ワールド・プロジェクト・ジャパン  〜 合奏音楽のための国際教育プロダクション 〜


とろけるジャズ

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 ボブ・シェパード(ts)日本公演2002レポート(4.25
 〜5.7)。ボブのテナーにしびれた2週間。

【インデクス】
GOLDEN JAZZ WEEKSとは
4.25 関西空港へ到着
4.26 大阪ロイヤルホース
4.27 大阪ドルチェ楽器&伊丹ステージ
4.28 東京・多摩公演
4.29 静岡公演
5.1 東京・ICUクリニック
5.2 東京・明治大学と共演
5.3 名古屋公演
5.4 金沢ハッピーバースデー公演
5.5 砺波チューリップフェア公演
5.6 東京・多摩公演ふたたび
5.7 横浜・洗足学園大学
GOLDEN JAZZ WEEKS 2002 全行程






<GOLDEN JAZZ WEEKS とは>
当社(ワールド・プロジェクト・ジャパン)では、毎年
ゴールデンウィーク前後に、ロサンゼルスからアーティ
ストを招聘し、全国各地のビッグバンドと共演するとい
うジャズ教育プログラムを主催しています。これを、ゴ
ールデンウィークにちなんで「GOLDEN JAZZ WEEKS」企
画と呼んでいます。これまでに、

 1995 ボビー・シュー(tp)
 1997 ビル・ワトラス(tb)
 1998 ボビー・シュー(tp)
 1999 ウェイン・バージロン(tp)
 2000 ブルース・ポールソン(tb)
 2001 ジョージ・グラハム(tp)

というアーティストを呼んできました。そして、今年は
待望のサキソフォン奏者ボブ・シェパード。

ボブは、イーストマン音楽学校で修士号を取得。Peter
Erskine、Chick Corea、Mike Stern、Freddie Hubbard、
Randy Brecker、Horace Silver、Toshiko Akiyoshi -
Lew Tabackin Big Band、Billy Childs、Nat Adderley
など超一流アーティストのバンドで演奏する名サックス
奏者です。クリニックやビッグバンド指導も経験を多く
積んでおり、独自のカリキュラムがホームページで紹介
されています。 

 URL:http://www.bobsheppard.net/

ボブの日本ツアーに同行した私は、毎日、公演終了後に
レポートをまとめ、各地の公演主催者へリアルタイムに
配信しました。

それを整理改編したのが、以下にお届けする「SHEPP通
信 総集編」です。







4.25 関西空港へ到着

<ボブ・シェパード来日> ロサンゼルスから日本航空69便で、ボブ・シェパードは 来日しました。17:33に到着し、18:00過ぎにはロビーに 登場。空港リムジンで大阪市内へ向かいます。

ボブは現在49歳。なんとこのツアー中に50歳になるのだ
そうです。誕生日は5月4日。金沢もっきりや公演の日で
すね。

ホテルへチェックインして、休む間もなく 21:00〜23:00
は、「TO DO」という梅田のスタジオで、グローバル・
ジャズ・オーケストラとリハーサルです。

グローバルは、アメリカ公演3回、CD制作2枚、内外のア
ーティストとの共演数知れず、日本を代表するノンプロ
ビッグバンドのひとつです。ボブは、長旅の疲れをもの
ともせず、グローバルとの練習をバリバリこなしました。







4.26 大阪ロイヤルホース

<アメリカの音楽ビジネス事情> 映画やテレビのスタジオワークが多いことで有名なロス ですが、最近は状況が変わってきているようです。大き な要因は2つ。

ひとつは、デジタル技術の発達で、手軽に商業音楽が制
作できるようになったこと。自宅のスタジオでフルオー
ケストラのサウンドを作り出せるのですから、わざわざ
人件費を払ってアーティストを雇う必要が減りつつある。

もうひとつは、経費の安いヨーロッパ、それもチェコス
ロバキアのような東欧圏のスタジオで、現地のミュージ
シャンを使ってするレコーディングが増えてきたこと。
アメリカのミュージシャン・ユニオンが強い力を持った
結果、人件費が高騰し、仕事が海外へ流出してしまった
というのです。


<ジャズ教育はどうなっているか>
音楽ビジネスの環境が悪くなるにつれて、ロスのスタジ
オ・ミュージシャンたちは、別の分野へ乗り出しつつあ
ります。ひとつは著名アーティスト(たとえばナタリー・
コールのような)のサイドメンとしてツアーに出ること。
そして、もうひとつは音楽教育です。

アメリカには優れたジャズ教育カリキュラムがあってう
らやましい、と私がいうと、ボブは複雑な表情を浮かべ
て、こういいました。

たしかに、アメリカのジャズ教育はとても発達した。多
くの指導法が開発され、教材が生まれ、学校教育にも浸
透した。そして、多くの若者に対して、高度なジャズ情
報を与えることに成功してきた。

けれども、多くのお金と時間をかけ、精進の末に社会へ
出た音楽家たちに、十分な仕事の場がないという現実が
立ちはだかる。その結果、彼らはどうするか? 多くの
音楽家は、教育者の道を選ぶことになる。

そして、また、多くの音楽教育者が多くの若者を音楽家
に育てる。つまり、リスナーが減りつつある環境に、音
楽家ばかりが生まれ続けるという現象が起きているのだ
とか。

