器でクリニック>
改装して素敵なミニホールに生まれ変わった「ドルチェ
楽器アーティストサロン」を会場に、関西トロンボーン
協会後援によるビル・ワトラスのクリニックが開催され
ました。予約だけで40名以上の盛況。わざわざ徳島から
お越しくださった方もおられました(サニーサイドの朝
日さ〜ん、遠路はるばるありがとうございました)。

まずはグローバル・ジャズ・オーケストラのピアニスト
松浦さんとビルのデュオで一曲、「Lush Life」を披露
しました。ビリー・ストレイホーンが17歳のときに書い
た悲しい歌詞、そして哀愁に満ちたメロディ。その気持
ちを理解することが、演奏するにあたって第一に大切な
ことだ。ビルのクリニックは意外な言葉で始まりました。

高い音を吹いたり速いフレーズを演奏するよりも「歌」
を表現することにこそ、まず取り組まなくてはならない。
そして、そのために必要な暖かくてロマンティックな音
色を用意するのだ、とビルはいいます。

多くのトロンボーン奏者は、自分がこれから出そうとし
ている音のイメージが正確につかめていない。実際に音
を出す前に、正しくその音を心に描くようにしなさいと
のことでした。

話は徐々にテクニカルな内容に移行し、循環呼吸、スラ
イド・ビブラート、唇ビブラート、Doodleタンギング、
そしてマルタイフォニックス(multiphonics)という特
殊な奏法の、実演と説明を行ないました。

松浦さんとのデュオでもう一曲「Beautiful Love」を演
奏し、あっという間に1時間半のクリニックは終了しまし
た。迫力ある、内容の濃い講義だったと思います。


<サルあらわる!>
ドルチェ楽器でのクリニックが終わったところへ、サル・
クラキオーロ(tp)が訪ねて来てくれました。

 サルについてはこちら。
 http://www.wpjapan.com/mtarchives/000118.html

サルもたまたまクレイトン・ハミルトン・オーケストラ
のメンバーとして来日中で、今日が大阪公演。そこで本
番前のわずかな時間を使って、わざわざ来てくれたので
す。ありがとう、猿...おっと、サル!

サルもワトラスとは仕事をしたことがあるらしく、二人
で少し話していました。


<寿司ディナーでエネルギー補給>
休む間もなくロイヤルホースへ移動し、グローバルとサ
ウンドチェック。そして、ビルの大好きなお寿司を食べ
に行きました。ゆうべのうなぎをパスしているので、待
ちに待った和食です。

ロイヤルホース向かいの「縄寿司」で、はまち、まぐろ、
うに、中トロ、大トロに舌鼓。そしてゆうべの分を取り
かえすべく、うなぎのにぎりを4カン注文し大満足。今夜
のギグに備えてエネルギーを補充しました。


<ロイヤルホース公演>
1st Set
(グローバルのみ)
 1.A Love Letter 枡田咲子オリジナル
 2.A Little Waltz 枡田咲子オリジナル
 3.Walk in the Woods 枡田咲子オリジナル
 4.Ayo Nene 森下浩平オリジナル
 5.The Wind from Monterey 森下浩平オリジナル
(ここでワトラスが加わる)
 6.Space Available
 7.Never Let Me Go
 8.Just Friends
 9.Village Dance

2nd Set
(グローバルのみ)
 1.Ain't Nothin' Nu
 2.Alone Together
 3.Oye Como Va
 4.El Cabolrojend
(ここでワトラスが加わる)
 5.Spring Can Really Hang You Up the Most
 6.Who Can I Turn to ?
 7.The Last Great Georgia Extravaganza
 8.(アンコール)Sentimental Over You

グローバルのメンバー枡田咲子と森下浩平のオリジナル
曲は、いずれも秀作揃い。枡田作品は童話のように楽し
くて神秘的。森下作品は大自然を感じさせる雄大かつ繊
細な美しさです。

そして真打ちビル・ワトラス。高度なテクニックとハー
トフルな音色を、これでもかこれでもかと繰り出し、名
人芸を堪能させてくれます。

ロイヤルホースは超満員。予約なしで来られたお客様に
は席がなく、しばらく立ち見状態が続きました。グロー
バルとビルの共演は、音楽的にもエンタテイメント的に
もたっぷり楽しめる素晴らしいショウでした。






    2004.11.4 〜宮崎シークレット・ギグ〜

<宮崎の花嫁>
ワトラスと私は快晴の伊丹空港を飛び立ち、宮崎へ。ビ
ルのお嬢さん(メロディさんといいます)は日本人と結
婚し、現在、宮崎県串間市に暮らしておられます。

宮崎空港へは、メロディさん、ご主人の井手博文さん、
そして4人のお子さん(ビルから見れば孫)たちが迎え
に出てくださいました。偶然なんですが、今日は博文さ
んとメロディさんの結婚記念日でもあるんですね。おめ
でとうございます!

宮崎公演の主催者である槇野幸広さんもお見えになって
いたので、2台の車に分乗。お昼ごはんを食べに向かいま
した。もちろんうなぎ屋です。主催の槇野さんは、もと
宮崎県警音楽隊でトロンボーンを吹いておられました。
現在は音楽隊にはおられませんので、「ただのおまわり
さん」だそうです。


<シークレット・ギグ>
今日の演奏会場は、宮崎市の目抜き通り(橘通り)にあ
る「SECRET GIG」というライブハウス。出演者と曲目は
以下の通りです。

tb ビル・ワトラス、郡恭一郎、堂本雅樹、向後克則
p YOSHIKO、b 竹下信行、ds 服部央

<1st SET> ワトラス+トリオ
1.Memories of You
2.Just Friends
3.No More Blues
4.My Buddy (ワトラスのヴォーカル曲)
5.Desafinado
6.When Your Lover Has Gone
(ここから郡氏が加わり2トロンボーンになります)
7.Hey There
8.If You Were the Only Girl
9.Blue Monk

<2nd SET> 4トロンボーン+トリオ
10.Alone Together
11.Easy to Love
12.Day In Day Out
13.Elegy of Hyugakobiki
アンコール:Ya Gotta Try、Bluesette

会場は満員。店内には熱気が立ちこめ、ワトラスの妙技
にうっとりです。トリオは地元の方々ですが、郡、堂本、
向後の3氏(いずれもプロ奏者)は、わざわざ東京からこ
の公演のためにかけつけてくださいました。


<打ち上げは和楽路>
大阪からの移動、長時間のリハーサル、15曲におよぶ熱
演を経て、時刻は深夜におよびました。長い一日のしめ
くくりに、出演者、スタッフ、そして井手さん一家も交
えた打ち上げです。

和楽路(わらじ)という素敵なお店。槇野さんはお父さ
んの代からお付き合いがあるそうです。おかげで入手が
困難な幻の焼酎「赤霧島」を味わうこともできました。
お酒も料理も美味。ごちそうさまでした!






     2004.11.6 〜昭和音楽大学〜

<都井岬は快晴なり>
11月5日は一日お休み。せっかく宮崎へ来たので、ビルは
井手さん一家と一緒に過ごすことになりました。私(黒
坂)もお招きいただいたので、ありがたくお付き合いさ
せていただきました。

宮崎市内から井手家のある串間市までは車で2時間。博文
さん、メロディさん、長女えりかちゃん(小6)、次女あ
やかちゃん(小5)、三女みかちゃん(小3)、長男ゆう
すけくん(2歳)の6人と一緒に、ワイワイしゃべりなが
ら、日南海岸のドライブです。

井手家でお寿司や刺身をたらふくご馳走になり、都井岬
の絶景を愛でました。ビルは娘夫婦や孫とのんびり休日
を過ごし、夜の便で羽田へ向かいました。


<昭和音楽大学>
一夜明けて、今日は厚木にある昭和音楽大学の学園祭に
出演です。キャンパス内に設けられた野外特設ステージ
で、学生たちと共演しました。昭和で教鞭をとる郡恭一
郎氏(tb)や加藤真弘(tb)など、プロ奏者も一緒です。

  ところで、機会があったらビルのネクタイをよーく
  観察してください。そこにはたくさんのバイアグラ
  錠剤の絵が描いてあります(文字だけのバージョン
  もあり)。なかなかの洒落っけではありませんか♪