アメリカも日本も、大切なのは、「プレイヤー教育」と
同時に「リスナーを育てる教育」にも力を入れることな
のでしょう。毎年、ゴールデンウィークに行なっている
このツアーも、はなはだ微力ながら、ジャズの楽しさを
一般の方々に伝える活動の一翼を担っているつもりであ
ります。


<ロイヤルホース公演>
さて、話をボブ・シェパードに戻しましょう。今日はロ
イヤルホースというライブハウスで、グローバルジャズ・
オーケストラとの共演です。ボブは以下の曲を演奏しま
した。

 第1セット 19:30から
  Black Nile
  Somebody's Samba
  Nothing Personal
(コンボ)Body & Soul
  Back Bobe
 第2セット 21:30から
  Beautiful Love
  Sphinx
  Moment's Notice
(コンボ)All the Things You Are を3拍子で
  Mambo De Memo
  アンコール Rhythm-A-Ning

ボブのサックスは、自由自在にして融通無碍。すぐれた
職人技の極みを見るような演奏です。ラテンナンバーの
Mambo De Memo では、フルートのソロを披露しました。
小鳥が元気一杯に羽ばたくような、躍動感あふれるフレ
ーズが、とめどなく流れてきます。

ボブ・シェパード日本公演の初日は、ぎっしりと内容の
詰まった、充実感いっぱいのギグでした。







4.27 大阪ドルチェ楽器&伊丹ステージ

<ボブは日本通> ボブの記憶によると、これまでに8回日本を訪れている とか。トシコ・タバキン・ビッグバンドで2回、マイク・ スターンと1回、チック・コリアと1回、フレディ・ハ バードと1回、スティーリー・ダンと2回、そしてなん と、日本のポップシンガーのバックバンドとして1回来 日公演しているそうです。

そのシンガーとは、アイドル時代の松本伊代。ボブが演
奏すれば、若い男たちが「イ・ヨ・チャーン」と叫ぶ。
なんとも微笑ましい光景です。

日本食も大好き。もっとも普段からビーフはあまり食べ
ず、チキンや魚料理が多いとか。昨日の昼はラーメン、
夜はお寿司と、さっそく日本食をエンジョイしました。


<サックス・クリニック>
さて、梅田ドルチェ楽器でのサックス・クリニックは30
名程度の方々が受講。まず最初に、グローバル・ジャズ・
オーケストラのピアノ牧知恵子さんの伴奏で、On Green
Dolphin Street の演奏を披露しました。

牧さんの実力は、昨夜のロイヤルホースでの共演で、ボ
ブが高く評価しています。ボブはチック・コリアのバン
ドにいた人ですから、そんな人から「talented(才能が
ある)なピアニスト」と評価されるのは、すごいですね。

サックス・クリニックの前半は、「音の作り方」につい
ての講義。姿勢、楽器の構え、アンブシュア、そして舌
の位置などについて、密度の濃いレクチャーでした。特
に、初心者が陥りやすい、硬いサウンドの解消法につい
て、丁寧な解説と実演がありました。

舌のポジションについては、多くの時間をさきました。
これは、ボブ・ミンツァー、デビッド・サンボーン、マ
イケル・ブレッカーなど多くの奏者に影響を与えた、ジョ
ー・アラード氏のメソッド(註)をベースにしたもので
す。倍音のトレーニングも、舌のポジションとの関連で、
かなり熱心な指導となりました。

 (註)ジョー・アラード氏のメソッドは、
    下記書籍で学ぶことができます。
    「サクソフォーン上達法」
     全音楽譜出版社 1800円+税
     デビッド・リーブマン:著
     川里安輝子:訳

クリニックの後半は、ジャズ(インプロヴィゼーション)
についてのヒント。デモンストレーターとして、関西学
院大ジャズバンド出身の黒川さんが、マイナスワン伴奏
をバックに、アルトサックスで Blue Bossaを演奏。そ
れについて、ボブからのコメントをもらうというスタイ
ルです。

まっさきにボブが発したコメント。「ジャズとは、ソロ
のスペースを音符で埋め尽くすことではありません。あ
なたは、ずっと吹き続けようとしてますね。もう少しリ
ラックスして、音のない部分を作るといいですよ」

表拍と裏拍とのタンギングの違いや、それを指の動きと
合わせる練習。そのためにやるコードやスケールの練習
など、技術的な指導もかなり細かく行ないました。

「やることは山のようにあります。でも、それらを急い
でいいかげんにやるのではなく、まずはひとつのことに
じっくりと取り組んで自分のものにしてください。そう
すれば、その影響はほかのことにも及びます」

クリニックのしめくくりに、再び牧さんとのデュオで、
Days of Wine And Roses と All the Things You Are
の2曲を披露しました。


<伊丹公演>
梅田から伊丹へ移動。JR伊丹駅前アイホールのジャズ喫
茶「ステージ」で、再度グローバルとの共演です。収容
人員50名ほどのお洒落な空間で、ビッグバンドとボブ・
シェパードの熱い演奏が行なわれます。

演奏曲目は昨日と同じ。一昨日のリハーサルから3日間
連続ですので、バンドとの息もぴったりです。

グローバルのサックス・セクションといえば、社会人バ
ンドとしてはズバ抜けた実力。特に、古谷氏、里村氏と
いうテナーの2枚看板は、強力です。彼らに、今回のボ
ブとの共演の感想を尋ねると、