第一部 ビル・ワトラス+昭和音大ビッグバンド
 1.Hot Monkey Love
 2.It'll Count If It Goes
 3.Village Dance
 4.(コンボで)Body & Soul

第二部 ビル・ワトラス+トロンボーン10本
 5.A Night in Tunisia
 6.Skin And Bones
 7.Satin Doll
 8.Straight No Chaser
 9.Bone Appetit
(アンコールにもう一度 Straight No Chaser)

ここでもビルの神業にみんな釘付けです。音域はどこま
でも高く、フレーズは軽やかに、特殊なテクニックも使
いこなし、なにより心の底から沸き上がる歌心。どんな
ときでも決して手を抜かない。ビルはいつもギリギリの
ところで勝負しています。昭和音大の学生にも、その熱
意は通じたようです。






   2004.11.7 〜 アクタス/赤坂 B Flat 〜

<午前中は楽器選定>
渋谷にある野中貿易直営店アクタスで、バック社トロン
ボーンの選定を行ないました。ここでワトラスは、スラ
イド手入れの「秘法」を、お店の方に伝授しました。

まず、棒にタオルを巻いたものでスライド管の外管を掃
除します。ここで取り出したのはスライドクリームやオ
イルではなく、「ポンズのコールドクリーム」。スキン
ケア化粧品です。今までいろんなものを試してみたけど、
このクリームと水を使うのが一番いいのだそうです。

クリームを中管の先端部分に塗り、外管を上下逆にして
片方ずつ通します。そして... ここから先はクリニック
で直接指導してもらいましょうか♪

 【Bill Watrous クリニックのご案内】
  11月8日(月) DACスペースDo (東京)
  会場・主催(管楽器専門店ダク):03-3361-2211
  http://www.perinet.co.jp/users/dac/

  11月9日(火) 国立音楽院
  会場・主催(国立音楽院):03-5431-8085
  http://www.kma.co.jp/

アクタスでワトラスは7本の楽器を選定しました。楽器を
購入される予定の方は、道玄坂ブラス・プロまでお急ぎ
お問い合わせください(03-5458-2512)。
http://www.nonaka.com/actus/brasspro/index.html


<YAMAHA Big Wave Orchestra>
ビッグ・ウェーブ・オーケストラは、ヤマハの呼びかけ
で1996年に結成されました。神奈川県藤沢を拠点に活動
する社会人ビッグバンドです。

2002年、ディレクターに渡辺てつ氏(sax)を迎え、湘
南ジャズ・フェスティバル、横浜ジャズ・プロムナード
などに出演。地元藤沢駅南口のイルミネーション点灯式
や、横浜元町クリフサイドでの自主ライブなど、精力的
に活動しています。

今日はスペシャルゲストにビル・ワトラスを迎え、東京・
赤坂のライブハウス B Flat で演奏です。ホームグラウ
ンド藤沢を離れ、いわばアウェイでのライブとなるわけ
ですが、お客さんは満員。見事な集客力です。

第1セット(Big Wave のみ)
1.In The Mood
2.Just in Time
3.American Patrol
4.The Girl from Ipanema
5.Soul Bossanova
6.I Remember Clifford
7.Quintessence
8.Home Again
9.Moon River
10.Switch in Time

第2セット(13.14.以外ビル・ワトラス参加)
11.Space Available
12.Hot Monkey Love
13.たゆたいながらも流れてゆく
14.Inner Vision
15.Who Can I Turn to
16.Mama Llama Samba
17.April in Paris
アンコール Good News

一言でまとめるなら「熱い」ライブでした。バンドメン
バーが真剣。そしてこの演奏会を心から楽しんでいるの
が伝わってきます。その「炎」に、ワトラスが油を注ぎ
ます。両手で天を突き「ス・バ・ラ・シ・イ!!!」と
叫び、流麗なソロで聴衆を魅了し、楽しい楽しい楽しい
音楽空間を作りあげます。

難曲「お母さんリャマのサンバ(Mama Llama Samba)」
で盛り上げ、「April in Paris」では "One more time"
から "One more once"で興奮はピークへ。一気にアンコ
ール「Good News」に進み、バンドもお客さんも完全燃焼
しました。

終演後は、そのまま B Flat で軽く打ち上げ、赤坂の夜の
余韻にひたりました。お疲れさまでした。






    2004.11.8 〜 管楽器専門店ダク 〜

<まずは楽器選定>
新大久保にある管楽器専門店ダクで、今日はマーチン社、
K&H社のトロンボーンを選定しました。ここでワトラスは
12本の楽器に「推薦」を与えました。

マーチン社製品については問題なくOKですが、K&H社のも
のはビル・ワトラスの求めるジャズ・サウンドとは異な
るようです。楽器としては優れているけれども、音色が、
本人の言によれば「ヨーロピアンな」感じがするとか。
これは単なる好みの問題であって、この種のサウンドを
求めるプレイヤーもいるはずだとのことでした。

楽器購入予定の方は、ダクまでお問い合わせください。
03-3361-2211
http://www.perinet.co.jp/users/dac/


<クリニック+ギグ>
ダクの演奏会場「スペースDO」で、前半90分がトロンボ
ーン・クリニック(通訳:マサ池田)、後半90分がトリ
オとのセッションです(上村計一郎ds 店網邦雄b 若宮
巧三p)。

お客様は100名以上。ほぼ全員がクリニックとギグの「通
しチケット」でご予約とのこと。つまり、100名以上のト
ロンボーン奏者にお越しいただいたわけです。

クリニックで強調されたのは、「トロンボーンを吹くこ
とよりも音楽を奏でることが大切だ。音楽にどうやって
入り込むか。トロンボーンはそこへ入るための乗り物に
すぎない」という、ワトラスの哲学でした。

ソロを演奏するとき、自分の好きな歌手、それはエラ・
フィッツジェラルドだったりサラ・ヴォーンであったり、
彼女たちならどのようにこの曲を歌うだろうかとイメー
ジします。そして、それを楽器でなぞってみるのです。

ビブラート、循環呼吸、Doodleタンギング、そして重音
(multiphonics)などの説明をしながら、会場からの質
疑応答も行ないました。そして、ポンズ・コールドクリ
ームを使ったスライドのお手入れ方法でクリニックをし
めくくりました。

セッションでは以下の曲を演奏しました。

1.Namely You
2.In The Wee Small Hours
3.How Insensitive
4.88 Basie Street
5.My Buddy(ワトラスはヴォーカルで)
6.Once I Loved
7.Straight No Chaser
8.My Funny Valentine(ワトラスはヴォーカルで)
9.Lester Leaps in

終演予定時刻を大幅にこえる熱演。トリオも聴衆も燃焼
しつくしたライブでした。






      2004.11.9 〜 国立音楽院 〜

<国立音楽院>
うちの事務所(ワールド・プロジェクト・ジャパン)は、
世田谷区三宿にあります。国立音楽院は目と鼻の先。う
ちから三宿のバス停へ行くよりも、国立音楽院のほうが
近いという至近距離です。

そんな「ご近所」で、今日はワトラスのクリニックとラ
イブ。まずトロンボーン奏者を対象にしたクリニックで
す。いつものように「音楽」「息」の重要性を説き、ビ
ブラート、重音、タンギングなどについて説明。

さらにジェイミー・エバソウルド(マイナスワン教材)
の「Tune Up」をCDプレイヤーでかけ、それに合わせて
ソロを披露します。ワンコーラスずつキーが上がってい
くもので、「すべての調でソロを吹けるようにする」た
めの練習。南カリフォルニア大学でビルから学ぶ生徒の
必修課題だそうです。

2時間におよぶクリニックを終え、うなぎディナーです。
朝食もうなぎだったとか。うーん、ビル・ワトラスの来
日は、日本のうなぎにとって受難ですね。


<ビッグバンド〜セッション>
つづいて校内のスタジオを会場に、国立音楽院のビッグ
バンドと共演です。指導者の郡恭一郎先生の指揮のもと、
以下の曲を演奏しました。

1.Space Available
2.Blues Du Jour
3.Body And Soul
4.Nutville
5.Village Dance
6.Ya Gotta Try Harder