  「いや、もう、吹く気、まるでありませんわ。
   自分の演奏はおいて、ずっと聞いてたいちゅう
   感じ。めっちゃ楽しかったですよ」

とのこと。

  「次はソニー・ロリンズ呼んでくださいよ」

とオチをつけるなんて、どんな時にも笑いを忘れない、
関西の麗しい慣習ですね(ドツくで、ほんま)。







2002.4.28 東京・多摩公演

<東京・多摩へ> ゆうべホテルへ戻ったのが午前1時。今朝は、7時朝食、 7時半チェックアウトで、大阪空港から羽田へ向かいま す。ツアーミュージシャンの体力は、半端ではやってい けませんね。ボブは平然と、

  「チック・コリアとヨーロッパへ行ったときは
   すごかったよ。空港からコンサート会場直行
   は当たり前。ゆっくりシャワーしたり着替え
   たりできないことも多かったしね」

なんて、ニコニコしています。


<タマ・ドリーム・ジャズ・オーケストラ>
羽田から京王プラザホテル多摩へ移動した我々は、今日
のホストバンド「Tama Dream Jazz Orchestra」とのリ
ハーサルに臨みました。

プログラムの挨拶文によると、このバンドは、

「熟年よ、強く、お洒落に、カッコ良く!!
  "お年寄りに夢を" "若者に喝を" "地域に活性化を"」
  
をモットーに、昨年(2001年)6月に結成したシニアの
ドリーム・バンド。いくつになってもクリエイティブな
心を忘れない、素晴らしいバンドだと思います。

バンドの平均年齢は約57歳。最高齢は、3rdアルトを担
当する一ノ瀬浜十郎さんで、なんと80歳! ちなみに一
ノ瀬さんは、40数年間、通信士として船乗りをしながら
世界中を回っておられたとか。ジャズが大好きで、若い
時は本場で武者修行をしてきたという、Tama Dream の
名物おじいちゃんです。


<ジャズ・ピクニック・イン多摩>
今日のコンサートは、京王プラザホテル多摩の宴会場を
使って行なうディナーショウ。料金は一人8,000円と高
額ですが、すでに完売。

この動員力は驚異です。地元の人に愛されるジャズバン
ド活動。これは社会人バンドの目指すべき理想の姿とい
えるでしょう。ボブとTama Dreams の共演曲は・・・

Beautiful Love
Daahoud
Moanin'
Fly Me to the Moon (voval)
I'm in the Mood for Love (vocal)
Blues in Frankie's Flat
For Lena and Lennie
Somebody's Samba
(アンコール)
 川の流れのように
Take the A Train

お客さんのレスポンスが熱いのも、多摩の特徴です。本
当にジャズが好きで楽しんでいるということが、拍手や
声援から伝わってきます。

ボブもこういうコンサートは初めてだったようです。
「私の音楽家人生の中で忘れられない一日になるだろう」
と興奮気味に語っていました。







2002.4.29 静岡公演

<緑あふれる静岡へ> 新幹線で、緑あふれる美しい静岡に着いて、すぐにホテ ルへチェックイン。午後3時から、今日のホストバンド、 ザ・スイング・ハード・オーケストラとリハーサルです。

会場は、メディアシティ静岡4Fのメディアホール。残念
なことに、この響きのよいホールは、今日が最終公演。
明日には閉館となるそうです。ボブもスイング・ハード
も、厳粛な気持ちで、メディアホールの有終の美を飾る
べく、心をこめて演奏しました。


<愛があふれるスイング・ハードと>
スイング・ハードは、結成37周年を迎える老舗バンド。
独自のサウンドに、年々磨きがかかっています。ボブは、
以下の曲を共演しました。

  第1部
   Beautiful Love
   Sphinx
   Nothing Personal
   Body & Soul (ソロで)
   Somebody's Samba
  第2部
   Black Nile
   Back Bone
   DAAHOUD
   Moment's Notice
   アンコール:Mambo De Memo

サックス・セクションの面々は、1曲目の Beautiful
Love で、ボブがテーマの第一音を放った時、ゾクゾク
シビレたとか。「これって、ジャズだよ」という感激で
すね。


<笑いあふれる打ち上げで>
社会人バンドの魅力は、メンバーがそれぞれに人生のド
ラマを背負っていることだと思います。「年数 x 人数」
分のドラマが、年とともに増える。そうして、音楽性に、
運営に、なにより打ち上げに、独特の個性が生まれます。

スイング・ハードの打ち上げは、「おれたちゃ楽しいぞ」
というのが参加者の笑顔としてこぼれる、生き生きとし
た宴会です。なかでも極め付きは、スイング・ハード流
の三三七拍子。

  シャン・シャン・シャン(休符)
  シャン・シャン・シャン(休符)
  シャン・シャン・シャン・シャン
  シャン・シャン・シャン(休符)

という普通のは、三三七拍子ではなく、ただの四拍子で
はないか、というのが彼らの理屈です。したがって、真
に三三七拍子を名乗るからには、どこにも休符を入れる
ことなく「一・二・三・一・二・三・一・二・三・四・
五・六・七」と、一気に手を叩くべきだと。