さらに、国立で教鞭をとる先生方や一部の学生も入って
ジャムセッションを行ないます。

1.Just Friends
2.There Is No Greater Love
3.Black Orpheus (Manha de Carnaval)
4.Straight No Chaser
5.My One And Only Love

ビッグバンドもいいけど、ワトラスのソロがたっぷり聴
けるスモールグループは格別です。My One And Only Love
の甘く優しいテーマに、会場はとろ〜んとした雰囲気に
なりました。






       2004.11.10 〜 さくらんぼ 〜

<さくらんぼは酸欠状態>
1997年にワトラスが来日したとき、東京柴崎さくらんぼ
でライブを行ないました。今でもトロンボーン関係者の
間で語り継がれる「伝説のライブ」です。

今回も前回を上回る気合いで、マスター(岡田さん)は
ライブを企画してくださいました。その成果が「息もで
きないほど」の超満員。さくらんぼは洒落た小さなライ
ブハウスですが、その店内にぎっしりのお客さんです。

椅子席で約60名、立見が約40名とのことですから、全部
で100名ほどの方がワトラスの演奏にお越しいただいた
ことになります。


<伝説ふたたび>
ピアノ嶋津健一、ベース山下弘治、ドラムス岡田圭太、
そしてトロンボーン片岡雄三にビル・ワトラスが加わり
ます。

第1セット
Namely You
Lush Life
Once I Loved
ここから片岡雄三氏が加わります。ビルの発音が「ユウ
ゾウ・カラオーケ」に聞こえて、店内は明るい雰囲気に
包まれました。
There Is No Greater Love
My Buddy (ビルは歌と口笛ソロを披露)
Lester Leaps in

第2セット
All The Things You Are
No More Blues
ここでゲストとして、若手トロンボーン・プレイヤーの
溝田聡氏が加わりました。
Straight No Chaser(ビルはスキャットを披露)
さらに三田治美氏、岡田澄雄マスターも加わり、4トロ
ンボーン+ワトラスで2曲演奏です。
My Way
What A Wonderful World

あとで聞いた話ですが、ビル自身「All The Things You
Are」と「No More Blues」は会心のデキだったようです。

7年前を超える熱気と興奮。今宵のさくらんぼライブは、
これからまた、長く語り継がれることでしょう。






     2004.11.11 〜 調布くすのきホール 〜

<ムジカムンダーナ>
日本で唯一、世界でも希有なプロの大編成トロンボーン・
アンサンブル「ムジカ・ムンダーナ」は、1989年に結成
されました。ソプラノ、アルト、テナー、バス、コント
ラバスという全種類のトロンボーンを駆使した、本格的
な楽団です。

メンバーはクラシック界、ジャズ界で活躍する意欲的な
方々ばかり。代表者は、東京都交響楽団バストロンボー
ン奏者の井上順平氏。ほかに、シエナ・ウィンド、シャ
ープス&フラッツ、東京ユニバーサル・フィルなど、さ
まざまな場で活動するトロンボーン奏者が集っています。

今日は、ここに世界的トロンボーン奏者ビル・ワトラス
が加わるという、夢の共演が実現しました。


<ジャンルを超えて>
演奏曲目は以下の通り。

第一部 (ムジカ・ムンダーナのみ)
Posaunenstadt (E.Ewazen)
Italian Suite 1〜3 mov (J.S.Bach)
Porgy And Bess Suite (G.Gershwin)

第二部 (ビル・ワトラス+トリオ+ムジカ)
One Step to Begin
No More Blues
Body And Soul
Straight No Chaser
The Shadow of Your Smile
Village Dance
(アンコール)South Lambert Street Parade

クラシックもジャズもアレンジが秀逸で、「トロンボー
ンだけでこんなにまとまったサウンドになるのか」と驚
きました。Porgy And Bess も Village Dance も、オケ
やフルバンに負けない、たいへん興味深い演奏でした。

また Italian Suite については、トロンボーン・アンサ
ンブルという特殊な編成を忘れ、いつのまにか「バッハ
の」音楽に聞き入ってしまいました。

クラシックが好き、トロンボーンが大好きなワトラスは、
今日のこの企画にたいへん感動したようです。

壮麗なクラシックのアンサンブルと小粋なジャズが楽し
める、とても充実したコンサートでした。






    2004.11.12 〜 ルネこだいら 〜

<MU BIG BAND>
今日はプロのビッグバンドと共演です。内堀勝氏率いる
「MU BIG BAND」にビル・ワトラスが参加。メンバーは以
下の通りです。

近藤和彦(as, ss, fl) 池田篤 (as) 三木俊雄 (ts) 
岡崎正典 (ts, cl) 宮本大路 (bs) 菊池成浩 (tp, fh)
木幡光邦 (tp, fh) 佐久間勲 (tp, fh) 伊勢秀一郎
(tp, fh) 片岡雄三 (tb) 橋本佳明 (tb) 三塚知貴
(tb) 山城純子 (b.tb) 守屋純子 (p) 佐藤慎一 (b) 
稲垣貴庸 (drs) http://musac.jp/

内堀氏もビルも、ともにトロンボーン奏者にしてバンド・
リーダー。それぞれにカラーは異なりますが、今日は両
方のレパートリーを混ぜて演奏しました。

第一部
Wayne
It Don't Mean A Thing
Autumn in New York
 (ここからビルが加わる)
Just Friends
Dee Dee
Mama Llama Samba

第二部
Don't Get around Much Anymore
Softly As in A Morning Sunrise
 (ここからビルが加わる)
Hot Monkey Love
It'll Count If It Goes
Polka Dots And Moonbeams
Village Dance
アンコール Our Love is Here to Stay

内堀勝、Gordon Goodwin、Tom Kubis など、日米を代表
するビッグバンド・アレンジャーによる名曲を、豪華な
ミュージシャンの演奏で聞ける贅沢な企画となりました。

そしてビル・ワトラスのソロは、いつにも増して上品に、
情熱的に、そしてなめらかに。お好きな方にはたまらな
いコンサートでした。


<日本のジャズシーンについて>
日本にはすぐれた演奏家がたくさんいることを、今回の
ツアーを通じてビルは実感しているそうです。プロのレ
ベルの高さはもとより、アマチュアが真剣に音楽と向き
合う姿勢に感銘を受けたとか。

また、きのうのムジカ・ムンダーナや今日のMU BIG BAND
では、編曲の技量に感動。才能溢れるアーティストと出
会い刺激を受けたと、何度も繰り返していました。

ビル・ワトラスは南カリフォルニア大学でトロンボーン
とジャズ・アンサンブルを指導する教授です。帰国した
ら、学生たちに日本のジャズシーンについて話して聞か
せるとのことでした。

さあ、日本ツアーも残すところあと2公演。明日は富山県
高岡市へ向かいます。






    2004.11.13 〜 富山県高岡市 SCAT 〜

<Jazz Factory SCAT>
朝、渋谷のホテルをチェックアウト。混雑した羽田を飛
び立ち富山へ。空港へ着いてすぐに感じるのは、東京と
の空気の違いです。吸い込む空気がうんと濃い。なめら
かな質感です。

富山空港へ迎えに出てくださったフィールド・ハラー・
ジャズ・オーケストラのお二人と一緒にうなぎ屋さんへ。
愛知産うなぎと富山産コシヒカリの極上品をふるまって
いただき、ワトラスも感激。

富山駅前のホテルへチェックインしてから、今日のライ
ブ会場 Jazz Factory SCAT へ向かいます。ここは高岡
市郊外の高台で、明治時代に立てられた古民家。フィー
ルドハラー代表の岡本勝之さんが自宅として住んでおら
れるのですが、時々こうしてライブが開催されます。

お客さんは「50名限定」でチケットを発売。熱心なワト
ラス・ファンが SCAT へ足を運んでくださいました。民
家の一室で至近距離からビル・ワトラスを鑑賞、ごく少
人数で彼を「独占」できる、なんとも贅沢なライブです。