これは、マイルス・デイビスがモードをジャズに取り入
れて以来の、画期的な発想かもしれません(誰か文句あ
ります?)。

<2002.4.30は、東京で OFF>







2002.5.1 東京・ICUクリニック

<国際基督教大学=ICU> 基督教は読みにくいですね。「キリスト教」です。英語 の学校名は、International Christian University。通 称 ICU(アイ・シー・ユー)と呼ばれる大学です。

ICU にはユニークなビッグバンドがあります。「モダン・
ミュージック・ソサエティ(通称MMS)」といって、伝
説のロックバンド「ゴダイゴ」をプロデュースしたジョ
ニー野村氏、インナー・ギャラクシー・オーケストラの
三木敏悟氏、そして銀座山野楽器社長の山野政光氏など
を輩出しています。

初心者から楽器を始めるメンバーが多いのも MMS の特
徴。外山明彦氏(tp)、吉田治(sax)氏らプロミュー
ジシャン の指導を受けて、体系的にビッグバンド・サ
ウンドを作り上げる伝統が築かれています。

また、海外公演も積極的に行なっています。これまでに、
1991年、1995年、1999年と、3度のアメリカ遠征を敢行。
うち2回は、ロサンゼルスでゲスト・プレイヤーを迎え
てレコーディングもしています。
 
 1995「Celebration」 with Chuck Findley
 1999「Gordian Knot」 with Gary Foster


<サックス・クリニック>
さて、今日のボブ・シェパードは、まず MMS のサック
ス・セクションを指導です。

最初のテーマは、音色。下唇にマウスピースを強くあて
すぎないためのチェックから始まりました。リードをい
かに自由に振動させるか。そのために口輪筋をどの方向
に収縮させるかなどの指導を行ないます。

また、マウスピースだけを使って音を出す練習で、呼気
のコントロール精度を高める方法も紹介されました。


<ビッグバンド指導>
続いて、MMS 全体の指導に入ります。「Wind Machine」、
「Moment's Notice」「Cute」の3曲が素材です。

ボブは、ビッグバンドを大きく二つに分けて考えていま
す。ひとつはバディ・リッチのような、正真正銘のビッ
グバンド。もうひとつはサド・メルやギルのような、コ
ンボの要素を色濃く持つビッグバンドです。

いうまでもなく、MMSは前者の傾向が強いバンドなので、
ボブは、これを後者のサウンドに近付ける実験をしてみ
ました。

まず、リズム・セクションの意識をスモール・グループ
のそれにします。リズムを刻み過ぎない、管と合わせ過
ぎない、フィルにバリエーションをつけるなどなど、細
かな注文を出します。

そして、管は、徹底的にダイナミクスをつける。記譜が
mf なら mp のつもりで吹き、f は大きめに吹くことで、
強弱を誇張します。

さらに、4つ並んだ8分音符の中にもクレシェンドをつけ
たり、2分音符は単調に伸ばすのではなく、小さく入っ
てボリュームを上げたりと、ディテールにおよぶフレー
ジングを指導。

表拍と裏拍のタンギングの違いについても、表情豊かな
歌を交えて、情熱的な指導が行なわれました。

Moment's Notice と Wind Machine では、ボブのソロを
堪能することもでき、今日もまた、たいへん内容の濃い
クリニックでした。


<打ち上げは「ひげ」で>
このあと、MMS 行きつけの居酒屋「ひげ」で、打ち上げ
パーティー。サックス・セクションを中心に、ボブを囲
んで飲み、食い、笑い、大いに語りました。

「ひげ」は素敵な店です。よくあるチェーン店のような
騒々しさはなく、かといって、これまた最近増えてきた
高級風和食の店でもない。庶民的ながら落ち着いた、い
つまでもここで飲んでいたくなるような、暖かい雰囲気
の焼き鳥屋さんです。

ボブも、MMS の学生と談笑し、すっかり打ち解けた様子。
連夜の宴会にもかかわらず、バンドごとにまったく違う
個性を、心からエンジョイしています。

 「ともすれば、何時間でいくらになるというビジネス
  のためにサックスを吹いてしまいがちだ。でも、こ
  のツアーには、本当の音楽がある。俺はビジネスで
  はなくて音楽をやっているんだという実感がある」

と、井の頭線の電車で渋谷のホテルへ帰る道すがら、ボ
ブは嬉しそうに語っていました。







2002.5.2 東京・明治大学と共演

<明治大学ビッグ・サウンズ> 明治大学ビッグ・サウンズ・ソサエティ・オーケストラ (以下BS)といえば、数々のコンテストでグランプリを 総なめしてきた、スーパー・バンド。

2000年
 山野ビッグバンド・コンテスト
 大田市大学ジャズ・ビッグバンド・フェスティバル
 浅草アマチュア・ジャズ・コンテスト
2001年
 ライオネル・ハンプトン・ジャズ・フェスティバル
 (アメリカ・アイダホ州)
 山野ビッグバンド・コンテスト
 大田市大学ジャズ・ビッグバンド・フェスティバル
 浅草アマチュア・ジャズ・コンテスト