<Field Holler Jazz Orchestra>
フィールド・ハラーは北陸〜中部地方を代表する社会人
ビッグバンドのひとつ。アメリカ公演二回、スイス公演
一回、海外アーティストとの共演も数多く経験する名門
バンドです。ワトラスとも、1995年(カリフォルニア)、
1997年(高岡市美術館)に引き続き三回目の共演となり
ます。

第一部
 Billie's Bounce
 Hot Monkey Love
 Body and Soul
 Who Can I Turn To
 Village Dance

第二部
 Just Friends
 In A Sentimental Mood
 Space Available
 Round Midnight
 Tiger of Sun Pedro
(アンコール)
 Cherokee
 Blue Monk (コンボで)

ビッグバンドとして用意した譜面をすべて演奏したあと
も拍手が鳴りやまず、コンボで一曲アンコール演奏しま
した。ビル自身「今日の演奏では燃え尽きたよ」という
熱演。Cherokee のソロなど神がかった迫力でした。

1995年から毎年海外アーティストをゲストに迎え、去年
と今年は年二回のペースに増えているフィールドハラー。
これだけ経験を重ねているにもかかわらず、マンネリ化
することなく、一回一回を心から楽しんでおられるよう
すです。

ワトラスもまた「こんなに歓待されて、私はダメになり
そう」と挨拶。「みなさん優秀なミュージシャンです。
でも、それより大切なことですが、人間としてたいへん
素晴らしい。日本へ来るたびに、アメリカへ帰りたくな
くなります」と。

さあ、いよいよ明日は最終公演地、藤沢へ向かいます。






  2004.11.14 〜 神奈川県湘南台文化センター 〜

<藤沢スイング・ジャズ・ソサエティ>
神奈川県の湘南台を中心に活動する社会人ビッグバンド
「藤沢スイング・ジャズ・ソサエティ(FSJS)」には、
忘れられない思い出があります。

アメリカで同時多発テロが起きたのが2001年9月11日、そ
の一週間後にあたる9月18日から、FSJSが行なったアメリ
カ公演ツアーに私は同行したのです。詳しくはこちら。
http://www.wpjapan.com/mtarchives/000121.html

そのFSJSが、第15回定期演奏会のゲストとして、ビル・
ワトラスとの共演を企画してくださいました。しかもプ
ロ・アマ混合20名のトロンボーンによる「The 20 Slide
Fantasy」という特別企画付きです。

参加されたトロンボニストは以下の通り(敬称略)。
●郡恭一郎(シエナ・ウィンド・オーケストラ)●堂本
雅樹(♯&♭)●西島泰介(元ゲイスターズ)●鈴木啓友
(Blithmans BB)●加藤真弘(Free)●深谷政巳(FSJS)●伊
藤宏(FSJS)●筧直也(FSJS)●麻植敬靖(FSJS)●中村啓一
(FSJS)●宮崎誠(FSJS)●安心院博之(Zaboon&LHSO)●橋場
宏之(YBO&BPO)●佐藤公昭(バイ・トァール・オーケスト
ラ)●岡田伸一(エヂソンビックリハウス)●白神敬太(ソ
ニージャズオーケストラ) ●原武(Super Swing Jazz
Orch)●齋藤陽平 (Free)●須永潤(Zaboon&BPO)●田中優
(Free)


<Sentimental Over Japan>
地球儀を地面に転がしたような、風変わりな外観の湘南
台文化センター「市民シアターホール」。中へ入ると、
天井の高いすり鉢形の素敵な劇場です。

1st Set(FSJSのみ)
Lazy Bird
And That's That
Way Out Basie
Lonely Street
88 Basie Street
It Might Be You

2nd Set(The 20 Slide Fantasy with Bill Watrous)
Beautiful Love
It's Allright with Me
One Note Samba
I'm Getting Sentimental Over You

3rd Set(FSJS with Bill Watrous)
Four Mothers
Would You Like Fries with That ?
 ここでワトラスが加わります。
Space Available
It'll Count If It Goes
Mama Llama Samba
Village Dance
(アンコール)
Warm Breeze

コンサート終盤、ビルはお客さんにこんな話をしました。
「この二週間、日本各地で公演してきました。すばらし
い音楽、すばらしい食べ物、すばらしい人たちと出会い
ました。明日、私はロサンゼルスへ帰りますが、本当は
もう二週間でもツアーを続けたい気持ちです」。

ちょっとしんみりした挨拶に続いて、Village Danceでは
いつも以上の超絶技巧を披露。お客さんも、バンドも、
そしてビル自身もとてもハッピーなコンサートでした。


<フィナーレ>
打ち上げでは、ビルを中心としたジャム・セッションが
催されました。なにしろ会場には20名のトロンボーン奏
者がおられるので、われもわれもと「ソロの順番待ち」
の行列ができました。

「神様とあがめていた人に会えた」「長年の夢が実現し
た」「練習に打ち込む元気をもらった」「楽器との一体
感がすごいと思った」「まったく力まないでリラックス
して演奏する姿に驚いた」「気難しい人だと思っていた
けどユーモアあふれる気さくな人だった」「立ち姿が美
しい」「若々しくて65歳とは信じられない」

...などなど、ビル・ワトラスと出会えた喜びを、多くの
方が口にしてくださいました。打ち上げでもビルの回り
には人が集い、笑顔が絶えません。

ここでFSJSからワトラスへプレゼント。なんと、トロン
ボーンケースです。しかも William Russell Watrous II
という名前入り。このサプライズにはビルも感激です。
藤沢公演は、日本ツアーをしめくくるフィナーレにふさ
わしい盛り上がりとなりました。

今回のツアーでは、たいへん多くの方々のお世話になり
ました。大阪(ドルチェ/グローバル)、宮崎(槇野さ
ん)、昭和音大、ヤマハBWO、DAC、国立音楽院、さくら
んぼ、ムジカ・ムンダーナ、MUビッグバンド、フィール
ドハラー、藤沢スイングなど各地の公演主催者、さらに
コンサートでの共演者、スタッフ、そして会場まで足を
運んでくださったお客さま。

この場をお借りしてすべての方にお礼を申し上げたく存
じます。本当にありがとうございました。

明日ビル・ワトラスは、FSJSリーダー深谷さんとお昼
(もちろんうなぎ)をご一緒してから成田へ向かい、ロ
サンゼルスへ帰国します。
了。







<ビル・ワトラス来日公演全行程>

11月2日(火) 来日。

11月3日(祝) 
大阪ロイヤルホースでグローバルJOと共演。
http://www.mmjp.or.jp/live-info/shop/rhorse.html
http://www.eonet.ne.jp/~global-jazz-orch/

11月4日(木) 
宮崎へ移動。宮崎シークレットギグ公演。
http://homepage1.nifty.com/Mackie/

11月5日(金) 
宮崎から東京へ移動。

11月6日(土) 
昭和音楽大の学園祭で演奏。
http://www.tosei-showa-music.ac.jp/

11月7日(日) 
赤坂B Flatでヤマハ Big Wave Orchと共演。 
http://www.bflat.jp/
http://www.geocities.jp/yamaha_bigwave/

11月8日(月) 
東京DACスペースDo公演。
http://www.perinet.co.jp/users/dac/

11月9日(火) 
国立音楽院でクリニック。
http://www.kma.co.jp/

11月10日(水) 
柴崎さくらんぼ公演。
http://www.jck.net/sakuranbo/index.html

11月11日(木) 
調布くすのきホールでムジカ・ムンダーナ・トロンボー
ン・アンサンブルと共演。
http://sky.zero.ad.jp/yun/
http://www.chofu-culture-community.org/perfom/0401index_list.htm

11月12日(金) 
東京ルネこだいらで内堀勝「MUビッグバンド」と共演。
http://www.runekodaira.or.jp/calendar/index.html
http://musac.jp/

11月13日(土)
富山県高岡市SCATでフィールドハラー・ジャズ・オーケ
ストラと共演。
http://homepage2.nifty.com/scat/index.html

11月14日(日) 
神奈川県湘南台文化センターで Fujisawa Swing Jazz
Society と共演。
http://www.cityfujisawa.ne.jp/~geibnzai/map2.htm
http://fsjs.fc2web.com/main2.htm

11月15日(月) 
帰国の途へ。

投稿者 kurosaka : 2004年11月17日