と、7つのコンテストで連続優勝している、驚異の学生
ビッグバンドなのです。

また、2001年2月にはアメリカ遠征を行ない、ロサンゼ
ルスの名門スタジオ「キャピトル」で、レコーディング。
元カウント・ベイシー楽団のドラマー Gregg Field を
ゲストに迎えて、CDを制作しました。

 BSのアメリカ公演のもようは「ベイシーへの愛」と
 いうレポートにまとめてあります。ご興味がおあり
 の方にはメールでお送りします。 


<江古田BUDDY>
今日の会場は、西武池袋線・江古田駅前のライブハウス
「BUDDY」。洒落た雰囲気、ゆったりくつろげる客席で
人気のあるお店です。

ボブは、イッセイ・ミヤケのスーツに身を包み、ぐっと
アダルトなムードで登場。学生バンドの雄、BSとの共演
曲目は以下の通りです。

 Softly As in A Morning Sunrise
 Everything Happens to Me
 Blues in Hoss's Flat
 Basie !
 (アンコール)One O'clock Jump

第1部ジュニアバンド3曲、第2部レギュラーバンド5曲に
続いて、ボブの登場です。超高速の Softly に続いて、
けだるいバラードの Everything、愉快なミディアムの
Hoss、そしてまたアップテンポの Basie。緩急をつけた
選曲に、観衆はぐいぐい引き込まれていきます。


<身近なジャズ教育>
BSは、昨年のジョージ・グラハムに続いて、今年もボブ
との共演を引き受けてくれました。これはおそらく、昨
年2月に行なったアメリカ公演の影響があるでしょう。

「ベイシーへの愛」をお読みいただくと分かるのですが、
BSのアメリカ公演は、12日間のアメリカ滞在期間中に13
回の演奏という、タレント並みの過密スケジュールです。
加えて、さまざまな指導者からバンド指導や楽器指導を
受けました。

これらの体験から、すぐれた指導者や演奏家と直に接す
ることが、いかに強烈な教育効果をもたらすか、彼らは
肌で感じているのだと思います。

日本では、体系的なジャズ教育を受ける機会がなかなか
ありません。学生バンドの場合、たとえば、毎年この時
期にゲストと共演し、4年に1回はアメリカ公演をする、
というプログラムを組むことで、音楽的刺激を先輩世代
から後輩へと、着実に受け継いでいくことができます。

ジャズの学校を作ったり、政府に予算を組むよう働きか
けたりということも大切ですが、まずは身近なところか
ら、ジャズ教育情報をどんどん取り込んでいきたい。そ
のひとつのルートとして、このイベントを活用していた
だけると、ありがたいですね。







2002.5.3 名古屋公演

<レア・サウンズ・ジャズ・オーケストラ> 名古屋で活躍する社会人ビッグバンド「レア・サウンズ・ ジャズ・オーケストラ」もまた、毎年、この時期のホス トバンドを引き受けてくださっています。

昨年5月のジョージ・グラハム公演直後、リーダーの西
川さんが急性白血病に倒れ、闘病生活に入られました。
骨髄移植が成功し、いったん退院されたのですが、3月
25日に再入院。体調はかなり戻られたとのことで、退院
は近そうですが、残念ながら今日のコンサートには間に
合いませんでした。西川さんはご自身の闘病記をホーム
ページで公開されています(www.raresounds.org/)。
  
西川さん、あんまり頑張り過ぎないで、ゆるゆると心身
を解きほぐしてください。のんびりした気分になること
も大切ですよ〜。またご一緒に、楽しいこと、いっぱい
やりましょう。


<LIVE & PEACE>
今日の会場は名古屋芸術創造センター。コンサートのタ
イトルを「LIVE & PEACE (ライブ・アンド・ピース)」
と銘打ちました。ボブは以下の曲を共演。

第1部
 Moment's Notice
 Sphinx
 Daahoud
第2部
 Mambo De Memo
 Stardust
 Blues in Hoss's Flat
Somebody's Samba
 (アンコール)
Wind Machine
The Preacher

ボブが吹くテナー・サックスの音色は、「しびれる」と
いう言葉がぴったりの艶と色気。Stardust のようなバ
ラード曲は、男のため息とでも呼びたいサウンドです。


<成長し続ける社会人バンド>
社会人バンドの悩みとしてあげられるのが、「メンバー
の変動が少ないこと」。どうしてもマンネリ化してしま
うのですね。けれども、裏を返せば、ノウハウの蓄積が
しやすいという長所にもなります。

事実、レア・サウンズのアンサンブルは、年を重ねるご
とに深みを増している。また、運営面でも、さまざまな
試みが行なわれています。

たとえば、今日のコンサートの案内は葉書でDMを送りま
した。で、「この葉書をお持ちになれば、ご一緒に来ら
れた方は何名でも特別価格で入場できます」というシス
テムになっています。その結果、600人のホールが満席
になるわけです。マーケティングに通じたスタッフがお
られるようですね。

音楽面や運営面だけでなく、演出面でも、年々凝ったス
テージになってきました。近年すっかりお馴染みですが、
ドラムの斉藤貢司さんのセットには、たくさんのストロ
ボライトが付いていて、ドラムソロの時は、ヘビメタバ
ンドばりの「ピカッ、ピカピカッ」という照明になりま
す。これには、ボブもびっくり。

音響設備は素晴らしいし、スタッフも実に気持ちよく働
いてくださいます。記録用のビデオも、カメラ4台を回
して撮影する力の入れよう。レア・サウンズを応援する
スタッフのパワーが、どんどん強くなってきているわけ
です。すごい。







2002.5.4 金沢ハッピーバースデー公演

<芸術は呪術だ> 芸術家・岡本太郎が言いました。

  芸術とは、無償かつ無目的に
  行なわれる創造活動である。

「無償かつ無目的」とはどういうことか。たとえば古代
のお祭りなどがそうですね。木戸銭を取るためでなく、
誰かに評価されるためでもない。ただ、自分のために、
自分の生命を解放するために、歌い、踊り、騒ぐ。

ようするに、ビジネスや技術とは別次元にあるもの、そ
れが芸術だと、太郎は言うわけです。「芸術は呪術であ
る」とも表現しています。

SHEPP通信5.1で、ボブはこんなことを言っています。

 ともすれば、何時間でいくらになるというビジ
 ネスのためにサックスを吹いてしまいがちだ。

また、彼は、こう語ってくれたこともありました。

 イーストマンのような音楽学校にいると、間違え
 てはいけないということばかり考えるようになる。
 演奏がちっとも楽しくない。

前者はビジネス、後者は技術にとらわれて、本来の芸術
を忘れそうになっているわけです。


<無償かつ無目的なジャズ時空>
当ツアー「GOLDEN JAZZ WEEKS」は、各地の主催者はもと
より、アーティストも、プロモーターである私も、人件
費をちゃんと計算すれば、みんなが赤字となるでしょう。

にもかかわらず、こういう企画が7年も続いていて、し
かも打ち上げでは「来年は誰ですか」とか「どの日で会
場をおさえましょうか」という質問を頂戴する。私にとっ
ても、年間で一番楽しい仕事となっている。これは、いっ
たいどういうことなんでしょう?

つまり、これが、太郎のいう「無償かつ無目的」なんだ
と思います。もちろん、岡本太郎が語るのは究極の純粋
芸術の話ですから、そこまで徹底はできないにしても、
私たちがやっていることの延長に、太郎の芸術世界があ
るような気がします。

 このツアーには、本当の音楽がある。俺はビジネス
 ではなくて音楽をやっているんだという実感がある。 
 (SHEPP通信5.1)

とボブが言ってくれるのを見ても、やっぱりそうなんだ
なあ、と思ってしまいます。


<加賀百万石の城下町ライブ>
今年は、NHK大河ドラマで「利家とまつ」をやっている
こともあって、金沢は例年以上に華やかな感じがします。

今日は、新装開店したばかりのライブハウス「もっきり
や」でのギグ。ここは本当に雰囲気のいいお店です。
ウッディな内装、しみ入るようなジャズの音。仕事帰り
に毎日でも立ち寄りたい。そんな暖かさを感じます。

演奏はスモールグループ。岡本勝之(b)、中沢宏明(ds)、
安部誠彦(p) という、地元ではよく知られたトリオです。
みんなほかの職業をお持ちですが、経歴・実力ともに、
プロと呼んで差し支えないレベル。事実、ボブも「この
トリオで全国ツアーをやりたい」と言ったほど、気持ち
よく演奏できました。

 第1部
 I Hear A Rhapsody
 On Green Dolphin Street
 All the Things You Are
 Body & Soul
 Cherokee
 第2部
 Like Someone in Love
 Nearness of You
 Freight Trane
 My One And Only Love
 Softly As in A Morning Sunrise


<誕生日おめでとう!>
第2部は、もっきりやに詰め掛けた満員のお客さんによ
る、ハッピーバースデーの大合唱で幕開けです。ボブ・
シェパード、めでたく50歳の誕生日を、ここ金沢で迎え
ました。おめでと〜。

会場には、北陸とゆかりの深いアマチュア・ミュージシャ
ンがたくさん。金沢大ジャズ研はもとより、ICUのOBや、
富山フィールドハラーのメンバーで今は東京赴任の方な
ど、ゴールデンウィークの帰省を兼ねて、ライブを聞き
に来てくださいました。ちょっとした同窓会気分です。

ボブ+トリオの熱い演奏が終わってから、それらのアマ
チュア・アーティストも混じって、ジャムセッションが
始まります。これがジャズの醍醐味ですね。アマといっ
ても、百戦錬磨のつわものぞろいですから、その盛り上
がりは尋常ではありません。みんな、ボブの凄い演奏を
聞いたあとだけに、張り合う気持ちもあるし。

こうして百万石の城下町は、「呪術的な」ジャズナイト
と化したのであります。







2002.5.5 砺波チューリップフェア公演

<チューリップフェア> 砺波(となみ)は、富山県西部、石川との県境にある市 です。チューリップフェアは、4月末〜5月初の期間中に 35万人を動員する盛大なイベント。100万本のチューリッ プが咲き誇る会場で、チューリップにまつわるたくさん のイベントが行なわれる花の祭典です。ボブと地元の社 会人ビッグバンド「フィールド・ハラー」の共演も、ア トランクションの一環として開催。ボブは以下の曲を共 演しました。

第1セット 午後1時
1.Daahood
2.Body & Soul (Bossa Nova)
3.Moment's Notice
4.Mambo De Memo
第2セット 午後2時30分
5.Blues in Hoss's Flat
6.Nothing Personal
7.Bud Powell
8.Back Bone
9.Georgia on My Mind
10.Black Nile
アンコール:April in Paris

チューリップが咲き乱れるステージのまわりには、多く
のお客さんがお集まりくださいました。ちょっと肌寒い
天気ではありましたが、最後まで熱心に聞いてくださっ
ていたのが印象的でした。

ボブは、ステージ上で、バンドメンバーから、2回目の
誕生日の祝福を受けました。今日は、アメリカ時間で5
月4日。だから、本当の誕生日は、今この時に祝うべき
なんですね。おめでとうございます! 「プリンセス・
チューリップ」のお姉さんらから花束をもらって、ボブ
は感激していました。

 これまで50回の誕生日のうちで一番
 いいプレゼントをもらったよ。

なんて、アメリカ人のリップサービスには、ほんと油断
がなりませんね。くわばらくわばら。


<北陸健康センター・アラピア>
1998年のボビー・シュー以来5年連続、富山公演のあと
は、健康センター「アラピア」で過ごしています。漢方
励明薬湯、麦飯石低温サウナ、遠赤外線サウナ、座り風
呂、うずまき風呂、エステバス、ネックシャワー、回遊
浴、足湯、水風呂などなど、数々のお湯めぐりが楽しめ
る施設です。

ここにフィールドハラーのメンバーや家族が集まって宴
会をやり、風呂に入って、宿泊するというのが、恒例の
過ごし方です。ここ数年のゴールデンウィークの楽しみ
になっているのです。社会人バンドには、こういう付き
合い方もあるのですね。

日米の入浴習慣の違いから、残念なことに、ゲストアー
ティストは「お湯めぐり」に参加していません。唯一の
例外は、2000年に来日したトロンボーンのブルース・ポ
ールソン。フィールドハラーのメンバーと裸の付き合い
をして、ともに湯につかり、親睦を深めました。これは
楽しかった。本当に楽しかった。

そして二番目の例外が、今年のボブ・シェパードという
ことになります。ツアーもいよいよ大詰め。4月25日から
続いている長旅の疲れを、のんびりお風呂につかって癒
しました。







2002.5.6 東京・多摩公演ふたたび

<ふたたび多摩へ> 健康センター「アラピア」をチェックアウトしたのは、 朝の6時45分。タクシーで高岡駅へ向かいます。駅前の ミスタードーナツで朝食後、シャトルバスで富山空港へ。 連休最終日とあって混み合う富山空港。満席の全日空便 は一路羽田へと飛びます。

羽田空港には、例によってファニーフェローズ石井さん
が迎えに来てくださいました。車で多摩へ向かい、石井
家で一服。サンドイッチとフルーツの昼食です。ボブも
私も、イチゴ、グレープフルーツ、オレンジの盛り合わ
せをいただいて、生き返る思いでした。ごちそうさま!


<ファニー・フェローズ>
今日のホストバンドは、ファニー・フェローズ・ジャズ・
オーケストラ。多摩市や八王子市を中心に活動するアマ
チュアバンドです。上は63歳から下は14歳という幅広い
年齢層の、とてもユニークな市民バンドです。ボブをゲ
ストに迎えて、以下の曲を共演しました。

Black Nile
Blues in Hoss's Flat
Beautiful Love
It Could Happen to You (vocal)
Crazy, He Calls Me (vocal)
Somebody's Samba
Daahoud
Spain
(アンコール)
 Wind Machine
When You Wish Upon A Star

4月28日にボブが共演したタマドリームと、ファニーフェ
ローズは、いずれも佐藤進さんという方が創設された兄
弟(親子?)バンド。地元の方々との関係を大切にする
運営スタイルで、着実にファン層を広げています。

今日のコンサートも、多摩市と多摩市教育委員会が後援。
市内の学校に招待状を送り、音楽との出会いのチャンス
を若い人たちに提供しています。入場料800円と、無理
のない料金設定で、少しでも多くの人たちに、ジャズの
楽しさを知ってもらいたいという姿勢がにじんでいます。


<高齢化社会とジャズ>
日本が高齢化社会を迎えつつあることは、よく知られて
いる通り。「介護」「バリアフリー」などの言葉も耳に
馴染んできた今日この頃です。

歳を取ると身体の具合が悪くなって、社会的にもいろん
な問題が起きるかのように言われていますが、必ずしも
そうではないような気がします。

ネパールなど山岳地帯には、90歳を過ぎてなお現役の方
が数多くおられるとか。加齢による極端な衰弱は、先進
国のライフスタイルによる特殊な現象であって、決して
生物学的必然ではないという意見もあります。

では、先進国では、ネパールのようなことがあり得ない
のか? 答えは否です。Bob Sheppard 通信4.28でレポー
トしたように、タマドリームの平均年齢は57歳、最高齢
は80歳です。人間は、夢があれば元気でいられる可能性
があるのですね。

そして、ジャズは、若者から高齢者までさまざまなかか
わり方のできる、たいへん懐の深い音楽。年齢を重ねる
ことで初めて出せる「味」のようなものもあります。ジャ
ズだけがそうなのではありませんが、高齢化社会の中心
を担いうる、豊穣な内容を持った文化のひとつであると
はいえるでしょう。

天寿をまっとうするその日まで、快活かつ創造的に生き
る。そのために、ジャズができることはたくさんありそ
うです。

さて、ファニーフェローズの打ち上げは、これもすっか
り恒例となった石井家でのホームパーティー。石井ママ
の手作り料理に舌鼓を打ちながら、タマドリームのメン
バーも加わって、みんなで盛り上がりました。楽しい!







2002.5.7 横浜・洗足学園大学

<洗足学園> 今日のボブは、洗足学園大学ジャズコースでクリニック。 洗足は、体系的なジャズ教育を受けられる、日本では数 少ない教育機関のひとつです。山下洋輔、大坂昌彦、中 村誠一、納浩一、香取良彦、佐藤達哉、渡辺香津美など、 豪華な講師陣が勢ぞろいで、本格的にジャズを学ぶこと ができます。

今日は、中村誠一先生が教えておられるサックスおよび
ビッグバンドの指導です。

第1部:サキソフォン・クリニック
 洗足のサックス5名を対象とした指導。まず、下唇へ
 の圧を確認する練習。次に、口輪筋のゆるめ方と鍛え
 方。さらに、舌の位置の変化による気流コントロール
 法。それを確かなものにするための倍音練習などにつ
 いて講義。

 指導を見学しておられた中村誠一先生は、「いやあ、
 教え方がうまい。洗足学園に講師で来てもらいたいく
 らいだよ。来年もこの人呼んでくださいよ」と、手放
 しの絶賛でした。

第2部:ビッグバンド・ワークショップ
 Back Bone と Mambo De Memo について指導。リズム
 隊が譜面にとらわれ過ぎることで、グルーブ感がなく
 なることを指摘。管が入りやすいようにお膳立てをす
 るのもリズムの仕事。曲に命を吹きこむべく生き生き
 としたプレイを心がけること。


<中村誠一先生と意気投合>
帰りは、渋谷のホテルまで中村先生の車で送っていただ
きました。車中、マウスピースやリード、リガチャー、
そして楽器の話でお二人とも盛り上がってしまいました。

ボブが持ってきたサックスのネック4本(アルト用2本、
テナー用2本)を中村先生に預け、日本のサックス奏者に
試してもらいたい旨言付けました。

かくして、ボブ・シェパード日本公演2002は、無事すべ
ての行程を終了しました。みなさん、本当にお世話にな
りました。


<ボブ・シェパード公演の意味するもの>
SHEPP通信でお伝えしてきたひとつひとつの公演を見る
だけで、ジャズという音楽の多様性、そして可能性がお
分かりいただけると思います。

誰もが、自由に、楽しく、インプロヴィゼーション(即
興)をまじえながら取り組むことができる。そして極め
ようとすれば、上達に限界はない。間口は広く、奥は深
い、それがジャズの素晴らしさだと思います。

しかも、ジャズを「教養」や「芸術」として祭り上げて
しまうのではなくて、歯ブラシや鍋やパソコンと同じよ
うな「道具」として使いこなすこともできる。全国各地
のバンドが取り組んでおられるのは、まさに「生活の中
のジャズ」活動だといえます。

幸い、全国各地の方々のご理解によって、この試みは、
年々成長を続けています。今後ともよろしくお願いいた
します。今年もありがとうございました。

ワールド・プロジェクト・ジャパン 黒坂洋介







付記:GOLDEN JAZZ WEEKS 2002 全行程

4月25日(木)
 夕方 関西空港着。大阪でグローバルJOと練習。

4月26日(金) 大阪公演。
 ロイヤルホースでグローバルJOと共演。

4月27日(土) 大阪公演。
 ドルチェ楽器でサックス・クリニック。
 伊丹のジャズ喫茶ステージでグローバルJOと共演。

4月28日(日) 東京公演。
 京王プラザホテル多摩でタマ・ドリーム・ジャズ・オ
 ーケストラと共演。

4月29日(月) 静岡公演。
 メディアシティ静岡でスイング・ハード・ジャズ・オ
 ーケストラと共演。

4月30日(火) (OFF)

5月1日(水) 東京クリニック。
 国際基督教大学(ICU)モダン・ミュージック・ソサェ
 ティでサックス・クリニックおよびビッグバンド指導。

5月2日(木) 東京公演。
 江古田LIVE HOUSE BUDDYで明治大学ビッグ・サウンズ・
 ソサェティ・オーケストラと共演。

5月3日(金) 名古屋公演。
 名古屋市芸術創造センターでレア・サウンズ・ジャズ・
 オーケストラと共演。

5月4日(土) 金沢公演。
 ライブハウス「もっきりや」でコンボ演奏。岡本勝之
 (b)、中沢宏明(ds)、安部誠彦(p)。

5月5日(日) 砺波(となみ)公演。
 砺波チューリップフェアでフィールド・ハラー・ジャ
 ズ・オーケストラと共演。 

5月6日(月) 東京公演。
 多摩市関戸公民館やまばとホールでファニー・フェロ
 ーズ・ジャズ・オーケストラと共演。

5月7日(火) 横浜クリニック。
 洗足学園ジャズコースで指導。

5月8日(水)
 成田空港から帰国の途へ。

投稿者 kurosaka : 2004年3月15日